SUPER GT、合同テストで記者会見、地上波放送がフジテレビに DTMとの交流戦の意向やグレーデッドドライバーの表彰も |
SUPER GTを運営するGTA(GTアソシエイション)は3月6日、SUPER GT合同テストの行われた鈴鹿サーキットで定例記者会見を行い、2010シーズンの参戦状況や、TVでの放送状況の変更について報告した。また記者からDTMとの交流の動きがあることについて聞かれると、DTMサイドから日本、アメリカも含めた規則統一のプレゼンテーションを受けたことを明かした。
GTアソシエイション代表板東正明氏 |
■DTMとの規則統一
GTA代表の板東正明氏によれば、昨シーズンの最終戦もてぎに、DTMを運営するITRが訪れ、JAF(日本自動車連盟)が中心となって話し合いがもたれたと言う。内容は「将来的には、日本とヨーロッパ、そしてアメリカで同じルールの中で車両を走らせるという形が取れないか」という内容だったと言う。
板東氏は「受け入れる日本側の技術規則の部分というよりはプロモーションの部分に問題がある」と言い、DTMが、参加しているメルセデス・ベンツやアウディのプロモーションに直結し、営業戦略としてモータースポーツを支える形になっているのに対し、日本ではまだ足りていない部分が多く、「我々プロモーターがもう少し前に進めないと」とした。
また、SUPER GTの人気の理由として、GT500とGT300の混走や、ドライバー交代、給油のあるレースシステムが挙げられると述べ、1ドライバーで給油もないDTMとのスタンスの違い、また排気量も異なると言う部分で、歩み寄りが決して楽なものではないことを示唆した。
その一方で、話し合いは現在も継続中である言い「2012年にできないのであれば2015年であるとか、先々を見つめ一つ一つ進めて行きたい」と前向きな姿勢を見せ、「まずDTMを迎えるに当たっては交流戦をなんとか実現したい。近い将来、数台だけでもお互いに行けるところまで行って交流戦をやりたいし、日本にも呼びたい」と意気込みを語った。
■2010年SUPER GT
2010年のSUPER GTに関しては、「今年からやっとというか、FR、3.4リッター、V8エンジンというGT500の規定どおりの車両でのレースが成立することとなった。昨年以上のガチンコ勝負で、非常に面白いレース展開を皆さまにお見せできると信じている」と板東氏。またGT300クラスでは「新規参入チームがあり、参加台数としては25台と増えている。新しい車両はアストンマーチンのほか、海外から昨年のセパンでマレーシアから参戦したモスラーが全戦参加のエントリーをしている」とした。
2週間後に開幕戦を控え「GTAの理念としては、より多くの人に感動を与え、心に残るようなレースをし、そしてもう一度足を運んでいただけるようなレース運営を目指して今年もやっていきます」と豊富を語った。
記者からは、GT500クラスの車両の性能調整について質問が出たが、これに対し板東氏は、「今期は3社(トヨタ、日産、ホンダ)においてのハンデはない。(GT500の)規則に沿って車両を作ってもらっているので、性能調整は行わない方針」だとした。
市販されていない車両であるHSV-010の参戦の経緯については、JAFのGT500の車両規則の中に、基本ベースの車両は自動車メーカーによって生産され、公道を走行することに適し、加えて4つの条件のいずれかを満たすことというのがあると言い、HSV-010は、そのうちの「JAFによって認められた車両」というのに合致すると述べた。
それに対してトヨタや日産も「国内最大規模のモータースポーツを支えるレースからホンダがいなくなり、2メーカーになってしまうというところで、よろこんでというか、きちんとご理解をいただき今回にいたった」(板東氏)とした。
■SUPER GT TV放送の変更
昨シーズンまでSUPER GTの地上波での放送を行っていたテレビ東京系の「激走GT」は、今年の3月末で終了する。そして、今シーズンはフジテレビ系の特番として、基本的にはレース開催から1週間後の週末の深夜時間帯に90分枠で放送されると言う。深夜での放送には意見があるとしながらも、これまでの放送時間帯にはなかった若年層の視聴者が多く、新規ファン層の開拓に期待していると言う。特番扱いのため、放送の曜日や時間帯は不定期で、現在確定している第3戦までの放送スケジュールは以下のとおり。
ラウンド | レース日 | 放送日時 |
第1戦鈴鹿 | 3月21日、22日 | 3月24日26時~ |
第2戦岡山 | 4月3日、4日 | 4月11日26時10分~ |
第3戦富士 | 5月1日、2日 | 5月8日10時40分~ |
また、地上波の放送局の変更により、BSの放送もBS日テレからBSフジへと変更される。こちらも原則として、1週間後の放送で時間枠は115分。地上波がダイジェスト的に編集が加えられるのに対し、BSではシンプルにレース映像を展開するものになると言う。
CSは従来どおり、ライブ放送のJスポーツプラスを含め、Jスポーツで放送される。
「グレーデッドドライバー」の5名。写真左から和田久選手、織戸学選手、土屋武士選手、松田秀士選手、本山哲選手 |
■100戦越えの「グレーデッドドライバー」表彰
SUPER GTとその前身である全日本GT選手権の通算で、100戦以上参戦したドライバーに、その功績をたたえ、GTAから「SUPER GTグレーデッドドライバー」として表彰が行われた。表彰されたのは、昨シーズン終了時点で100戦を超えた本山哲選手(108戦)、松田秀士選手(107戦)、土屋武士選手(106戦)、織戸学選手(103戦)、和田久選手(102戦)の5名。トロフィーとSUPER GTシリーズの永久パスが送られた。
(瀬戸 学)
2010年 3月 8日