アウディ、「S6」「S7」「S8」をフランクフルトで発表
V10 5.2リッターからV8 4リッターツインターボにダウンサイジング

2011年8月31日(現地時間)発表



 独アウディは、「S6」「S6 アバント」「S7スポーツバック」「S8」をフランクフルト・モーターショー(9月13日~25日)で公開する。いずれも2012年春に発売される。

「S6」「S6 アバント」
 日本でも23日に発表されたばかりのアッパーミドルサルーン新型「A6」(日本ではアバントは未発表)をベースとしたスポーツモデル。2012年春に発売される。パワートレーンはV型8気筒直噴4リッターツインターボ+7速デュアルクラッチAT「Sトロニック」+4WDシステム「クワトロ」の組み合わせ。クワトロにはコーナーリング時に4輪のトルク配分を制御する「トルク・ベクタリング」が備わり、無料のオプションで後輪左右のトルク配分を制御する「スポーツ・デファレンシャル」も用意される。

 新開発のエンジンは最高出力309kW(420HP)、最大トルク550Nm/1400-5300rpmを発生。0-100km/h加速がS6で4.8秒、S6 アバントで4.9秒という性能を発揮する一方で、従来のV型10気筒5.2リッターエンジンよりも燃費を25%改善、S6で9.7L/100km(約10.3km/L)、S6 アバントで9.8L/100km(約10.2km/L)の燃費を実現したと言う。

 燃費改善にはアイドリングストップ機構の搭載のほか、低負荷時に4気筒の動作を停める「シリンダー・オン・デマンド」の採用が貢献。シリンダー・オン・デマンド動作時には、車室内の4つのマイクでノイズを拾い、逆位相の音を出すことで騒音を低減するアクティブ・ノイズ・キャンセリング・システムが動作する。

 また、電子制御エンジンマウント、エグゾーストシステム内のフラップ、エンジンシュラウド、トランスミッション内の遠心振り子付きの2つのフライホイールなどで、良質なエンジン音を作り出している。

 ボディー全長は4931mmで、A6より16mm長い。標準のタイヤサイズはタイヤサイズは19インチの255/40。オプションで20インチホイールも用意される。

 

「S7 スポーツバック」
 5月に日本に投入された4ドアクーペ「A7 スポーツバック」をベースとしたスポーツモデル。2012年春に発売される。

 パワートレーンはS6、S6 アバントと同じで、0-100km/h加速は4.9秒、燃費は9.7L/100km(約10.3km/L)になる。標準では19インチホイールを装着するが、オプションで20インチも用意される。

「S8」
 同社のフラッグシップサルーン「A8」をベースとしたスポーツモデル。

 こちらのエンジンもV型8気筒直噴4リッターツインターボだが、最高出力382kW(520HP)、最大トルク650Nm/1700-5500rpmのハイチューン版となっており、0-100km/h加速はS6、S7を上回る4.2秒を叩き出す。アイドリングストップ機構、シリンダー・オン・デマンドなどを搭載し、燃費は10.2L/100km(約9.8km/L)。V型10気筒5.2リッターを積んだ前モデルよりも出力が51kW(70HP)高いのに対して、燃費は約23%改善されている。

 トランスミッションは8速AT「ティプトロニック」。クワトロシステムにより4輪を駆動し、リアにはスポーツディファレンシャルを備える。タイヤサイズは265/40の20インチで、オプションで21インチを用意。カーボンセラミックディスクブレーキもオプションとなる。

(編集部:田中真一郎)
2011年 8月 31日