三洋、SSD 16GBを搭載したPND「ゴリラ」の新モデル
自車位置を素早く測位する「クイックGPS」や徒歩用ナビゲーション機能を搭載

発表会には「ゴリラ」のイメージキャラクターを務める関根麻里さんが登場

2010年4月22日発売(NV‐SB570DT、NV‐SB550DT)
2010年4月28日発売(NV‐SD740DT)
オープンプライス



 三洋電機は、PND(Personal Navigation Device)「ゴリラ」の新モデル「NV‐SB570DT」「NV‐SB550DT」を4月22日に、「NV‐SD740DT」を4月28日に発売すると発表した。価格はすべてオープンプライスで、店頭予想価格はSD740DTが8万円前後、SB570DTが7万円前後、SB550DTが6万5000円前後。

 いずれのモデルも16GB SSD(ソリッドステートドライブ)を搭載し、ワンセグ受信が可能。SB570DTとSB550DTは5.2V型ワイドTFT液晶モニターを、SD740DTは7.0V型ワイドTFT液晶モニターを搭載する。

 本体は上下・左右のジャイロセンサーと加速度センサーを内蔵し、車の動きを検知してGPSが受信できない高架下やトンネルなどの走行時も自車位置を測位できるほか、運転中の加速・減速・アイドリング時間などを計算し、画面表示と音声でエコ運転を促す「エコドライブ情報機能」などを搭載する。

 地図情報は電話番号検索(約4000万件)、住所地番検索(約3500万件)、郵便番号検索(約14万件)、ジャンル・周辺検索(約450万件)、3Dリアル交差点(約5440画像)を収録する。

 また、SD740DTとSB570DTは渋滞や工事カ所、交通規制などの情報をリアルタイムにキャッチして地図上に表示するFM多重VICSに対応する。

NV‐SB550DTNV‐SB570DTNV‐SD740DT

 主な仕様は次のとおり。

品番NV-SD740DTNV-SB570DTNV-SB550DT
メディア

16GB SSD

ナビゲーション部GPDアンテナ

マイクロストリップ平面アンテナ

受信周波数

1575.42MHz(C/Aコード)

受信方式/受信感度

パラレル12チャンネル/-152dBm

センサー

ジャイロセンサー(上下、左右)、加速度センサー

モニター部サイズ/種類7.0V型ワイドTFT液晶5.2V型ワイドTFT液晶5.2V型ワイドTFT液晶
画素数

34万5600画素

バックライト

LED

TV部受信方式

ワンセグ

受信チャンネル

UHF 13~62チャンネル

内蔵スピーカーステレオ:1W×2モノラル1W×1モノラル1W×1
端子部電源入力

DC5V(EIAJ端子/TYPE2)

GPSアンテナ入力

MCX×1

地デジアンテナ入力

MCX×1

VICSアンテナミニジャックミニジャック-
映像入力

バックカメラ入力用(ブレーキ端子兼用)

ヘッドホン接続

ミニジャック、ステレオ

そのほか内蔵バッテリー-リチウム(交換可)リチウム(交換可)
電池パック対応NVP-DP20

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定格電流/消費電力

1.5A/7.5W

外形寸法179×23.4×109mm(幅×奥行き×高さ)139×21.5×86mm(幅×奥行き×高さ)139×21.5×86mm(幅×奥行き×高さ)
質量約400g約260g約260g

 同社における2009年度のPNDの販売台数は、2008年度の71.6万台から139.7%の100万台を予測する。さらに、2010年度は125万台、2011年度は130万台と、順調に推移すると予想し、今年は「もっと楽しむ」をコンセプトに、さらなるシェア拡大を目指す。

 16GB SSDを搭載したことで、地図情報の充実に加え、探索・検索スピードを向上。今回のポイントは、「探す」機能の強化と「楽しむ」機能の進化だと言う。

PNDの概況を説明した三洋電機 執行役員で、三洋電機コンシューマエレクトロニクス 専務取締役 車載機器事業部 事業部長の大庭功氏ゴリラ新モデルの説明を行った三洋電機コンシューマエレクトロニクス 車載機器事業部 事業統括部 ポータブル開発部 部長 山下隆弘氏「エコ意識の高まり」「ETC特需」「デフレ」「エコカー減税」といった環境下において、PNDの需要は伸びていると言う
緑色がPNDで、青色がその他のカーナビ製品を指す。同社ではPNDの2009年度の国内販売台数が前年比139.7%の100万台を予測。さらに来年、再来年とゆるやかに増加することを予想している三洋電機は国内市場で50%のシェアを獲得していると言う
業界を牽引するメーカーとして、「探す」機能の強化と「楽しむ」機能を進化させた業界初となる16GB SSDを全モデルに搭載

 「探す」機能で強化された点で注目なのは、ナビゲーション起動時の自車位置測位を素早く行う「クイックGPS」を搭載したこと。従来モデルでは、「位置情報」「時刻情報」「軌道情報」をGPSから取得しなければ自車位置を測位できないため、動き出してからしばらくはナビの自車位置が追従しない現象が起きていたと言う。しかし、新モデルでは「時刻情報」のみの取得で測位を可能にし、これにより測位完了までに必要な時間を約30秒~数分(従来モデル)から約10秒まで短縮でき、測位のスピードを大幅に向上。「位置情報」「軌道情報」については、衛星から新しいデータを取得次第、そのデータを反映させていくのだと言う。

クイックGPSにより、測位完了までの所用時間が大幅に短縮されるGPS情報の表示画面。撮影したのが屋内のため情報を表示することはできなかった

 新モデルは道幅表示を全国でカバーする。従来モデルでも、市街地では道幅表示を行っていたものの、郊外や山間部では道幅の区別がない線表示だった。これにより、郊外、山間部でより見やすい地図に進化している。

 詳細市街地図表示を従来モデルでは12m/25mの2段階のみだったが、5m/12m/25m/50mの4段階から選択することが可能になった。これにより広域でより細かい詳細市街地図の活用を実現した。

 地図のベースカラーにおいては、「ノーマル」「カラフル」「モダン」「パステル」「レトロ」の5パターンから選択できる。

 施設50音・名称検索に高速版のデータベースを採用し、検索にかかる時間を短縮させたほか、「あいまい検索」では名称の一部を入力するだけで検索できるキーワードを大幅に増加させるなど、検索機能の向上も図られている。

 地図情報は電話番号検索(約4000万件)、住所地番検索(約3500万件)、郵便番号検索(約14万件)、ジャンル・周辺検索(約450万件)、3Dリアル交差点(約5440画像)を収録する。

道幅地図を全国でカバー詳細市街地図は5m/12m/25m/50mの4段階から選択できる
従来モデルと新モデルの50mスケールの比較。地図のきめの細かさが大きく異なるのがよく分かる地図のベースカラーは5色から選択できる

 また、新モデルには歩行者に適したルート表示を行う「あるくナビ」機能を追加した。あるくナビでは、地下街・駅の連結路・歩道橋・地下通路・公園など、歩行専用のルートを表示する。この機能の特徴は歩く道によって色を変化させる点で、例えば横断歩道や歩道橋は黄色、建物内の通路などは青色、それ以外の一般道路などは赤色で表示。さらに、下り階段や上り階段、歩道橋、エレベーター、エスカレーターなどがアイコンで表示されるなど、より利便性の高い仕上がりをみせる。

 そのほか、横画面に加えて縦画面表示も可能になり、進行方向を遠くまで表示することでルートを理解しやすいものとした。

あるくナビでは、駅の連結路、歩道橋、公園など、歩行可能な道を使って歩行者に適したルート表示を行うルート色の種類とアイコンの種類横断歩道や歩道橋のある場所を黄色で、それ以外の一般道路を赤色で表示
歩行時により遠くまで見渡せる縦画面表示を採用。本体を縦向きにすると画面が自動で縦表示に切り替わる

 「楽しむ」機能の進化した点は、音楽、動画、静止画のデータをSDカードを介して本体のメモリーに保存できる「Myストッカー」機能を設けたこと。

 Myストッカーは、音楽ファイル(MP3/WMA)を約400曲、画像ファイル(JPEG)を約750枚、動画ファイル(MP4 AVC/H.264)を約400分保存でき、Myストッカー管理画面ではそれぞれの使用領域を表示するほか、メモリー全体の空き容量の確認も行える。

 また、SDカードやMyストッカーに記録した画像をスライドショー表示する「フォトフレーム機能」を設ける。背景に時計やカレンダーを同時に表示させることも可能。

 バッテリー単体での駆動時間は、従来モデル(NV-SB531DT)の約3時間20分から約4時間30分(NV-SB550DT)まで向上させている。

Myストッカーは、音楽/動画/静止画を本体メモリーに保存できる機能バッテリーの連続使用時間も大幅に向上購入後1年間は、車上あらしにあった場合でも同商品または後継商品が無償で補償される

(編集部:小林 隆)
2010年 3月 26日