鈴鹿サーキット、3つのレストランを3月20日にオープン お腹いっぱい食べてきました |
3月20日、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市稲生町)に新しいレストランがオープンする。オープン前に報道陣向けに公開&試食会が開催されたので、その模様をお伝えする。
昨年、鈴鹿サーキットはレーシングコースを大幅に改修した。今年はモートピア(ゆうえんち)にも、新しい施設が設置された。リニューアルが続く鈴鹿サーキットの次の目玉がレストランだ。
新しく3つのレストランがオープンするのは「S-PLAZA」という建物で、場所はメインゲートとボウリング場の中間、先日オープンしたプッチタウンのすぐ隣だ。S-PLAZA内の1階にナチュラルビュッフェ「そら・たべよ」、オーガニックカフェ「SUNPO」、2階にエンターテイメント グリル&バー「SHUN」の計3店舗を展開する。
会見の挨拶で、鈴鹿サーキット総支配人の山下晋氏は、「サーキットやモートピアがイノベーションする中で、ホテル、レストランもジャンプアップしたいと考え、3名の業界のトップランナーの方と力をあわせて、新レストラン3つを作り上げてきました。ファンの皆様にホテルやレストランでくつろいでいただき、“鈴鹿サーキットって楽しかったよね”と思い出を持って帰っていただけるために、3つのレストランが力を発揮することを願っております」と語った。
今回の新レストランの企画には店舗デザイン、メニュー開発、ブランディングの専門家が参加している。
店舗デザインを担当した神谷デザイン事務所の神谷利徳氏は、「地元の方にたくさん来ていただきたい。自然と人に優しい店舗作りをした」と語り、SHUNの炎をイメージしたフード、SUNPOの伊勢型紙を使用したレリーフ、そら・たべよのガラスパーテーションに施した檜のレリーフなど、各店舗のデザインの特徴を紹介した。
料理メニュー開発を担当したキッチンエヌの中村新氏は「地元の食材を活用しフードマイレージ(食材の輸送距離)を軽減した。地元のビックリするほどおいしい卵、地元の素晴らしい野菜などを採用した。特にSUNPOの魔法のオムライスを是非食べていただきたい」と語った。
ブランディングを担当したDDRの安藤竜二氏は、「SUNPO=散歩はSANPOではなくSUN=太陽の恵みを強調した。SHUNは旬の野菜、旬の魚、食べる瞬間、瞬間を楽しもうという思いを込めた」と店舗名へのこだわりを語った。
鈴鹿サーキットを運営するモビリティランド取締役 鈴鹿サーキット総支配人の山下晋氏 | 神谷デザイン事務所 神谷利徳氏 | キッチンエヌ 中村新氏 |
DDR 安藤竜二氏 | 発表会では、鈴鹿サーキットの平川喜久夫料理長による炎のパフォーマンスも披露された |
■オーガニックカフェ「SUNPO」
オーガニックなドリンクと軽食。特に地元の卵にこだわった、オムライスと無農薬の地元有機野菜にこだわったサラダがオススメ。席数は130席、営業時間は10時~18時。
オーガニックカフェ SUNPO。上部のモチーフは地元工芸の伊勢型紙が使われている | 店内にも伊勢型紙が使われている | 店内の様子 |
店内の奥は書斎風のデザイン | 店外でも食事が可能 | オーガニックオレンジジュース |
魔法のオムレツはイチ押し |
■ナチュラルビュッフェ「そら・たべよ」
素材にこだわったバイキング形式のレストラン。ファミリーに最適。席数は330席。営業時間は、モーニングビュッフェ7時~10時、ランチビュッフェ11時30分~15時、ディナービュッフェ17時30分~21時。
ナチュラルビュッフェ そら・たべよ | ガラスパーテーションには鈴鹿の市木である檜のレリーフ |
店内の様子 | |
60種以上の料理が並ぶ店内 |
■エンターテイメント グリル&バー「SHUN」
シンプルな調理法、鮮やかな自然色、美味しい音で溢れるパフォーマンスレストラン。席数は140席。営業時間は18時~22時。コースメニューは5800円より。
エンターテイメント グリル&バー SHUN | 厨房のフードは炎をイメージ | 店内の様子 |
カウンターバー | ワインクーラーは店外からも見える | 氷の上に食材が並べられる |
SHUNで出される料理の一例 |
■S-PLAZA内の施設
ブライダル相談コーナー | ブライダル相談コーナーと通路側には、ミニカーが車の型で並べられている | 並べられた各種ホンダ車のミニカー |
男子トイレには自動車部品が飾られている | ||
女子トイレ | エアーカーテンで分煙された喫煙スペース | 喫煙室の隣に子供の遊び場。喫煙中も親は安心 |
子供が近付くところの柱は、角を丸めて安全に配慮 |
■いよいよ試食会。目指せ全品制覇
発表会の後、報道陣向けにそら・たべよで試食会が行われたので、あまりグルメとは言えない筆者のグルメリポートをお届けしよう。そら・たべよのメニューはバイキング形式で約60種、果たして全品制覇は可能か、チャレンジしてみた。
レストランはオープン前だが、報道陣と招待された地元幼稚園の園児と母親で、店内は争奪戦の様相を呈していた。だが焦る必要はない。所詮、幼稚園児の食べられる量はしれている。しばらく待てば、ペースダウンするはずだ。取りあえず、混雑する店内の撮影をしつつ、各メニューの配置をチェックした。
各所で争奪戦が始まった |
筆者の作戦は、あらかじめ朝食を控えて、鈴鹿サーキットまでの移動中に間食をしない、炭水化物系のご飯類、パスタやピザは満腹になりやすいので後回し、デザートは限界が来てから別腹に入れる、というバイキングの王道だ。
店内の撮影を一通り終えたので、いよいよ参戦だ。そら・たべよでは、そこらにある低価格なバイキングと違って、ホテルバイキング並のハイクオリティな料理が並べられている。まず目に入ったのは、ご飯、味噌汁、カレーのコーナーだったが、バイキングの王道に沿ってスルーした。春キャベツと豚肉のカレー風味漬け、蒸し鶏の冷製、小魚の南蛮漬け、春野菜のスパニッシュオムレツ、天ぷら、お寿司……と一つずつは少なめに取る。お寿司はご飯類で、王道に反しているが、誘惑に負けてしまった。
春キャベツと豚肉のカレー風味漬け | 蒸し鶏の冷製 | 小魚の南蛮漬け |
春野菜のスパニッシュオムレツ | 天ぷら | お寿司 |
ビジネスホテルのバイキングに行くと、天こ盛り(山盛り)にするのだが、今回は撮影もするので、少々上品に盛りつけしてみた。サラダボウルにはレタスにトマトのジェノベーゼマリネ、花野菜のイチゴ風味(イチゴで色付けされたブロッコリーとカリフラワー)を盛りつけた。
トマトのジェノベーゼマリネ | 花野菜のイチゴ風味 | 飲み物も多数並ぶ |
1巡目はあっさり完食 |
1巡目はやや上品に盛りつけた2皿。お味は……美味い。その中で驚いたのはトマトだ。40代以上の人は、今と違って昔のトマトはしっかり味がしたことを憶えているのではないだろうか。久々に太陽をしっかり浴びた、味の濃いトマトを食べることができた。1巡目はあっさり完食だ。
タイヤ交換…じゃなくディッシュ(お皿)交換をして、すぐに2巡目に突入だ。作戦は変更なし、イカとトマトのレモンと蜂蜜風味サラダ、クラゲとトマトの酢の物、エスニック風野菜と鶏肉のマリネサラダ、春キャベツと海の幸のグラタン……と盛りつける。もう1皿はエビチリだ。
イカとトマトのレモンと蜂蜜風味サラダ | クラゲとトマトの酢の物 |
エスニック風野菜と鶏肉のマリネサラダ | 2巡目も2皿。ここまでは快調だったが…… |
1時間が経過。さっきまでの争奪戦が嘘の様に閑散としていた |
2巡目も難なく完食したが、もうお腹がいっぱいになってきた。まだ20品目も食べていない。ここはやむなくピットインだ。ってことでエアーカーテンにより分煙された喫煙スペースへ(筆者は喫煙者)。自動車部品が飾られたトイレにも立ち寄り、再びコースイン……と思ったが、もう無理。全品制覇はあっさり玉砕となった。
構想では3巡目、4巡目と続き、締めはご飯類、限界が来たらデザートだったが、2巡目であっさり限界が来たので、中間を飛ばしてデザートに行くことにした。すでに1時間が経過し、予想どおり料理のコーナーは、先ほどまでの争奪戦が嘘の様に閑散としていた。ところがデザートのコーナーだけはこの時間も盛況だ。
特に人気が高かったのがチョコレートフォンデュだ。実は筆者自身、人生50年弱の中でチョコレートフォンデュは未体験。この機会に初体験と目論んでいたが、それは幼稚園児も同じで、10人以上が列を作る盛況ぶりだった。園児列にオッサンが並ぶのも恥ずかしい、ってことで諦め、グラスケーキ、カスタードプリン、マンゴープリン……とオーソドックスな選択をした。
カスタードプリン | マンゴープリン |
プチケーキ類 | 別腹にスイーツ類を詰め込んで終了 |
そもそも“別腹”という発想には否定的なのだが、それでも満腹の腹にデザートを詰め込み終了とあいなった。ドリンクを含めおよそ25品でリタイヤだ。60周のレースを25周、もちろん完走扱いにはならない。学生時代だったら倍以上は……と思いつつ、美味しいものをお腹いっぱい食べたのでよしとしよう。
食べられなかった料理の数々。炒飯とパスタ | ピザは子供に人気 | ポテトと焼きそば |
ニンニクの芽と豚肉の炒め物 | からあげなど各種あげもの | 炊き込みご飯 |
カレーは甘口、辛口の2種類 | 野菜スープ |
左から、シュウマイ、桃まんじゅう、パオツ | ||
パン類。ジャムにもこだわりが感じられる | アイスも食べ放題だが…… |
食べ残しがなければプッチがもらえる |
ちなみにそら・たべよでは、食べ残しがないと、サーキット内の通貨である「プッチ」をもらうことができる。プッチはゆうえんち内で、お菓子に代えたり、寄付して植樹に役立てたりすることができる。子供に対する自発性、社会性の啓発を意識した取り組みだ。
そら・たべよの料金は、大人はモーニングビュッフェが1260円、ランチビュッフェが1890円、ディナービュッフェが2940円。幼児はどの時間でも630円となっている。目一杯食べた筆者は夜になってもお腹が空かない状態だ。レース観戦の前や途中でそら・たべよに立ち寄れば、その日はガソリン補給なしで過ごせるかもしれない。
普通に食事をされる方はもちろん、ガッツリ食べたい方は是非60品完食にチャレンジしていただきたい。オープンは3月20日、SUPER GTの開幕戦の日になる。
(奥川浩彦)
2010年 3月 17日