「第51回全日本模型ホビーショー」開幕
走らせて楽しむ新製品が多数展示

幕張メッセで開幕した全日本模型ホビーショー

2011年10月13日、14日(業者招待日)
2011年10月15日、16日(一般公開日)
幕張メッセ(9ホール)
入場料:1000円(中学生以下無料)



 最新の模型やRCカーの大規模展示会「全日本模型ホビーショー」が、10月15日、16日(13日、14日は業者招待日)に幕張メッセ(千葉市美浜区)の9ホールにおいて開催される。入場料は1000円(中学生以下無料)。Car Watchでは、主なクルマ関連の展示を中心にその模様をお届けする。

スロットカー、RCカー関連
 クルマ関連の展示では、作って楽しむスケールモデルの新作は少なく、走らせて楽しむスロットカー、RCカー関連の展示が目立っていた。その中で新シリーズを立ち上げ、積極的な展示を行っていたのが京商だ。

 京商は、1/43スロットカー「Dslot43」の特設コースを設置。5月に開催された静岡ホビーショーではデモ用の4レーンのコースとなっていたが、市販されるスロットコース「サーキット96」を用いた2レーンの走行コースとなっていた。一般公開日の10月15日には、「サーキットの狼」で知られる漫画家・池沢早人師氏のトークショーも開催される。発売は12月。

2レーンのコースが用意される1/43スロットカー「Dslot43」スロットカーのよさは、手軽にバトルを楽しめるところ。RCカーより、メンテナンスコストもかからない
1/43スケールには見えないほどの精密感を持つDslot43のシャシー。オプションバーツはタイヤセットなどが用意されるDslot43用のコース。クロスレールは2枚付属し、インとアウト、アウトとインを切り替え、不利のない戦いが楽しめる

 京商は、このほか手のひらサイズの1/24RCカー、ミニッツに悪路を走破可能なバギータイプを投入。このミニッツバギーは、シャフトドライブによる4WD機構を持ち、高いオフロード走破性を持つと言う。ボディー形状は、京商の1/10RCバギーのヒット作「オプティマ」と「レーザーZX-5 FS」がラインアップされる。また、今年で10周年となるミニッツのF1シリーズには、2010年シーズンを戦った「ボーダフォン マクラーレン メルセデス MP-4-25」と「フェラーリF10」を追加。F1シャシーも、オプションのジャイロユニットを装着可能で、装着した際には車体の姿勢を検知し、ステアリングとスロットルが自動補正され、より安定した走りが可能となる。

ミニッツバギー オプティマ。送信機もセットされたレディセットが、2万2890円ミニッツバギー レーザーZX-5 FS。レディセットはオプティマ同価格ミニッツバギーのスケルトンシャシー展示
ミニッツF1シリーズの「ボーダフォン マクラーレン メルセデス MP-4-25」。ボディーシャシーセットが1万9425円「フェラーリF10」。MP-4-25と同価格会場に展示されていた新プロジェクトのマシン。漫画家 麻宮騎亜氏の「姫神ガジェット」とコラボレーション。一般公開日には、ミニッツシリーズとしての展示を行う予定

 電動RCカーを多数ラインアップするタミヤは、1/12RCカー用の新シャシー「RM-01」や、1/10RCカー用新シャシー「TA05 M-Four」を用いた新製品を展示。RM-01は、モーターにコンパクトで電費のよい380モーターを使い、バッテリーにLF1100-6.6Vレーシングパックを用いる2WD(FR)シャシーで、その軽さからキビキビとした操縦性を実現。1/12RCカーは、ハイエンドなレーシングマシンが主流となっているが、その裾野を広げようという製品になる。1/12RCカー用新シャシーは、タミヤとして26年ぶりとなり、ボディーは「トヨタ トムス 84C」で登場する。担当者によると、ショーでの反応を見て、ボディーラインアップを揃えていくと言う。

1/12RCカー「トヨタ トムス 84C」。12月発売、2万3940円。RM-01シャシーとボディーがセットになっている

 TA05 M-Fourは、一世代前の1/10 4WD RCカー用シャシー「TA05」をベースに、ホイールベースを210mmのショートタイプに変更。センターモーター、2ベルト構成はTA05と同様で、TA05用の数多くのオプション部品も装着できると言う。標準で搭載するモーターは380モーターで、バッテリーはLF1100-6.6Vレーシングパック。4WDモデルのため、RM-01より扱いやすい特性を持つ。M-02シャシー用のボディーが装着でき、TA05 M-Fourと同時に、ニッサン シルビア(S15)のボディーが発売される。

1/12RCカー「TA05 M-Fourシャシーキット」。12月発売、4万7040円。シャシーのみのキットとなり、ボディーは別売。TA05ユーザーなら、多くのオプション部品を転用することが可能だ
1/12RCカー用ボディー「ニッサン シルビア(S15)」。12月発売、3570円

 タミヤはそのほか、現在の主力1/10 4WD RCカーシャシー「TA06」や、エントリー用4WDシャシー「TT-01 TYPE-E」、1/10 FFシャシー「FF-03」と、新規のボディーを組み合わせたRC組み立てキットを多数出展。復刻モデルや、送受信機がセットになった完成モデルシリーズ「XB(エキスパートビルド)」の新製品も展示していた。

1/10RCカー「フェラーリ599XX(TA06)」。11月19日ごろ発売、2万8350円。リアまわりの独特のウイングまで再現されている
フェラーリ599XX(TA06)は、タミヤの主力4WDシャシーTA06を使用。TA06は、2ベルト、ギヤダウンの独特の構造を持つTA06のフロントまわりTA06のリアまわり
1/10RCカー「フォルクスワーゲン シロッコ GT-24-CNG(TT-01 TYPE-E)」。12月発売、1万2390円。シロッコは、FFシャシーのFF-03を組み合わせた製品(2万2890円)も発売される1/10RCカー「アウディ R8 LMS-ニュルブルクリンク24時間レース(TT-01 TYPE-E)」。11月12日ごろ発売、1万2390円
1/10RCカー「デューンバギー(2011)」。10月29日頃発売、1万80円。タミヤが力を入れている復刻RCカー。手軽にオフロードで遊べる会場では復刻RCカーの予告掲示が行われていた。これからもいくつかの車種が登場するようだ1/10RCカー「XB Honda バラード スポーツ 無限 CR-X PRO.(M-05)」。11月12日ごろ発売、2万4990円。買ってきたその日からすぐに遊べるXBシリーズ。CR-Xは、送受信機など別売の組み立てキット(1万3440円)も発売される
RCカー「TRF417Xシャシーキット」。12月発売、8万3790円。純レーシング向け、シャシーキット。TRFはTamiya Racing Factoryの略で、同社RCカーの最高峰モデル

 走らせて楽しむクルマの代表的製品が「ミニ四駆」。このミニ四駆の新製品として、「ライジング エッジ」と「スラッシュ リーバー」が展示されいた。この2製品は、アニメにもなった漫画「鉄(くろがね)のラインバレル」の作者 清水栄一氏のデザインによるもの。ロボット漫画の作者がデザインしたというのがポイントで、清水氏自身も子供のころ、ミニ四駆ファンだったとのこと。会場には、製品化される前のモックアップも展示されていた。

クルマ好きなら、誰もが一度は遊んだことがことがあるミニ四駆。ミニ四駆で遊んだ子供が、ミニ四駆をデザインする時代になった。ミニ四駆は2012年に、30周年を迎える製品化までの過程も紹介されていた

 走らせて楽しむ製品ではないが、トミーテックのブースではジオラマコレクションシリーズの「バスコレ」が展示されていた。このバスコレは、道路の下に埋め込まれたワイヤーを、バスの車体下部に取り付けられたマグネットでトレースして走るというもの。バスにはステアリング機構があり、バス停では自動で止まる機能を備える。すでに東京都交通局仕様は発売されており、大阪市交通局仕様が参考出展されていた。

すでに発売中のバスコレ走行システム 東京都交通局仕様。ジョイント式組み立て道路をトレース走行し、バス停では一旦ストップする仕組みを備える。バスは、日野ブルーリボン シティハイブリットバス参考出品されていた、大阪市交通局仕様

スケールモデル関連
 作って楽しむスケールモデルでは、ハセガワが1/24「BMW ミニ クロスオーバー」を展示。開発試作段階での展示だが、ミニの持つ独特の雰囲気が再現されている。

1/24「BMW ミニ クロスオーバー」。12月発売、予価3570円。ボディー表面が粗くなっているが、これはモックアップのため。ホイールは、2種付属する

 1/20スケールのF1では、フジミが「フェラーリ F10 日本GP」を展示。こちらも試作品での展示だが、リアウイングまで伸びるFダクトなど、2010年シーズンのF1マシンの特徴が楽しめる。フジミは、1/24「ランボルギーニ アヴェンタドール」の発売を予告していたほか、SUPER GTのGT300クラスで活躍中の「初音ミク グッドスマイル BMW」のモックアップ展示などを行っていた。以下に各社のスケールモデルを写真で紹介していく。

1/20「フェラーリ F10 日本GP」。11月発売、5250円。この年のF1マシンは、Fダクトが外観上の特徴
1/24「ランボルギーニ アヴェンタドール」。12月発売、5250円。完全心金型のアヴェンタドール。ドアは開閉選択ができる模様
「初音ミク グッドスマイル BMW」のモックアップ。発売は未定だが、発売されれば、大きな話題となるだろう
説明もなくフジミブースに置かれていた3台のモックアップ。担当者によると、この段階まで進めば、模型化する可能性はあるとのこと。来場者の反応を見ているようだ
タミヤ 1/20「ポルシェ928S」。10月6日ごろ発売、3360円。20年ぶりに再生産されたキットタミヤ 1/24「Honda 無限 シビック Si Gr.A レーシング」。12月3日ごろ発売、2520円タミヤ 1/24「ニスモ クラリオン GT-R LM '95 ル・マン出場車」。12月3日ごろ発売。2940円。928S、シビック、GT-Rともスポット生産
トミカのコーナーでは、ミニカーとあわせて実写展示も行われていた
アオシマ 1/24「ランボルギーニ カウンタック LP400 オプションパーツ付き」。10月発売、4410円。カウンタックシリーズは、メタルパーツのマフラーなどオプションパーツをセットにした製品が用意されるミニカーで知られるエブロは、今年も多数の新製品を展示。写真は、左が「HINO SAMURAI」、右が「DAY&NITE Special」。いずれも1960年代の日本グランプリ参戦車シリーズの新作

 全日本模型ホビーショーでは、これらクルマ製品に限らず、キャラクターモデルやミリタリーモデルなど数多くの新製品が展示されている。ぜひ、実際に足を運んでそれら新製品の仕上がりを確認してみてほしい。

 なお、タミヤは10月14日18時30分からUSTREAMの自社チャンネル「TAMIYA LIVE on Ustream」(http://www.ustream.tv/channel/tamiya-live)で、会場からの生中継を実施する。クルマ関連の新製品も紹介されるとのことなので、事前にTAMIYA LIVEをチェックしてみるのもよいだろう。

(編集部:谷川 潔)
2011年 10月 14日