SUPER GTのチャンピオン候補、柳田選手、谷口選手が来社
第6戦「FUJI GT250km RACE」が9月10日、11日に開催


SUPER GT第6戦富士のPRで来社した、谷口信輝選手(左)と柳田真孝選手(右)

 今年も熱戦が続くSUPER GTだが、8月に鈴鹿サーキットで行われた第5戦までがすでに終了し、次のレースは、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で9月10日、11日の2日間にわたって開催される第6戦「FUJI GT250km RACE」になる。

 そのPRのため、GT500のポイントリーダーでS Road MOLA GT-Rを操る柳田真孝選手、GT300ランキング2位 初音ミク グッドスマイル BMWを操る谷口信輝選手の2人が編集部を訪れてくれた。GT500、GT300のチャンピオン獲得の最右翼にいる2人が、富士スピードウェイでどのような戦略を描いているかを紹介していく。



現在ポイントリーダーの柳田真孝選手

熱戦続くSUPER GT、ランキングトップを維持したいS Road MOLA GT-Rの柳田選手
 日本の3大メーカーによる熱い戦いが行われているGT500だが、ここまで開幕前の予想を大きく裏切る形で、日産GT-Rが5戦して3勝、しかも今年からGT500にステップアップしたばかりのMOLAチームの「S Road Mola GT-R」が選手権を大きくリードする展開になっている。それを追いかけるのが、日産勢以外で唯一優勝し、かつ2勝を挙げている昨年のチャンピオン「ウィダー HSV-010」という展開になっている。

 そのS Road Mola GT-Rを駆る柳田選手は、意外といってもよいかもしれないが、今年の第4戦菅生がGT500での初優勝になるのだ。これまで柳田選手はGT500でニスモ、ハセミといった日産系のチームから走っていたほか、GT300でも2度のシリーズチャンピオンに輝いているため、GT500で優勝がなかったというのは本人から言われてみればそうだが、意外と言うほかない。それほど実力も、経歴も、そして結果もピカピカの折り紙付きの選手だ。

 その柳田選手の駆るS Road Mola GT-Rは、第4戦で優勝したほか、第3戦と第5戦でも2位に入っており、現在56点で2位のウィダー HSV-010の44点を12点も上回っている。しかし、次戦の富士では、ポイント×2kgのウエイトハンデを積むというSUPER GTのルールにより、実に100kgのウエイトハンデを積むことになる(112kgでないのはレギュレーションで最大100kgとなっているため)。


S Road Mola GT-R

 このため柳田選手も「ウエイトハンデが最大なのは非常に厳しいです。ストレートでスピードを乗せるのも難しいし、富士ではセクター3でエンジンパワーが必要になるため、つらいです。こうした状況を覆すには天候の助けが必要ですね」とハンデの克服が今回の鍵であり、できたらウエイトの影響が小さくなるウエット路面を期待していると言う。

 今年の柳田選手の大きな武器となっているのが、S Road Mola GT-Rが履くミシュランタイヤ。「ミシュランタイヤは、昨年から暑い時期はよかったんですが、今年に入り寒い時期での性能も改善されたし、ウエットタイヤがかなりよくなりました」と説明してくれ、それを武器に少しでもポイントを稼いで次につなげていきたいと述べた。

 富士の次戦となる第7戦は、ポイント×1kgになりウエイトハンデを少し降ろすことができ、最終戦ではウエイトハンデはなしになる。S Road Mola GT-Rにとっては、最大のウエイトハンデで迎えるこの第6戦富士で、苦しい中でもポイントを獲得することがシリーズチャンピオンを獲得する鍵になるわけだ。

 同席した谷口選手が「昨年GT300のチャンピオンを獲って、今年GT500のチャンピオンになったら初めてじゃないですかね」と突っ込んでいたが、まさにそのとおりで、前人未踏のGT300、GT500の連続ダブルタイトル獲得となるのか、柳田選手のFUJI GT250km RACEは要注目だ。


谷口信輝選手は今年初音ミクチームに。狙うはシリーズチャンピオン

“ミクミクファン”にはスゴイ力をもらっていると谷口選手
 初音ミク グッドスマイル BMWは、個人スポンサー制度を取り入れており、レースファンのみならず、初音ミクファンからの支持によって支えられているチーム。SUPER GTに参戦当初の成績は、ふるわないものがあったが、年々進化し今年はトップチームとして戦い続けている。

 第3戦のセパンで優勝したほか、そのほかのレースでもコンスタントにポイントを稼いでおり、現在44点。1位の11号車「JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458」を追いかけているのが現状だ。「ウエイトハンデが90kgと厳しくなっており、FIA GT3車両は燃料を軽くするのも難しく、作戦面でどうにかできるものでもない。正攻法でいくしかないです。大事なことはランキングトップの11号車との差を縮めること。我々のチームは車両的に、富士の次戦となるオートポリスはきつそうなので、なんとかこの富士と最終戦のツインリンクもてぎでがんばりたい」と、富士がチャンピオンに向けての大事な戦いになると言う。

 その富士での目標だが「目標は優勝と格好よく言いたいところですが、ウエイトのことを考えると表彰台の一角や4位とかが現実的な目標。なんとしてもそれを実現したい」と意気込みを語ってくれた。


初音ミク グッドスマイル BMW

 初音ミクチームのドライバーになり、これまでのレースファンと違う層のファンへの感想を聞いてみたところ、「正直に言えば最初はどんな感じなんだろうと不安もあったのですが、実際にイベントとかに行ってみるとみんな熱いファンで、本当元気もらってます」と言い、その応援が今シーズンの好成績につながっていると語ってくれた。

観戦バスツアーも用意。クルマでの来場者は車中泊が可能
 富士GT250kmレースのチケットは富士スピードウェイのWebサイトや各種プレイガイドなどで既に販売されている。前売券は大人が5500円(ペアチケット1万円)で中学生以下の子供は保護者同伴に限り無料となっている。これ以外にもパドックパスやファンシートなどの別売のチケットも用意されている。詳しくは富士スピードウェイのWebサイトでご確認願いたい。

 なお、今回のレースには関西・中部方面(大阪駅、近鉄四日市駅、名古屋駅)からの観戦券・車中泊付きのバスツアー、および新宿、池袋発着の日帰りバスツアー(観戦券別)が用意されている。クルマを持たない来場者であればこうしたツアーを検討してみるのもよいのではないだろうか。

大阪・四日市・名古屋発着 観戦バスツアー
http://www.fsw-tour.tv/
問い合わせ:株式会社アイ・ツーリスト
TEL:052-242-6000

新宿・池袋発着 シャトルバス券
http://l-tike.com/
問い合わせ:JTBトラベルデスク
TEL:0570-011-501

 また、クルマでの来場者向けに、土曜日(予選日)の夜から日曜日(決勝日)の朝にかけて開放され、車中泊が可能になっている。テントを張ったりして泊まることも可能で、一定の制限があるもののバーベキューなども可能になっている。初秋の週末に富士山の裾野という大自然の中で過ごしてみるというのもありだろう。なお、車中泊時には注意点も多数あるので、詳しくは富士スピードウェイのWebサイトで確認してほしい。9月半ばとは言え、夜は冷えることもあるので、防寒対策は忘れないようにしたいところだ。

(笠原一輝)
2011年 9月 2日