「第79回ル・マン24時間レース」がいよいよ開幕 日本人ドライバーは中野信治選手が参戦 |
OAKレーシングチームから日本人ドライバーとして中野信治選手が出場。左の2台はLMP2クラスのOAKペスカローロ・ジャッドBMW、右の2台はLMP1クラスのOAKペスカローロ・ジャッド |
2011年6月11日、12日開催(決勝レース)
今年のル・マン24時間レースが、いよいよ6月11日、12日に仏ルマン市にあるサルテサーキットで開催される。それに先立ち、6月5日、6日(日曜日と月曜日)に市内で車検が行われた。
一昨年まで車検は月曜日と火曜日に行われていたが、昨年からより多くの観客にマシンを見てもらうことを目的に日曜日を絡めて開催しており、同時に記念撮影も行われていた。
車検当日の様子。昨年から日曜日、月曜日開催となり、今年も多くの観客が詰めかけた |
左の2台はアウディスポーツ・チーム・ヨーストのR18 TDI、右はアウディスポーツ・ノースアメリカのR18 TDI |
昨年からエンジン規定が大きく変わったため、アウディ、プジョーともに5.5リッターエンジンから3.7リッターエンジンに変更し、これに伴いアウディはV型10気筒からV型6気筒へ、プジョーはV型12気筒からV型8気筒となった。プジョーはツインターボをそのまま採用したが、アウディはシングルターボに変更し、さらにバンク角を120度と大きくとったため、吸排気システムをバンク中央から排気するレイアウトとした。
また、パワーが絞られたことによって、より空力が重要視され、アウディも空力的に有利なクローズドボディーに変更された。もともとクローズドボディーを採用していたプジョーはさらに改良を重ね、一見、昨年とあまり変更はないように見えるが、共通部品はワイパーアームだけだと言う。
今年もトップを争うであろう両ワークスは、それぞれ3台のマシンを用意。さらにプジョーは、昨年同様にチームオレカから旧型を1台エントリーさせた。
アウディ1号車のドライバーはT.ベルンハルト選手、R.デュマ選手、M.ロッケンフェラー選手が務める | |
アウディ2号車は日本でもおなじみのA.ロッテラー選手(中)やB.トレルイエ選手(右)がドライバーを務める | アウディ3号車のドライバー。左からD.カペッロ選手、T.クリステンセン選手、A.マクニッシュ選手 |
プジョースポール・トタルチーム。3台のプジョー 908でLMP1クラスに出場する |
アウディとは逆にクローズドからオープンに変更したのがアストンマーティンだが、テストデーではまったくよいところを見せることはできなかった。このマシンは2リッターの直列6気筒ターボガソリンエンジンを搭載する。
一方、ガソリン車での最上位、さらには燃費性能の追求から優勝も視野に入れていたハイクロフトHPD(ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント)だったが、東日本大震災の影響により、ホンダからの援助が縮小されたためエントリーを取り消したのは残念なニュースだ。
これにより、日本製エンジン搭載車としてはレベリオンが走らせるトヨタエンジンを搭載するローラが注目される。そのほかLMP2クラスには日産、ホンダエンジン搭載のマシンがそれぞれ3台エントリー、BMWのバッヂをつけたマシンも5台エントリーされている。
日本からのチームやマシンの参加はないものの、日本人として中野信治選手がフランスのOAKレーシングから参戦し、ジャッドBMWエンジンを積んだペスカローロLMP2をドライブする。
日本人ドライバーとして唯一の参戦となる中野信治選手はOAKレーシングから出場。活躍に期待したい | ||
7日に行われたサイン会の様子 | ジャッドBMWエンジン(写真はペコム・レーシングチームのローラB11 40・ジャッドBMWのもの) |
また、今年からGTクラスは全モデルが昨年までのLM-GT2クラスのマシンとなったが、最新型のマシンとドライバーの制限のないLM-GTEプロと、1年落ち以下のマシンにACOの定めるゴールドドライバー1名のみの参加を認めるLM-GTEアマの2クラスとなった。
コルベットレーシングを始め、BMWモータースポーツ、ロータスレーシングもワークス参加するこのクラスの激戦は必至。プライベートエントリーとは言え“隠れワークス”であることは明白で、プロクラスはメーカー同士の争いとなる。
弊誌では、決勝の模様もお伝えする。
(Photo:中野英幸)
2011年 6月 8日