SUPER GT第6戦富士、GT500はレクサスSC430が今季初優勝
GT300クラスは初音ミク号が2勝目でポイントリーダーに

レクサス勢として今季初優勝となったZENT CERUMO SC430

2011年9月11日決勝開催



 9月11日、2011 AUTOBACS SUPER GT第6戦FUJI GT 250km RACEの決勝が富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開催された。GT500クラスはレクサス勢同士のマッチレースとなり、残り3周でトップを奪い取った38号車 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平)が今季初優勝。GT300クラスはポールポジションから独走した4号車 初音ミク グッドスマイル BMW(谷口信輝/番場琢)が今季2勝目を獲得しポイントリーダーとなった。

 全8戦で行われる2011 AUTOBACS SUPER GTシリーズは第6戦富士を迎え、いよいよチャンピオン争いに残るチームがこのレースの結果で絞り込まれる。ポイントに応じて課せられるウエイトハンデは、第6戦まではポイントの2倍、第7戦はポイントの1倍、最終戦はウエイトハンデなしとなるため、獲得ポイントが少ないチームは上位陣との差を縮める最後のチャンスとなる。

GT500クラス
 GT500クラスは5戦を終えてGT-Rが3勝、HSV-010が2勝、レクサスSC430は未勝利となっている。ポイントランキングでも36号車 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー/中嶋一貴)の6位がレクサス勢の最上位で、ホームコースとなる富士スピードウェイでの巻き返しを狙う。

 ドライバーズポイントは46号車 S Road MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)が56点でトップ、2位の1号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)に12点、3位の 23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)に22点の差を付けている。

SUPER GT第4戦SUGOまでのポイントランキング

順位マシン名(ドライバー名)ポイント
1位46号車 S Road MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)56
2位1号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)44
3位23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)34
4位12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)31
5位17号車 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)30
6位36号車 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー/中嶋一貴)28
7位6号車 ENEOS SUSTINA SC430(伊藤大輔/大嶋和也)27
8位39号車 DENSO SARD SC430(石浦宏明/井口卓人)26
9位100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)23
10位24号車 ADVAN KONDO GT-R(安田裕信/ビヨン・ビルドハイム)23
11位38号車 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平)15
12位19号車 WedsSport ADVAN SC430(片岡龍也/荒聖治)14
13位32号車 EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴)12
14位8号車 ARTA HSV-010(武藤英紀/小林崇志)7
15位35号車 D'STATION KeePer SC430(脇阪寿一/アンドレ・クート)5

 2位以下のチームは46号車 S Road MOLA GT-Rより上位でゴールしないと、チャンピオン争いから脱落する可能性が高く、レースは優勝争いだけでなくそれぞれの順位にも注目が集まる。

 予選はこれまで不振だったレクサス勢が巻き返しを図り、グリッド5位までを独占。ランキングトップでウエイトハンデの上限100kgを積む46号車 S Road MOLA GT-Rは7位、ランキング2位の1号車 ウイダー HSV-010は8位となった。

 決勝スタート時は曇りで路面はドライ。土曜は晴れたが、日曜朝のフリー走行は小雨が降ってウエット路面。すぐに晴れたが決勝レースの後半には雨が降る予報もあり天候は予断を許さない状況だ。スタート直前は1コーナー側には青空、最終コーナー側は暗い雲に覆われていた。

 スタートは特に混乱もなく、上位陣はグリッドどおりの順位で1コーナーを抜けた。トップの39号車 DENSO SARD SC430(石浦宏明)と2位の38号車 ZENT CERUMO SC430(平手晃平)がテール・トゥ・ノーズの争い。徐々に後続を引き離し序盤から2台のマッチレースが展開された。トップを争う2台の差は5周目に0.921秒、10周目に0.730秒、15周目に0.826秒、20周目に0.702秒と1秒以下のバトルが続いた。

GT500クラスのスタートシーン(Photo:Burner Images)1コーナーは予選順位通りに通過トップ2台のマッチレースとなった

 3位は6号車 ENEOS SUSTINA SC430(大嶋和也)がトップ2台からは離されるも順位をキープ。4位の35号車 D'STATION KeePer SC430(アンドレ・クート)は9周目の最終コーナーで36号車 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)に抜かれ、ストレートで抜き返すも1コーナーでブレーキングに失敗し5位に後退。徐々にペースを落とし後続の争いに巻き込まれていった。

35号車が1コーナーでラインを乱し36号車が抜いた

 後方からジリジリと順位を上げてきたのが12号車 カルソニック IMPUL GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)だ。13番グリッドからスタートし1周目に24号車 ADVAN KONDO GT-R(ビヨン・ビルドハイム)を抜き12位。3周目に23号車 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ)を抜き11位。5周目のダンロップ進入で32号車 EPSON HSV-010(道上龍)を抜き10位に浮上した。

 さらに上位との差を詰め10周目には5位争いの集団の最後尾に付け、11周目の1コーナーで17号車 KEIHIN HSV-010(金石年弘)のインに飛び込み9位。シリーズポイント1位の46号車 S Road MOLA GT-R(ロニー・クインタレッリ)、2位の1号車 ウイダー HSV-010(ロイック・デュバル)の背後に迫った。

12号車が後方から追い上げてきた23号車を抜いた12号車17号車を抜き9位に浮上

 5位争いは35号車 D'STATION KeePer SC430、8号車 ARTA HSV-010、46号車 S Road MOLA GT-R、1号車 ウイダー HSV-010、12号車 カルソニック IMPUL GT-R、17号車 KEIHIN HSV-010に23号車 MOTUL AUTECH GT-Rも追い付き7台。僅差の争いは13周目に大きく順位を入れ替えた。

5位争いをする7台のGT500マシン(Photo:Burner Images)

 13周目の最終コーナーで35号車 D'STATION KeePer SC430が遅れ、8号車 ARTA HSV-010、46号車 S Road MOLA GT-Rが5位、6位に浮上。12号車 カルソニック IMPUL GT-Rも1号車 ウイダー HSV-010を抜き8位となった。直線スピードの速い35号車 D'STATION KeePer SC430が46号車 S Road MOLA GT-Rを抜き返すと46号車 S Road MOLA GT-Rが14周目の1コーナーのブレーキングで再び抜き返す。しかしウエイトハンデ100kgの影響なのか止まりきれずにオーバーラン。12号車 カルソニック IMPUL GT-Rと1号車 ウイダー HSV-010にも抜かれ9位に後退した。

 5位集団のトップに立った8号車 ARTA HSV-010がコカ・コーラコーナーで大きくオーバーラン。これで5位に返り咲いた35号車 D'STATION KeePer SC430だったが100Rで12号車 カルソニック IMPUL GT-Rにアウトから大外刈りで抜かれ6位へ後退した。

 最後尾にいた23号車 MOTUL AUTECH GT-Rは100Rで17号車 KEIHIN HSV-010を抜き、さらにダンロップ進入で46号車 S Road MOLA GT-Rのインに飛び込み8位に浮上した。46号車 S Road MOLA GT-Rは13コーナーの進入で17号車 KEIHIN HSV-010にも抜かれ10位まで交代。コカ・コーラコーナーでオーバーランした8号車 ARTA HSV-010はスローダウンしそのままピットイン。コース復帰するも最後尾まで落ちてしまった。


12号車が5位に上がり集団を引き離す

 シリーズポイント4位の12号車 カルソニック IMPUL GT-Rが一気に5位に浮上。ポイント2位の1号車 ウイダー HSV-010が6位、ポイント3位の23号車 MOTUL AUTECH GT-Rが8位、ポイントトップの46号車 S Road MOLA GT-Rが10位と大きく順位を入れ替えた。

 55周の決勝レースの1/3にあたる19周を過ぎて最初にピットインしたのは35号車 D'STATION KeePer SC430。これに続き各車のピットインが始まった。トップ争いの2台は2位の38号車 ZENT CERUMO SC430が24周目にピットインし立川祐路選手にドライバー交代。トップを走る39号車 DENSO SARD SC430は25周目にピットインし井口卓人選手にドライバー交代した。ピットイン前の2台の差は0.6秒、ピットアウト後の差は2.2秒とやや広がった。


ピットイン直前は1秒以下の差だったピットインで2秒に引き離したその後2台の差は4秒に広がった

 全車ピットインを終えた時点で上位陣の順位は39号車 DENSO SARD SC430、38号車 ZENT CERUMO SC430、36号車 PETRONAS TOM'S SC430(中嶋一貴)、12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生)、1号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史)、17号車 KEIHIN HSV-010(塚越広大)。

 スタート時点でトップ5台を独占していたレクサス勢だが、35号車 D'STATION KeePer SC430に続き6号車 ENEOS SUSTINA SC430もペースダウンし後退、徐々に上位独占状態は崩れかけてきた。

 レースも終盤に差しかかりトップ2台の争いは変わらないが、3位の36号車 PETRONAS TOM'S SC430と後続との差が縮まってきた。35周目に2.5秒だった4位との差は36周目には1.8秒、37周目には0.6秒、38周目には0.3秒となり12号車 カルソニック IMPUL GT-R、17号車 KEIHIN HSV-010との3位争いとなった。

17号車が1号車に迫り、抜いて5位浮上
36号車の背後に12号車が迫ってきた

 36号車 PETRONAS TOM'S SC430は40周目の100Rで12号車 カルソニック IMPUL GT-Rにアウトから抜かれ4位へ後退。続くヘアピン、ダンロップと17号車 KEIHIN HSV-010のアタックを凌ぐがプリウスコーナーのインに飛び込まれ5位まで落ちてしまった。さらに41周目の最終コーナーで1号車 ウイダー HSV-010にも抜かれレクサス勢の一角がまた崩れることとなった。

ダンロップ進入。12号車が3位キープ、17号車が1号車を攻める
プリウスで17号車が36号車を抜き3位浮上(Photo:Burner Images)


1号車も36号車を抜いていった

 予選13位からスタートした12号車 カルソニック IMPUL GT-Rと予選10位からスタートした17号車 KEIHIN HSV-010はともにジリジリと順位を上げ、表彰台を賭けて最後のバトルを開始した。2台は岡山で優勝争いをし、接触、スピンをしている因縁の対決だ。

 40周目に3位に浮上した12号車 カルソニック IMPUL GT-Rと4位の17号車 KEIHIN HSV-010との差は0.804秒。41周目には0.281秒、42周目には0.094秒とまさにテール・トゥ・ノーズの壮絶な争いとなった。

 43周目の1コーナーの立ち上がりで12号車 カルソニック IMPUL GT-Rがライン外すと17号車 KEIHIN HSV-010が並びかけコカ・コーラコーナーへ向けサイド・バイ・サイド。17号車 KEIHIN HSV-010の前にはGT300の11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458(平中克幸)がラインを塞ぐ形となる。

 GT300を利用したい12号車 カルソニック IMPUL GT-Rと、避けたい17号車 KEIHIN HSV-010が互いにマシンを寄せ合い軽く接触。危険を察知した11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458がコカ・コーラコーナーのランオフエリアに逃げるほどの激しい争いとなった。

 コカ・コーラコーナーの進入はインをキープした12号車 カルソニック IMPUL GT-Rが制し、2台ともテールスライドしブラックマークを路面に残しコーナーを抜けていった。

 残り10周となる46周目のダンロップの立ち上がりで12号車 カルソニック IMPUL GT-Rが姿勢を乱し加速が鈍る。すかさず17号車 KEIHIN HSV-010が13コーナー、プリウスとインを狙うが12号車 カルソニック IMPUL GT-Rがブロック。最終コーナーではインベタでブロックする12号車 カルソニック IMPUL GT-Rに対しアウトから立ち上がり重視のラインで応戦。

 17号車 KEIHIN HSV-010はイン側のラインを取りストレートで鼻先を前に出し、コントロールラインを0.06秒差でが先行するがストレート後半で完全にサイド・バイ・サイド。1コーナーのブレーキング争いで止まりきれなかった17号車 KEIHIN HSV-010をクロスラインで抜いた12号車 カルソニック IMPUL GT-Rがかろうじて3位をキープした。2台は最終ラップまでバトルを続けた。

12号車の17号車のバトルは10周以上となった

 残り7周の最終コーナー立ち上がりで36号車 PETRONAS TOM'S SC430がタイヤバーストによりクラッシュ。これが優勝争いを左右することとなる。トップ争いはピットイン後に最大4.5秒まで開いたが、残り5周でその差は2秒、このまま逃げ切るかと思われた。

 最終コーナーからのストレート1/3がクラッシュによる黄旗区間となり追い越し禁止。残り5周で運悪くトップを走る39号車 DENSO SARD SC430が黄旗区間でGT300のマシンに引っかかり抜くことができずペースダウン。38号車 ZENT CERUMO SC430がその差を0.767秒まで縮めることとなった。

39号車との差が一気に縮まった

 ストレートスピードが落ちた39号車 DENSO SARD SC430の背後に38号車 ZENT CERUMO SC430が迫り残り4周で0.194秒差のテール・トゥ・ノーズの争いに。38号車 ZENT CERUMO SC430は残り3周のコカ・コーラコーナーの進入でアウトから並びかけ、100Rでインをキープしついにトップに浮上した。

ついに逆転

 38号車 ZENT CERUMO SC430はトップに立つとその差を0.7秒、1.1秒と広げファイナルラップへ。このままレクサス勢の1-2フィニッシュかと思われたが、2位に落ちた39号車 DENSO SARD SC430が残りコーナー2つとなるプリウスコーナーでGT300クラスの10号車 Rn-sports JIMGAINER F430に追突されスピン。再始動に手間取り後続に次々と抜かれ、ゴールしたときは8位まで順位を落としてしまった。

 38号車 ZENT CERUMO SC430はそのまま逃げ切り今季初優勝。平手晃平はGT500クラスで初優勝となった。39号車 DENSO SARD SC430のスピンで、15周にわたりバトルを続けていた12号車 カルソニック IMPUL GT-Rと17号車 KEIHIN HSV-010の3位争いが2位争いとなった。最後は0.1秒差で12号車 カルソニック IMPUL GT-Rが逃げ切り2位、17号車 KEIHIN HSV-010が3位となり、表彰台はSC430、GT-R、HSV-101が分けあう形となった。

ゴールでは平手選手がピットウォールで出迎えた手を振りながらウィニングラップを走る38号車GT500クラスの表彰台(Photo:Burner Images)

 4位にはポイントランキング2位の1号車 ウイダー HSV-010、最後尾スタートの100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)が粘り強い走りで5位となった。ポイント1位の46号車 S Road MOLA GT-Rはレクサス勢の脱落で7位に入賞、ポイントランキング1位を死守した。上位独占を狙ったレクサス勢だったが、終わってみれば優勝した38号車 ZENT CERUMO SC430の次は、最後の最後に優勝を逃した39号車 DENSO SARD SC430の8位となった。

最終順位(GT500クラス)

順位マシン名(ドライバー名)
1位38号車 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平)
2位12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)
3位17号車 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)
4位1号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)
5位100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)
6位23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)
7位46号車 S Road MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)
8位39号車 DENSO SARD SC430(石浦宏明/井口卓人)
9位35号車 D'STATION KeePer SC430(脇阪寿一/アンドレ・クート)
10位6号車 ENEOS SUSTINA SC430(伊藤大輔/大嶋和也)
11位24号車 ADVAN KONDO GT-R(安田裕信/ビヨン・ビルドハイム)
12位32号車 EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴)
13位19号車 WedsSport ADVAN SC430(片岡龍也/荒聖治)
14位8号車 ARTA HSV-010(武藤英紀/小林崇志)
15位36号車 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー/中嶋一貴)

 ポイントランキングは46号車 S Road MOLA GT-Rがしぶとくポイントを稼ぎ首位をキープ。また一歩チャンピオンに近付いた。

ドライバーズポイントランキング

順位マシン名(ドライバー名)ポイント
1位46号車 S Road MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)60
2位1号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)52
3位12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)46
4位17号車 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)41
5位23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)39
6位38号車 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平)35
7位39号車 DENSO SARD SC430(石浦宏明/井口卓人)29
8位100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)29
9位6号車 ENEOS SUSTINA SC430(伊藤大輔/大嶋和也)28
10位36号車 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー/中嶋一貴)28
11位24号車 ADVAN KONDO GT-R(安田裕信/ビヨン・ビルドハイム)23
12位19号車 WedsSport ADVAN SC430(片岡龍也/荒聖治)14
13位32号車 EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴)12
14位35号車 D'STATION KeePer SC430(脇阪寿一/アンドレ・クート)7
15位8号車 ARTA HSV-010(武藤英紀/小林崇志)7

優勝した38号車 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平)
2位の12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)
3位の17号車 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)


GT300クラス
 例年GT300クラスは、最終戦まで多くのチームが優勝争いに残るが、今年はFIA-GT勢が前半で大きくポイントを稼ぎ、ここで国産勢が上位を独占しなければ優勝争いするチームは絞られてしまう展開だ。

SUPER GT第5戦鈴鹿までのポイントランキング

順位マシン名(ドライバー名)ポイント
1位11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458(田中哲也/平中克幸)57
2位4号車 初音ミク グッドスマイル BMW(谷口信輝/番場琢)45
3位33号車 HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢)43
4位74号車 COROLLA Axio apr GT(新田守男/国本雄資)33
5位62号車 R&D SPORT LEGACY B4(山野哲也/佐々木孝太)26
6位87号車 リール ランボルギーニ RG-3(余郷敦/織戸学)26
7位66号車 triple a Vantage GT2(吉本大樹/星野一樹)23
8位14号車 SG CHANGI IS350(折目遼/アレキサンドレ・インペラトーリ)23
10位43号車 ARTA Garaiya(高木真一/松浦孝亮)22

 予選ではポイントトップでウエイトハンデの上限100Kgを積む11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458(田中哲也/平中克幸)は16位と沈んだが、ポイント2位の4号車 初音ミク グッドスマイル BMW(谷口信輝/番場琢)がウエイトハンデ90kgをものともせずポールポジションを獲得した。予選2位は伏兵26号車 Verity TAISAN Porsche(松田秀士/峰尾恭輔)。ここまでドライバイーズポイントを獲得していないチームだが、ベテラン松田秀士選手にドライバーが代わり頭角を現した。

 スタートは4号車 初音ミク グッドスマイル BMW(谷口信輝)がトップをキープ。26号車 Verity TAISAN Porsche(松田秀士)がピッタリ貼り付いた。予選3位の2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電(加藤寛規)もこれに続いた。

GT300クラスのスタートシーン(Photo:Burner Images)スタート直後の1コーナー

 トップ争いは早々から火が付いた。2周目のストレート、直線スピードを活かし逃げを図る4号車 初音ミク グッドスマイル BMWに26号車 Verity TAISAN Porscheがアウトから並びかける。コカ・コーラコーナーへの下りでサイド・バイ・サイドとなり2台は軽く接触し、小さなパーツが飛んだ。

 コカ・コーラコーナーの進入ではインをキープした4号車 初音ミク グッドスマイル BMWが先行するが、続く100Rはそのまま26号車 Verity TAISAN Porscheがインを取り早々にトップの座を奪い取った。争う2台の背後には2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電が忍び寄りヘアピンでは三つ巴の争いとなった。

2周目に26号車が4号車に襲いかかる1コーナーは4号車が先行するが…
2台は接触しながらコカ・コーラコーナーへ4号車の進入では先行するが100Rで26号車がトップへ

1位4号車、2位2号車。26号車はズルズルと後退し4位へ。この後ピットイン(Photo:Burner Images)

 続くダンロップコーナーの進入で4号車 初音ミク グッドスマイル BMWがブレーキング争いに勝ちトップを奪回、ダンロップの立ち上がりでは2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電が2位に浮上した。3位に後退した26号車 Verity TAISAN Porscheがリアタイヤのパンクでペースダウン。そのままピットインし優勝争いは一瞬で終わってしまった。

 瞬間的にトップを譲った4号車 初音ミク グッドスマイル BMWだったが、2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電との差を3周目には1.3秒、4周目には2.6秒、5周目には4.0秒、6周目には5.0秒と広げ、あっと言う間に独走態勢を築いた。2位の2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電も3位の88号車 JLOC ランボルギーニ RG-3(井入宏之)との差を徐々に広げていった。

トップ2台の差は徐々に広がった

 後方では予選12位の27号車 PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリ(山内英輝)が徐々にポジションを上げてきた。1周目で10位、2周目には26号車 Verity TAISAN Porscheの脱落で9位、3周目には43号車 ARTA Garaiya(高木真一)と25号車 ZENT Porsche RSR(都筑晶裕)を抜き7位まで浮上した。

 5周目の最終コーナーで5位争いをする33号車 HANKOOK PORSCHE(影山正美)と86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3(青木孝行)の背後に迫り、ストレートで3台によるサイド・バイ・サイドの争いとなった。イン側に27号車 PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリ、中央に86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3、アウト側に33号車 HANKOOK PORSCHEで1コーナーまで併走。1コーナーの争いを制した27号車 PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリが5位に浮上、33号車 HANKOOK PORSCHEが6位、86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3が7位となった。

3台の争いは27号車が制した
27号車は先行したが、33号車と86号車はバトルを続けた(Photo:Burner Images)

 快走を続けた27号車 PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリは12周目に88号車 JLOC ランボルギーニ RG-3と14号車 SG CHANGI IS350(折目遼)を抜き3位までポジションをアップした。

27号車が14号車の背後に迫る14号車を抜き4位浮上88号車も抜き3位へ

 上位陣はピットインの戦略が大きく異なった。88号車 JLOC ランボルギーニ RG-3と14号車 SG CHANGI IS350は19周目、25周目と早めのピット戦略。2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電と27号車 PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリは34周目、4号車 初音ミク グッドスマイル BMWは35周目と遅めのピット戦略をとった。

 ピットインを終えてトップは4号車 初音ミク グッドスマイル BMW(番場琢)が独走、2位の2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電(高橋一穂)も順位をキープ。14号車 SG CHANGI IS350(アレキサンドレ・インペラトーリ)が3位にポジションアップ、27号車 PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリ(山岸大)が4位に後退した。88号車 JLOC ランボルギーニ RG-3(関口雄飛)がその後方に付けた。

 27号車 PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリはピットイン後にペースを落とし後退。終盤で白熱したのは2位、3位争いとなった。2位を走る2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電と3位の14号車 SG CHANGI IS350の差は35周目には11秒、40周目には8秒だった。

 残り10周を切ってその差は急激に縮まった。42周目に5秒、43周目に3秒、44周目には1秒を切りテール・トゥ・ノーズとなった。46周目の1コーナーで14号車 SG CHANGI IS350がインに飛び込み2位のポジションを奪い取った。

2位の2号車との距離を詰める14号車14号車が2位浮上

 3位に後退した2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電の6秒後方に88号車 JLOC ランボルギーニ RG-3が迫ってきた。その差は残り2周で4秒、残り1周で0.7秒と急接近。ファイナルラップのダンロップ進入のブレーキングで2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電がタイヤをロック。

 右ターンでインを取った88号車 JLOC ランボルギーニ RG-3がシケインで先行するが、続く左ターンではインアウトが逆転。インをキープした2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電がアウト側へマシンを寄せブロックラインで立ち上がり2位のかろうじてキープ。そのまま逃げ切り0.3秒差で表彰台を獲得した。

最終ラップのダンロップ。一瞬88号車が先行するが立ち上がりで抜き返した

 優勝は2周目に一瞬トップの座を譲った以外は独走した4号車 初音ミク グッドスマイル BMWが今季2勝目。ポイント争いをする11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458は終始後方に沈み、42周目のストレートで左リアタイヤのバーストでリタイヤしたため、ポイントランキングでも首位に躍り出た。

ゴールでは谷口選手がピットウォールで出迎えたGT300クラスの表彰台(Photo:Burner Images)

最終順位(GT300クラス)

順位マシン名(ドライバー名)
1位4号車 初音ミク グッドスマイル BMW(谷口信輝/番場琢)
2位14号車 SG CHANGI IS350(折目遼/アレキサンドレ・インペラトーリ)
3位2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電(高橋一穂/加藤寛規)
4位88号車 JLOC ランボルギーニ RG-3(井入宏之/関口雄飛)
5位25号車 ZENT Porsche RSR(都筑晶裕/土屋武士)
6位62号車 R&D SPORT LEGACY B4(山野哲也/佐々木孝太)
7位27号車 PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリ(山岸大/山内英輝)
8位86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3(坂本祐也/青木孝行)
9位66号車 triple a Vantage GT2(吉本大樹/星野一樹)
10位15号車 ART TASTE GT3R(清水康弘/T.ベルグマイスター)

GT300のポイントランキング

順位マシン名(ドライバー名) ポイント
1位4号車 初音ミク グッドスマイル BMW(谷口信輝/番場琢)65
2位11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458(田中哲也/平中克幸)57
3位33号車 HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢)43
4位14号車 SG CHANGI IS350(折目遼/アレキサンドレ・インペラトーリ)38
6位74号車 COROLLA Axio apr GT(新田守男/国本雄資)33
7位62号車 R&D SPORT LEGACY B4(山野哲也/佐々木孝太)31
8位25号車 ZENT Porsche RSR(都筑晶裕/土屋武士)27
9位87号車 リール ランボルギーニ RG-3(余郷敦/織戸学)26
10位66号車 triple a Vantage GT2(吉本大樹/星野一樹)25

優勝した4号車 初音ミク グッドスマイル BMW(谷口信輝/番場琢)
2位の14号車 SG CHANGI IS350(折目遼/アレキサンドレ・インペラトーリ)
3位の2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電(高橋一穂/加藤寛規)

 このレースの模様はテレビ東京系列で毎週日曜23時30分からの「SUPER GTプラス」(BSジャパンでは毎週日曜10時30分から)で放送される。次戦は10月1日、2日にオートポリス(大分県日田市)にて開催される。


(奥川浩彦/Photo:奥川浩彦、Burner Images)
2011年 9月 15日