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フェラーリ、4シーター+4WDの「FF(フェラーリ・フォー)」を日本導入
価格は3200万円

フェラーリ・ジャパン 代表取締役のハーバート・アプルロス氏(右手前)と、Ferrari S.p.A ピエトロ・ヴィルゴリン氏(左)、フランコ・シニョレット氏(右奥)とFF(フェラーリ・フォー)

2011年7月5日受注開始
3200万円



 フェラーリ・ジャパンは7月5日、新型GTカー「FF(フェラーリ・フォー)」の受注を開始した。価格は3200万円で、10月から納車が開始される。同日、FFの発表会が都内のイタリア大使館で開催された。その模様をお伝えする。

東京都港区三田にあるイタリア大使館でFFの発表会を開催。大使館にはカリフォルニアや458イタリア、FFのモックが展示されていた。大使館内はさぞ洋風と思いきや、日本庭園の様式

 FFは3月に行われたジュネーブ国際モーターショーでワールドプレミアされたモデルで、同社では初となる4名乗車を可能にするとともに、電子制御で4輪にトルクを予測配分する「4RM」と呼ばれる4WDシステムを搭載した。

 ライバル勢を見ると、ポルシェがパナメーラを、アストンマーティンがラピードを登場させるなど、4ドアスタイルのスポーツカーが近年見受けられるが、FFは2ドアにリアハッチを備えるシューティングブレークスタイルをとる。

 フェラーリとしては、あくまで純然たるスポーツカーメーカーで、フェラーリのDNA(2ドア)を受け継ぎつつ多様性を兼ね備えることがFFの開発コンセプトとしており、4ドアモデルを作ることは一切考えなかったと言う。

 特徴的なポイントはいくつもあるが、その中でも独立したシートに大人4名がしっかり座れること、リアシートを格納すると最大800Lまで拡大するトランク容量を備えること、さらに日本市場へ導入されるモデルには日本語のカーナビシステム、クルーズ・コントロール、リア・パーキングセンサーが標準装備されるなど、実用性にも優れていることを強くアピールする。

 エンジンは660PS/8000rpm、683Nm/6000rpmを発生するV型12気筒6262ccで、7速デュアル・クラッチ・トランスミッションを組み合わせる。また、トランスアクスル・レイアウトにより前後重量配分を47:53とするとともに、アルミ合金製のボディーを採用するなど軽量化も積極的に行われ、車両重量は1880kgとした。

FF諸元
全長×全幅×全高 4907×1953×1379mm
ホイールベース 2990mm
トレッド(前/後) 1676mm/1660mm
重量 1880kg
エンジン V型12気筒6262cc
最高出力 660PS/8000rpm
最大トルク 683Nm/6000rpm
トランスミッション 7速デュアル・クラッチ
駆動方式 4WD
最高速度 335km/h
0-100km/h加速 3.7秒
0-200km/h加速 11秒
燃料消費(ECE+EUDC 15.4L/100km
乗車定員 4名
ブレーキサイズ(前/後) 398×38mm/360×32mm
アルミホイール(前/後) 8.5J×20/10.5J×20
タイヤ(前/後) 245/35 ZR20/295/35 ZR20
トランク容量 450L〜800L
燃料タンク容量 91L

フェラーリ・ジャパン 代表取締役 ジェネラル・マネージャーのハーバート・アプルロス氏

 発表会では、はじめにフェラーリ・ジャパン 代表取締役 ジェネラル・マネージャーのハーバート・アプルロス氏が登壇。

 アプルロス氏は東日本大震災の被災者に向けてお悔やみを述べるとともに、7月4日に在日イタリア大使館と共催でチャリティ・オークション・パーティを開催し、総額5300万円以上の寄付金を集めたことを紹介。この寄付金は伊ローマのチヴィタヴェッキアの姉妹都市となる宮城県石巻市へ全額寄付され、放課後児童クラブの専用教室の建設費用に充てられる。

 FFについては、「660」PSであること、0-100km/h加速が「3.7」秒であること、100km/hから「35」mあれば静止できること、アイドリングストップシステムを組み込んだ「HELE(ハイ・エモーション/ロー・エミッション」システムの搭載によりCO2排出量が「360」g/kmに抑えられたこと、4RMと呼ばれる「4」輪駆動システムを搭載すること、「800」Lのトランク容量を備えることなど、数値で特徴を紹介した。

最高出力は660PS 0-100km/h加速は3.7秒 100km/hから静止までに必要な距離は35m
CO2排出量は360g/kmに抑えられた 4輪駆動システムを搭載 最大800Lのトランク容量を備える

Ferrari S.p.A プロダクト・マーケティング ピエトロ・ヴィルゴリン氏

 次に、伊Ferrari S.p.A プロダクト・マーケティング ピエトロ・ヴィルゴリン氏と、プロダクト・エンジニアであるフランコ・シニョレット氏がFFの概要について説明した。

 ヴィルゴリン氏はFFの開発にあたり、「夏も、冬も、砂漠でも、雪でも、山でも使えるクルマを提供したかった」「フェラーリを持ちたいと思う人や、毎日使いたいと思う人たちのために作った」と言う。

 車両については、「フェラーリでも革新的」と言う直噴のV型12気筒エンジン、7速デュアルクラッチ・ギアボックス、SCM3(第3世代磁性流体サスペンション・コントロール・システム)搭載の新型サスペンション、ブレンボ製の第3世代CCM(カーボン・セラミック・ブレーキ)を搭載したことを述べたほか、タイヤへのトルク伝達量とタイミングを決めるE-Diff、前輪と後輪の回転差を監視して最大グリップを事前に予測するF1-Trac、PTU(パワー・トランスファー・ユニット)を1つのCPUが統一制御することで、個々のタイヤに最適なトルク配分を行うと説明。

 4輪駆動システムの4RMについては、従来の4WDシステムより50%軽量化できたことなどを挙げ、スポーティであることを強調するとともに、搭載する新型のV型12気筒6262ccエンジンは「フェラーリ・エンツォと同じく660PSを発生」「12気筒エンジン特有の低い振動レベルと最高レベルのサウンド・クオリティーを誇る」と紹介した。

 一方、室内の居住性についてはフロントシートで195cm、リアシートで185cmまでの成人が着座可能であることから「セグメントで最高のスペースを誇る」と述べるとともに、4人乗車時でも標準サイズのキャリーケース4個またはゴルフバック2個とソフトスーツケース2個か、ベビーカー2台とソフトスーツケース2個のいずれかを収納できることをアピールした。

FFは新しいマーケット・セグメントに属する ターゲット・カスタマー FFのスペック
革新的なテクノロジーを採用した 4WDシステム「4RM」の特徴 V型12気筒エンジンの特徴
7速デュアル・クラッチ・トランスミッションを搭載 HELE(ハイ・エモーション/ロー・エミッション)システムはアイドリングストップシステムを組み込み、燃費性能を15.4L/100kmとするとともに従来のV型12気筒エンジンと比べCO2排出量を25%削減した ディメンジョン&ウェイト
セグメントで最高の車内スペースを誇る ラゲッジルームは柔軟に使いこなせる インテリアの特徴
レーシング・ステアリングホイールにはさまざまなスイッチが設けられる マネッティーノでは5段階の切り替えが可能 インストルメントパネルも刷新した
日本に導入されるモデルには日本語のカーナビシステムが搭載される

プロダクト・エンジニア フランコ・シニョレット氏

 シニョレット氏はV型12気筒6262ccエンジンが8000rpmで660PSを、6000rpmで683Nmを発生すると述べるとともに、「1750rpmから上の回転で最大トルクの80%を発揮する」と、低回転域から最大のパフォーマンスを発揮するとした。

 また、4RMは低μ路面でスロットルをONにすると素早くシステムが作動し、ホイールスピンをしない範囲で最大レベルのトルク量をフロント/リアタイヤに配分するとしたほか、走行モードの切り替え機構「マネッティーノ」では「アイス(ローグリップ)」「ウェット(ミディアムグリップ)」「コンフォート(ドライ)」「スポーツ(ドライ)」「ESC OFF(コントロール・システム・オフ)」の5段階を設定することを述べた。

 そのほか、第3世代のCCMが軽量で短い制動距離で車両を止めることができるとともに、耐久性に優れることからメンテナンスコストが削減できること、SCM3が各輪の上下動を検知する加速度センサーを搭載し、標準ダンパーよりレスポンス・タイムが5倍であることなどを紹介した。

V型12気筒エンジンのさまざまな特徴 出力とトルク 従来型の4WDシステム
FFに搭載される4WDシステム 4RMの特徴 パワー・トランスファー・ユニットは全長170mmとコンパクトにまとめられた
サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンクを採用 CCM3ブレーキのメリット SCM3について
ビークル・ダイナミック・コントロール・システムについて 4RMは各輪の最大レベルのトルクを瞬時に知ることができ、あらゆる路面でベストなトラクション性能を発揮する
トルク量がリアアクスルで制御できる最大レベルを超えたときだけ、フロントアクスルにトルク配分を行う 低μ路面での具体的な特徴
マネッティーノは5段階で切り替え可能 エアロダイナミクスについて

(編集部:小林 隆)
2011年 7月 5日