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BASF、2010年の自動車カラートレンドを発表
低迷する状況で、着実に前向きに進む姿勢を表現

BASFが提案する2010年のトレンドカラー

2010年6月23日発表



BASFコーティングスジャパンの島崎アレハンドロ社長

 BASF(ビーエーエスエフ)コーティングスジャパンは6月23日、2010年のカラートレンドを発表、都内の同社本社で記者会見を開催した。

 同社は世界的な化学製品企業BASFのグループ会社であり、自動車、二輪車、コンシューマーエレクトロニクスなどの塗料のメーカー。自動車塗料メーカーとして唯一、米国、ドイツ、日本の3カ所にカラーデザインセンターを持っているのが特長。地域ごとのカラートレンドを分析・予測して色を開発し、2〜3年後の製品に向けて提案している。

 記者会見では、同社でアジア太平洋地域のカラーデザインを担当するチーフカラーデザイナーの松原千春氏が、2010年のカラートレンドのテーマを「Be」と発表。BeはBe動詞のBeで、かつ、「○○であれ」という意味も持つ。

 松原氏によれば「社会的・経済的に低迷する中で困難な状況が続いているが、生活者の行動に前向きな傾向が見られるようになってきた。まだまだ不安な要素はたくさんあるが、自分たちのコントロールできないところをいつまでも嘆くのでなく、身の回りの、自分たちの改善できるところから、前向きに、現実的に、1歩ずつという時代の気分を反映させた」と言う。

 そして「Be」に続く「Be sympathetic」「Be eternal」「Be passionate」「Be edgy」の4つの言葉を小テーマとして設定。

松原千春チーフカラーデザイナー 2010年のアジア・パシフィックのテーマは「Be」 共感
永遠 情熱 個性

 

Be sympatheticで提案された色。メタリック、ソリッドがあり、同じメタリックでも輝きが細かいものや粗いものがある

 「Be sympathetic」(共感的であれ)は、誰かの活動に共感して行動を起こす、企業の姿勢やコンセプトに共感してモノを買う、環境に配慮する志向が他人への共感に繋がり、社会貢献活動に広がる、といったように、「共感」が行動を起こすエネルギー源になることを表現したもの。「やさしく寛大な心をイメージし、誰が見ても心地よく、幸せを感じる、自然の中にあるようなカラー」「シルバーやベージュでも、シェードをスモーキーにして、優しい印象を与えるようにした」と言う。

Be eternal

 「Be eternal」(永遠であれ)は、「不安な時代には“普遍の価値”を求める人が増える」ことから、愛着や安心感、物事の神髄といった普遍性をコンセプトにしたもの。愛着や安心感を持てる一方で、昔からあるものを現代風にアレンジして、古ぼけて見えないようにした「モダンノスタルジア」をテーマとし、シルバーやホワイト、ブラック、ディープなレッド、ブルーといったベーシックな色になるが、輝きでモダンにアレンジし、「懐かしさと新しさの融合を表現した」(松原氏)。


Be passionate

 「Be passionate」(情熱的であれ)は、すべての活動の源である「情熱」を表したもの。「好きなこと・モノに熱中しているときの気持ちのいい陶酔感や、理屈でなく直感的に“これがやりたい”“これが好き”という即興性、直感をキーワードにした。“ギャルパワー”“オタクパワー”のような情熱感」で、無限の情熱をイメージし、原色調のカラーとした。松原氏は「自動車にはとても使わないようなパープルをあえて入れた。EVが出てくればクルマの概念も違う方向に行くだろうと予測して、インパクトのあるカラーを作ってみた」と言う。また「従来は携帯電話なら黒、自動車ならシルバーといった固定概念があったが、最近はたとえばパープルが好きなら、ありとあらゆる製品をパープルで揃える傾向がある」とした。


Be edgy

 最後の「Be edgy」(個性的であれ)は「通常なら行きすぎた感じ、今までありえなかった、非常識だったりタブーだったりした価値観を否定しないで、自分がいいと思えば自己表現に使っていこう」というテーマ。常識にとらわれない自由な発想で自分を表現しようというコンセプトで、視覚的に立体感、重量感を与え不思議な魅力のある塗料を目指した。

 また、ドイツとアメリカのデザインオフィスが発表したカラートレンドも説明された。ドイツは「RAUSCHEN(激流)」、アメリカは「MOVING(動き出すとき)」をテーマとしており、表現は異なるものの「前向」「前進」「環境」「高揚感」といった「背景にあるコンセプトは似ている」(松原氏)。また提案されたカラーも「原色調」「明るいシルバー」など、共通するものが多かった。トレンドが世界的に共通するのは、近年の傾向と言う。

ドイツのテーマ「激流」 アメリカのテーマ「動き出すとき」 背景のコンセプトが似ている
提案された色にも共通の傾向がある

(編集部:田中真一郎)
2010年 6月 24日