日野、小型トラック「デュトロ」12年ぶりにモデルチェンジ 新世代ハイブリッドシステム搭載車も追加 |
日野自動車は6月15日、小型トラック「デュトロ」を12年ぶりにモデルチェンジし、発表した。発売は7月2日からとなり、価格はハイブリッド、標準キャブ、標準長全低床などの仕様の「SJG-XKC605M-TQUMC」で、465万4650円。
新型デュトロ ハイブリッド車 | |
フロントグリルの一部に、ブルーのハイブリッドカラーが入る | |
左側面に搭載されるPCU(パワーコントロールユニット) | PCUの内部展示。コントロールユニットのほか、ニッケル水素バッテリーが搭載される |
従来のデュトロは、トヨタ自動車との共同開発モデルで、日野の羽村工場で生産し、トヨタブランドからは「ダイナ」「トヨエース」として発売されていた。新型デュトロは、トヨタグループの商用車専門メーカーである日野が主体となって開発し、世界へ販売するグローバルモデルとなっており、同時にモデルチェンジを行った新型ダイナ、トヨエースは日野からのOEMとなった。
デュトロに搭載されるエンジン(システム)は、ディーゼルハイブリッド、ディーゼル、ガソリン、LPGの4種。なかでも、新開発のハイブリッドシステムを搭載するモデルは、世界初のアトキンソンサイクル 直列4気筒 4リッターディーゼルエンジンを搭載し、最高出力110kW(150PS)/2500rpm、最大トルク420Nm(42.0kgm)を発生。エンジンとモーターの間にクラッチを設けることで、効率のよりエネルギー回生を実現。さらに、新開発の5速AMT(機械式自動変速機)と協調制御することで、AT限定免許での運転が可能なほか、ドライバーによる燃費のばらつきを抑制する。1.5t超2.0t以下の重量車モード燃費は12.20km/Lとなる。
デュトロのインテリア | ハイブリッド車のトランスミッションは5速AMT | 2本スポークのステアリングホイール |
商業車らしく、シンプルなメーターパネル | センターコンソール |
日野自動車 代表取締役社長 白井芳夫氏 |
発表会において、日野自動車 代表取締役社長 白井芳夫氏は、このデュトロが企画段階から海外展開を考慮に入れたグローバルモデルであることを強調。「日野は日本の日野から世界の日野になる」上での大きな武器になると言い、ハイブリッド車においては従来のディーゼル車に比べ、50%の燃費向上を目指して開発してきたと語った。
デュトロの詳細については、国内企画部 第2商品グループ グループ長 梅村幸生氏、製品開発部 小型トラック担当 チーフエンジニア 熊坂正弘氏、デザイン部 第一デザイングループ グループ長 関口裕治氏、製品開発部 ハイブリッド担当 チーフエンジニア 山口公一氏から説明が行われた。
国内企画部 第2商品グループ グループ長 梅村幸生氏 | 製品開発部 小型トラック担当 チーフエンジニア 熊坂正弘氏 |
デザイン部 第一デザイングループ グループ長 関口裕治氏 | 製品開発部 ハイブリッド担当 チーフエンジニア 山口公一氏 |
新型デュトロのデザインは、前面を若干絞り込んだものとなっており、燃費向上を狙ってCd値は30%向上。ハイブリッド車・ディーゼルエンジン車においては、尿素システムなしで平成22年(ポスト新長期)排出ガス規制に適合したものとなっている。
また、ハイブリッド車においては、西濃運輸や伊藤園、綜合警備保障などのユーザーに対してモニター運行を実施。同クラスの従来車に対して、燃費が38%~46%向上する結果を得たと言う。
発表会では、新型デュトロのテレビCMも公開された。CMは柳沢慎吾さん、新山千春さん、佐々木蔵之介さんがそれぞれ親子で登場する3本が制作され、7月1日から放映が開始される。3人は、それぞれ実家が自営業を営んでおり、柳沢さんは「実家におすすめ 柳澤商店」編、新山さんは「実家におすすめ 新山りんご園」編、佐々木さんは「実家におすすめ 佐々木酒造」編に登場し、実家に日野デュトロの使用を勧めるというストーリー。発表会場には、柳沢さんと新山さんが登壇し、CM制作の苦労話などを披露した。
実家が八百屋の柳沢慎吾さん | 実家がリンゴ農家という新山千春さん | 撮影の苦労話が披露された |
日野は、このハイブリッド車を中心に新型デュトロの拡販を図り、国内の年間販売目標1万2000台の達成を目指す。なお、その際のハイブリッド車の販売台数は、およそ4000台になるとのこと。2015年の世界販売台数は、従来の4倍となる14万台を目指している。
(編集部:谷川 潔)
2011年 6月 15日