フォーミュラ・ニッポン、2010年の開催概要と参加チームを発表
全戦が見られるシリーズパドックパスも発売

記者発表で挨拶をするJRPの中嶋悟代表

2010年3月7日開催



 フォーミュラ・ニッポンは3月7日、鈴鹿サーキットで開催された「モータースポーツファン感謝デー」のイベントとして、「フォーミュラ・ニッポンRd.0スペシャルデモレース」と参戦チームの発表会を行った。

フォーミュラ・ニッポンRd.0スペシャルデモレース
 フォーミュラ・ニッポンRd.0スペシャルデモレースに参加したマシンは、今期参戦を予定している14台に立川祐路選手がドライブするトヨタエンジンのテスト用マシンを加えた15台。雨の影響でセーフティカー先導によるローリングスタートで東コースを7周するデモレースが行われた。昨年シリーズチャンピオンを獲得し、今期からDOCOMO TEAM DANDELION RACINGのカーナンバー1で走るロイック・デュバル選手が欠場のため、1号車はリチャード・ライアン選手がドライバーとしてステアリングを握った。

 路面コンディションもわるく、ペースを落とした走行になるかと予想されたが、スタートすると予想を裏切る熱い走りを見せてくれた。まずスタート直前の最終コーナーでジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手がスピンし波乱の幕開けとなった。スタートから飛び出したのは1号車に乗るライアン選手で、一気に後続を引き離し、そのままトップでゴールする快走を見せた。11番手スタートから激しい追い上げを見せたのが、雨のアンドレ・ロッテラー選手だ。東コースをわずか7周のレースで4位まで順位を上げ、ウェット路面に対する強さを見せつけた。少ない周回ではあったが、国内で最も速いレーシングカーの存在感が感じられたイベントとなった。

ロイック・デュバルが欠場したためライアン選手がカー№1番を走らせた伊沢拓也選手ケイ・コッツォリーノ選手
石浦宏明選手塚越広大選手井出有治選手
平中克幸選手ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手平手晃平選手
井口卓人選手山本尚貴選手小暮卓史選手
アンドレ・ロッテラー選手大嶋和也選手

全日本選手権フォーミュラ・ニッポン体制発表会見
 イベント終了後に全日本選手権フォーミュラ・ニッポン体制発表の記者会見が行われた。冒頭の挨拶に立ったJRP(日本レースプロモーション)の中嶋悟代表は「デモレースを見て、あらためて素晴らしいな、迫力あるな、格好いいな、と思いました。今年は台数が増えることになり、不景気の中大変喜ばしい。新人3名(ケイ・コッツォリーノ選手、井口卓人選手、山本尚貴選手)の走りも楽しみです。フォーミュラ・ニッポンの迫力を皆様に是非見ていただきたい」と語った。

 2010年のフォーミュラ・ニッポンのレース形式の変更も発表された。まずレースディスタンスを短くし、スプリント要素を高めたレースとすること。第3戦の富士スピードウェイでは、日曜日に予選、決勝を行う。また、レースによりタイヤ交換の義務付けのあり、なしが決められた。鈴鹿サーキットで行われる最終戦は2レース制とし、各レースの優勝者にはハーフポイントの5点に、ボーナスポイントの3点が加算される。ポールポジションの各1点を加えると、最大で18点を獲得することができ、最終戦での大逆転の可能性もある。さらに最終戦の翌週には「SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2010」も予定されている。

大会日程会場予選方式レース距離タイヤ交換義務づけ備考
Rd.14月17日、18日鈴鹿サーキットノックアウト220kmあり2&4、JSB1000併催
Rd.25月22日、23日ツインリンクもてぎ250kmなし-
Rd.37月17日、18日富士スピードウェイ200kmなし日曜日に予選、決勝
Rd.48月7日、8日ツインリンクもてぎ250kmあり-
Rd.59月25日、26日スポーツランドSUGO230kmなし-
Rd.610月16日、17日オートポリス230kmあり-
Rd.711月6日、7日鈴鹿サーキット2レースなし優勝者ボーナス3点
FSC11月13日、14日富士スピードウェイ未定100kmなしSUPER GTと併催

各チームの新体制を正式発表
 会見では、各チームの新体制が正式に発表された。まず注目は、昨年NAKAJIMA RACINGでシリーズチャンピオンを獲得したロイック・デュバル選手が、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGに移籍しカーナンバー1を付ける。チームメイトは伊沢拓也選手だ。Team LeMansは、先日行われた新人テストに参加したケイ・コッツォリーノ選手を採用。チームメイトは石浦宏明選手。CERUMO/INGINGも先日マシンを走らせた井口卓人選手がドライバーとなり、立川祐路選手はアドバイザーとしてチームに残る。

 大きく体制が変わったのが名門TEAM IMPULだ。星野一義監督は「フォーミュラ・ニッポン撤退も考えたが、チームスタッフの目を見て決心した」と参戦にこぎつけるまでの胸の内を語った。TEAM IMPULは昨年松田次生選手、ブノワ・トレルイエ選手、平手晃平選手の3台体制だったが、今年は平手晃平選手だけが残留、新たにオリベイラ選手を加えた2台体制で参戦することとなった。

 デュバル選手が抜けたNAKAJIMA RACINGは、昨年全日本F3選手権Nクラスでシリーズチャンピオンを獲得した山本尚貴選手が初めてフォーミュラ・ニッポンに乗ることになった。HFDP RACINGは塚越広大選手、PETRONAS TOM'Sはアンドレ・ロッテラー選手と大嶋和也選手で昨年と変更はない。

 今シーズンは新チームが2つ参戦する。MOTUL TEAM 無限とKCMGだ。MOTUL TEAM 無限はドライバーに井出有治選手を起用、参戦初年度から期待ができそうな組合せだ。KCMGは昨年全日本F3選手権NクラスにACHIEVEMENT by KCMGとして参戦、今年からフォーミュラ・ニッポンにも参戦することになった。ドライバーは2008年までフォーミュラ・ニッポンに乗っていた平中克幸選手を起用した。経験豊富なドライバー起用した新規参戦の2チームが、どんな活躍を見せるかに注目したい。

フォーミュラ・ニッポンに参戦する各ドライバー(デュバル選手は欠席)新人ドライバー3人。左から井口卓人選手、ケイ・コッツォリーノ選手、山本尚貴選手

さらに参戦チームが増える
 参戦台数が、昨年の13台から14台に増えた2010年のフォーミュラ・ニッポンだが、関係者の情報によると、さらに参戦を予定しているチームがあるらしい。過去に参戦していたチームがフォーミュラ・ニッポンに復帰との噂なので、近いうちに新チームの発表があることを期待したい。

チームカー№ドライバーエンジン
DOCOMO TEAM DANDELION RACING1ロイック・デュバルHONDA HR10E
2伊沢拓也
Team LeMans7ケイ・コッツォリーノTOYOTA RV8K
8石浦宏明
HFDP RACING10塚越広大HONDA HR10E
MOTUL TEAM 無限16井出有治HONDA HR10E
KCMG18平中克幸TOYOTA RV8K
TEAM IMPUL19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラTOYOTA RV8K
20平手晃平
DELIZIEFOLLIE CERUMO/INGING29井口卓人TOYOTA RV8K
NAKAJIMA RACING31山本尚貴HONDA HR10E
32小暮卓史
PETRONAS TOM'S36アンドレ・ロッテラーTOYOTA RV8K
37大嶋和也

シリーズパドックパスを発売
 2010年のフォーミュラ・ニッポン全7戦とSUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP2010の観戦ができる「シリーズパドックパス」を3月8日から発売する。価格は7万円と、全戦に特別駐車券が1枚付いた8万円のパスもある。

 シリーズパドックパスでは、上記レースの入場に加え、パドックパス、ピットウォーク、グリッドウォーク、グランドスタンドでの観戦が含まれるほか、公式合同テストへの入場、シーズンエンドパーティーおよびシリーズ表彰式への参加、JRP主催イベントへの参加ができ、オリジナル記念品のプレゼントももらえる。また、鈴鹿サーキットでは激観エリアに入場できる。

 さらに、今シーズンからの新規特典として、土曜日全日程終了後のピット見学ツアー(抽選で最大10名)、優勝ドライバーまたはポールポジションドライバーへの花束贈呈(抽選で毎戦1名)、毎戦プログラムプレゼント、毎戦ドライバーサイン入りグッズプレゼントなどが行われる。

 シリーズパドックパスの申し込みは、3月8日より現金書留による郵送で受け付ける。パス代金と証明写真2枚(カラー/2.4cm×3cm)を同封して下記宛先まで郵送のこと。なお、安全管理の観点から、購入時点で16歳以上に限るとしている。

宛先
〒102-0074 東京都千代田区九段南2-3-25
株式会社日本レースプロモーション シリーズパドックパス係

今シーズンは4月17日、18日に鈴鹿で開幕
 注目のフォーミュラ・ニッポン開幕戦は、鈴鹿サーキットで4月17日、18日に行われる。2輪と4輪の国内最高峰レースである「2010 MFJ全日本ロードレース選手権(JSB1000)シリーズ第2戦」と「2010 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第1戦 鈴鹿サーキット」を「SUZUKA 2&4レース」として併催する。是非、サーキットで生の迫力を感じていただきたい。

会場に飾られていたFN09ラジコンカーのモックアップ。ヨコモから夏に発売予定

(奥川浩彦)
2010年 3月 10日