マツダ、新型「プレマシー」発表会 i-stopなどの環境技術で「家族のためのエコデザイン」 |
マツダは7月1日、同日発売した7人乗りミニバン「プレマシー」の発表会を、都内で開催した。
発表会ではプレマシーの製品概要が説明されるとともに、同社の山内孝代表取締役会長 社長兼CEOが「今年は反転攻勢の年。トップバッターとなるプレマシーは大変重要なモデル」と、新型プレマシーにかける意気込みを語った。
i-stopをアピールする山内CEO |
■i-stopを土台に、ハイブリッドへ
プレマシーは1999年に初代が登場したミニバンで、今回発表された新型で3代目となる。日本だけでなく、北米、欧州、中国といった世界の主要市場に投入されており、累計台数83万台を超える“グローバルカー”である。
3代目の詳細は関連記事に詳しいが、基本的には2代目からのキープコンセプトであり、両側スライドドアと、2列目が2人がけのキャプテンシートにも、3人掛けのベンチシートにもなる仕組みや、マツダ車らしい軽快なドライビングフィールを継承している。
開発コンセプトが「コンテンポラリー・スマート・チョイス(時代にあったスマートな選択)」、TV CMなどで使われるキャッチフレーズが「家族のためのエコデザイン」と銘打たれるとおり、「環境への貢献を意識するファミリー」をターゲットに、新型では環境性能の向上が大きなアピールポイントとなっている。
発表会で山内CEOがもっとも長い時間を割いて紹介したのは、新型プレマシーのアイドリングストップシステム「i-stop」。2009年、国内のアイドリングストップ車は前年比6倍に拡大したが、10台のうち9台をマツダのi-stop搭載車という実績を明らかにした。
またプレマシーの開発主査である松岡英樹氏によれば、すでにi-stopが設定されている車両のi-stop搭載率は、「アクセラ」で47%、「ビアンテ」で実に77%に及ぶと言う。
同社は環境技術戦略として「ビルディングブロック戦略」を掲げている。これは「ベースとなる内燃機関の技術を磨き上げ、その上に電気デバイスを段階的に積み上げることで、環境技術を進化させていく」(山内CEO)というもので、電気デバイスとしてはブレーキエネルギー回生システム、ハイブリッドシステム、プラグインハイブリッドが予定されている。山内CEOはその中でも「istopは土台となる重要な技術のひとつ」とし、今後、搭載車を拡大していくことを表明した。
i-stopはビルディングブロック戦略の土台 | 非常に高いアクセラ、ビアンテのi-stop装着率 | 新型プレマシーのラインアップ。FF車はすべてエコカー減税対象に |
月販目標は1800台 | 発表会前、山内CEOは同社工場で起きた暴走事件について説明した |
松岡主査(右)と田畑チーフデザイナー |
■4つのキーは「デザイン」「環境」「機能性」「走り」
松岡主査によれば、新型プレマシーのキーは「魅了するデザイン」「環境への優しさ」「考え抜かれた機能性」「上質で気持ちのよい走り」の4つ。
デザインはやはり、同社量産車初の「NAGARE(流れ)」コンセプトがそのキモ。水の流れをイメージした造形は、ボディー外板だけでなく、インテリアにも適用されており、メーターカウルの頂点から室内全体へ波紋が広がる様を、ダッシュボードの造形やシートの縫製パターンで表現したという。
チーフデザイナーの田畑孝司氏は「ミニバンのデザインはフラットになりがちだが、革新的で表情豊かなボディ造形を心がけた」と言う。
環境関連では、先述のi-stopのほか、貴金属の使用量を削減したシングルナノ触媒、FF車全モデルへのエコカー減税適用がある。
機能性では、「コンパクトなサイズのパッケージングとミニバンの機能性」をアピール。とくに安全性と快適性の改善に重点がおかれ、カラクリ7thシートのシートベルトが3点式になったこと、電動スライドドアにはタッチセンサーによる安全機構が組み込まれていることなどが説明された。
フロントマスクからボディーサイドのプレスラインで水の流れを表現。フロントタイヤを岩、サイドマーカーランプを小石に見立て、波紋が起こる様を表現 | ||
ヘッドランプクラスター | 2リッターの直噴エンジン |
(編集部:田中真一郎)
2010年 7月 1日