NASVA、2010年度の自動車アセスメント結果
グランプリ該当車はなし

2011年4月20日発表



 NASVA(National Agency for Automotive Safety & Victims' Aid:自動車事故対策機構)は4月20日、平成22年度(2010年度)自動車アセスメントの試験結果を発表した。

 自動車アセスメントとは、自動車の安全性能比較評価のこと。試験結果は国土交通省と NASVAが自動車ユーザーに公表し、より安全な自動車の普及とメーカーによる研究開発を促進することを目的としている。

 平成22年度は、販売実績の多い12車種(軽自動車2車種、小型・普通乗用車10車種[うちワンボックスおよびミニバン2車種])とメーカーからの委託による5車種(うちすべての試験項目を実施したのは2車種)を対象とし、アセスメントを実施。

 試験については、衝突安全性能試験(フルラップ前面衝突試験、オフセット前面衝突試験、側面衝突試験)、歩行者頭部保護性能試験、ブレーキ性能試験、サイドカーテンエアバッグの展開評価、前面衝突後席乗員保護性能試験、後面衝突頚部保護性能試験、後席シートベルト使用性評価試験及び座席ベルトの非着用時警報装置評価試験を実施した。

 衝突安全性能試験の総合評価(3つの衝突試験結果から総合的に評価したもの)については、11車種が運転席、助手席とも最高の6つ星となったものの、歩行者頭部保護性能評価については、最高のレベル5の評価を得た車種が1車種、さらに、後面衝突頚部保護性能評価については、最高評価が運転席、助手席で5車種あったが、最低評価も運転席、助手席で2車種あった。

 衝突安全性能試験の総合評価で、運転席、助手席ともに6つ星となり、歩行者頭部保護性能評価でレベル5を獲得するなどした車種がなかったことから、今年度においてはグランプリ該当車をなしとした。

 下記に、衝突安全性能総合評価、歩行者頭部保護性能評価の今年度の評価を掲載する。そのほかの性能評価については、NASVAのWebページを参照のこと。

メーカー名車種名衝突安全性能総合評価
(運転席)
衝突安全性能総合評価
(助手席)
歩行者頭部
保護性能評価
スズキアルト★★★★★☆(5)★★★★★☆(5)レベル3
ダイハツ工業タント エグゼ★★★★★★(6)★★★★★★(6)レベル3
ダイハツ工業ムーヴ★★★★★★(6)★★★★★★(6)レベル3
スズキスイフト★★★★★★(6)★★★★★★(6)レベル4
トヨタ自動車パッソ★★★★★★(6)★★★★★★(6)レベル4
トヨタ自動車パッソ
(サイドカーテンエアバッグ付き)
★★★★★★(6+)★★★★★★(6+)レベル4
日産自動車ジューク★★★★★★(6)★★★★★☆(5)レベル5
日産自動車マーチ★★★★★☆(5)★★★★★☆(5)レベル4
フォルクスワーゲンポロ★★★★★★(6+)★★★★★★(6+)レベル2
本田技研工業CR-Z★★★★★☆(5)★★★★★★(6)レベル3
本田技研工業CR-Z
(サイドカーテンエアバッグ付き)
★★★★★☆(5+)★★★★★★(6+)レベル3
三菱自動車工業RVR★★★★★★(6)★★★★★★(6)レベル4
トヨタ自動車SAI★★★★★★(6+)★★★★★★(6+)レベル4
日産自動車エルグランド★★★★★★(6+)★★★★★★(6+)レベル4
日産自動車セレナ★★★★★★(6)★★★★★★(6)レベル4
マツダプレマシー★★★★★★(6)★★★★★★(6)レベル4
※衝突安全性能総合評価の+表記はサイドカーテンエアバッグ付き

(編集部:谷川 潔)
2011年 4月 20日