「ITSスポットサービス展示会」が東京 カレッタ汐留で開催
「渋滞を削減し、交通事故を減らす」と松原国交副大臣

各社のITS機器が見られる「ITSスポットサービス展示会」

2011年10月3日



 国土交通省などが主催する「ITSスポットサービス展示会」が「カレッタ汐留」(東京都港区東新橋)の地下1階イベントスペースで、10月6日まで開催される。ITSスポットサービスは、通信方法にDSRC(Dedicated Short Range Communication:スポット通信)を用いるサービスで、ITSスポット対応のカーナビや車載器であれば、交通情報、気象情報などさまざまなデータを受信でき、ETCと同様の決済機能を備えている。

 ITSスポットサービス展示会は、それらITS関連機器を展示するもので、8月12日にITSスポットサービスが全国の高速道路で開始されてから、初めての一般展示会になる。

 会期中最初の平日となる10月3日には、松原仁国土交通副大臣、渡邉浩之 ITS Japan会長、東日本/中日本/西日本高速道路のNEXCO 3社の代表者、首都高速道路、阪神高速道路の都市高速2社の代表者らによる、解説ビデオの点灯式が行われた。

 式の冒頭、松原国交副大臣は、「8月に全国1600個所でITSスポットサービス(の送信機)が設置された。このITSスポットサービスは、VICS、ETCに続く次世代の交通サービス。大容量通信により、最適なルート選択、安全運転支援がオールインワンで受け取れる。このITSスポットサービスにより、渋滞の削減や交通事故の減少ができる」と挨拶。

松原仁国土交通副大臣渡邉浩之 ITS Japaの会長

 ITS Japanの渡邉浩之会長は、松原国交副大臣の挨拶を受ける形で、ITSスポットサービスのメリットは4つあると言う。1つ目は広域ルート探索で、従来よりもVICSよりも広い地域の渋滞情報を提供することで、例えば東京~青森までの広域ルート探索で一番安全な、一番燃費のよいルートを探索できるようになる。

ITSスポットサービスの特徴は、VICSのような近距離だけでなく、広域情報も提供されること東京~名古屋までの渋滞情報を加味したルート案内が行われる

 2つ目は、気象情報関連の提供。例えば大雪や除雪情報を提供することで、どの道が通れるのか、どの道が通れないのかリアルタイムで知ることができ、やはり安全な移動に寄与する。

 3つ目は、これらの情報が個人だけでなく、運送業者が活用することで、物流が正確に行え、より効率のよい経営が可能になるとと言う。

 最後が、大容量通信を活かした地元のイベント情報の提供などで、町おこし、村おこしに活用できるという。

東名高速御殿場ICの下り線付近を走行中にITSスポット情報を受信。由比付近での越波情報を画像表示トンネルを出る前に、トンネル出口の積雪状況を表示
この看板のあるところでは、対応機器であればインターネット接続も可能各地の観光情報やグルメ情報の表示

 ITSスポットサービスは、全国の高速道路で始まったばかりだが、すでに対応機器の販売は始まっており、対応カーナビや対応車載器を取り付けることでサービスを利用することができる。

 ITSスポットサービス展示会では、各社の対応機器の展示が行われており、デモ画面を見ることや、説明員からの解説を聞くことが可能だ。複合商業施設内のイベントスペースでの展示となっており、その動作画面などを確認してみてほしい。

三菱電機のITS対応カーナビ日本無線のITS対応車載器アルパインのITS対応カーナビ
パイオニアは対応機器として新型サイバーナビを展示三菱重工業のITS対応車載器ITSスポットサービスの音声情報に対応した発話ユニット。三菱重工製
パナソニックの対応カーナビと対応車載器。車載器は業界最小だと言うトヨタ自動車の純正カーナビも、ITS対応機器が用意されているデモ画面を見ることができる
東芝製のITSスポット機器(路側機)。道路に設置され、ITSスポット情報を提供する。車両展示も行われているが、実際の電波のやり取りはない沖電気製のITSスポット機器(路側機)

(編集部:谷川 潔)
2011年 10月 3日