メルセデス・ベンツ、マイナーチェンジした新型「Cクラス」発表会 内外装のデザイン変更や7速ATを採用。C 350は新開発3.5リッターエンジン搭載 |
メルセデス・ベンツ日本は5月30日、内外装や装備を刷新した新型「Cクラス」を発売した。価格は399万円~700万円。同日、新型Cクラスの発表会を開催したので、その模様をお伝えする。
グレード | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 |
C 200 ブルーエフィシェンシーライト | 直列4気筒DOHC 1.8リッターターボ | 7速AT | 2WD(FR) | 399万円 |
C 200 ブルーエフィシェンシー | 440万円 | |||
C 200 ブルーエフィシェンシー アバンギャルド | 492万円 | |||
C 250 ブルーエフィシェンシーアバンギャルド | 567万円 | |||
C 350 ブルーエフィシェンシーアバンギャルド | V型6気筒DOHC 3.5リッター | 680万円 | ||
C 200 ブルーエフィシェンシー ステーションワゴン ライト | 直列4気筒DOHC 1.8リッターターボ | 419万円 | ||
C 200 ブルーエフィシェンシー ステーションワゴン | 460万円 | |||
C 200 ブルーエフィシェンシー ステーションワゴン アバンギャルド | 513万円 | |||
C 250 ブルーエフィシェンシー ステーションワゴン アバンギャルド | 587万円 | |||
C 350 ブルーエフィシェンシー ステーションワゴン アバンギャルド | V型6気筒DOHC 3.5リッター | 700万円 |
今回のマイナーチェンジは内外装のデザインにとどまらず、パワートレーン、安全装備、機能装備など合計2000個所以上にわたって行われた。
C 200、C 250が搭載する直列4気筒DOHC 1.8リッターエンジンに変更はないが、C 350に搭載していたV型6気筒DOHC 3リッターエンジンは、最高出力225kW(306PS)/6500rpm、最大トルク370Nm(37.7kgm)/3500-5250rpmを発生する新開発のV型6気筒DOHC 3.5リッターに変更(C 350は8月中旬にデリバリー開始予定)された。
同エンジンは、高噴射圧(最大圧力200bar)のピエゾインジェクターやスプレーガイド式燃焼システムの採用によって常に最適な燃焼状況を作る。また巡航時と冷間始動時/高負荷時で異なる燃焼方法を採用し、状況に合わせた最適な燃焼方法を選択することで、ドライバーが意識することなく低燃費運転が可能と言う。
こうした低燃費化技術に加え、アイドリングストップ機能の搭載、約10kg軽くなったというアルミボンネットやアルミ製クランクケースやシリンダーヘッドの採用による軽量化で、欧州燃費基準値を31%改善したと言う。
また、直列4気筒DOHC 1.8リッターターボエンジンを搭載するC 200、C 250では、従来の5速ATから7速ATに変更している。
フロントまわりでは、CシェイプのポジションライトなどLEDを多用したヘッドライトユニットやアルミボンネット、ラジエーターグリル、フロントバンパーなどを、リア周りはCシェイプのウインカーやブレーキランプ、スモールランプにLEDを用いたコンビネーションランプをそれぞれ採用した。
インテリアではカラーディスプレイを採用した新デザインのメーターパネル、助手席側まで拡大されたインテリアトリムパネル、ナッパレザーステアリング、アンビエントライトの採用や、センターコンソールのトリムパネル拡大などにより上質感を一層高めた。
装備面もさらなる充実を図っており、居眠りを未然に防ぐ「アテンションアシスト」、ハイビームとロービームを自動で切り替える「アダプティブハイビームアシスト」といったセーフティシステムを標準装備化。
また、Cクラス全車に標準装備し、HDDカーナビやテレビ、オーディオ機能などを操作できる「COMANDシステム」も改良を受け、Googleマップで設定した位置情報をダウンロードして目的地に設定できるほか、Bluetoothオーディオ機能の搭載や、USBメモリー、SDカード、iPodの音楽再生を可能にした。さらに、縦列駐車をサポートする「パークトロニック(パーキングガイダンス機能付き)」を全モデルにオプション設定している。
●C 250 ブルーエフィシェンシー ステーションワゴン アバンギャルド
室内では上質感を高めたほか、アテンションアシストの標準装備化、COMANDシステムの改良など装備面の充実を図っている |
●C 200 ブルーエフィシェンシー
エントリーモデルのC 200 ブルーエフィシェンシーは、アバンギャルドと異なりスリーポインテッドスターがボンネット上に備わる仕様 |
ベージュベースの明るいインテリア |
前後バンパー付近の障害物を感知すると、インジケーターやアラーム音で接近を知らせるパークトロニックをCクラス全グレードにパッケージオプションで設定。センサーはフロントバンパーに3つ、リアバンパーに2つ備わる |
●C 350 ブルーエフィシェンシーアバンギャルド
8月中旬にデリバリーを開始するC 350 ブルーエフィシェンシーアバンギャルドは、新開発のV型6気筒DOHC 3.5リッターエンジンを搭載 |
C 200 ブルーエフィシェンシー | C 250 ブルーエフィシェンシー アバンギャルド | C 350 ブルーエフィシェンシーアバンギャルド(欧州参考値) | |
ステアリング | 右 | 右 | 左/右(右) |
乗車定員 | 5名 | ||
サイズ(全長×全幅×全高)[mm] | 4595×1770×1445(4610×1770×1460) | - | |
ホイールベース[mm] | 2760 | - | |
トレッド(前/後)[mm] | 1540/1545 | 1535/1535 | - |
最低地上高[mm] | 150 | - | |
重量[kg] | 1500(1560) | 1550 | - |
エンジン | 直列4気筒DOHC 1.8リッターターボ | V型6気筒DOHC 3.5リッター | |
最高出力[kW(PS)/rpm] | 135(184)/5250 | 150(204)/5500 | 225(306)/6500 |
最大トルク[Nm(kgm)/rpm] | 270(27.5)/1800-4600 | 310(31.6)/2000-4300 | 370(37.7)/3500-5250 |
燃料消費率(10・15モード燃費)[km/L] | 12.8 | 12.6 | - |
燃料消費率(JC08モード燃費)[km/L] | 11.8 | 10.8 | - |
トランスミッション | 7速AT | ||
駆動方式 | 2WD(FR) | ||
タイヤサイズ | 205/55 R16 | 225/45 R17 |
※カッコ内はステーションワゴン
発表会では、メルセデス・ベンツ日本のニコラス・スピークス代表取締役社長と同社副社長の上野金太郎氏が登壇し、新型Cクラスの魅力を語った。
発表会で新型Cクラスの魅力について語ったニコラス・スピークス代表取締役社長(写真中)と上野金太郎副社長(写真右) |
スピークス社長は「新型Cクラスはメルセデス史上、最高傑作」と述べる。その理由について2000個所以上の変更を行ったことを挙げ、フロントマスクは迫力が増したこと、インテリアでは新しいダッシュボードや表面素材を変更したことなどを紹介。加えて全車に7速ATを採用したことや、新開発のV型6気筒DOHC 3.5リッターエンジンを搭載したことについても触れ、上質感とともに経済性も高まったことをアピールした。
上野副社長は「3代目Cクラスが登場した2007年以降、3年連続で同セグメントのマーケットシェアNo.1だった」「2010年には導入後わずか3年で累計販売台数100万台を超え、メルセデス・ベンツの中核モデルに成長した」と述べるともに、新型Cクラスではデザインも質感も変えて細部にこだわった室内に注目して欲しいと言う。
また、「7速ATを搭載したことで後ろヘビーになったのを、アルミボンネットの採用によって重量バランスをとった。これによりCクラスで重要なドライビングプレジャーを損なうことなく、環境性能や燃費性能を向上できた」「19万円~25万円相当の装備追加にも関わらず、価格据え置きを実現した」と、新型Cクラスの魅力について語った。
なお、上野副社長からは今夏にCクラスのトップパフォーマンスモデル「C 63 AMG」を導入することが述べられるとともに、年末にC クラス クーペを発表することもあわせて紹介された。
(編集部:小林 隆)
2011年 5月 30日