独BMWは10月14日（現地時間）、新型「3シリーズ」を発表した。

　1975年に発表された「E21」から数えて6代目となる、Fセグメントのスポーツセダン。5代目3シリーズにはセダンのほか、ワゴンの「ツーリング」とオープンモデルの「カブリオレ」が欄アップされているが、今回はセダンのみ発表されている。

■ボディーサイズ拡大、ワイド＆ローのスタイルに
　ボディーサイズは先代より全長が93mm、ホイールベースが50mm伸び、前トレッドが37mm、後トレッドが47mm広がった。この恩恵は前後席の足元が15mm長くなったほか、トランクが8mm長くなって容量が20L増えた。

　一方で重量は40kg軽くなったとしている。

　スタイリングは、短いフロントオーバーハングとロングノーズ＆ショートデッキのプロポーションに、キドニー・グリルを挟む丸目4灯、Cピラー下端をキックアップさせたホフマイスターキンク、フロントフェンダーからボディー後端まで伸びるプレスライン、L字型のテールランプなど、BMWセダンの“文法”をきっちり踏襲しているが、ヘッドライトユニットとキドニーグリルをつなげるなど、よりワイド＆ローな造形とした。またヘッドライト上部には「アイブロー」と呼ばれるLEDのアクセントラインが入る。

　新型3シリーズでは、1シリーズに続き、エンジンの違いによるグレード分けとは別に、トリムの違いによる「ライン」が3種類設けられる。

　「スポーツ」ラインはキドニー・グリル、フロント・エプロン、テール・パイプなどをブラックとし、インテリアはブラック＆レッドでまとめた。

　「ラグジュアリー」ラインは、内外装にクロームの加飾を施した。

　「モダン」ラインは、サテン・アルミニウムの加飾で、インテリアはダーク・オイスターと淡い色のコントラストでまとめられる。

　また2012年夏には「Mスポーツ・パッケージ」が発売される。これにはエアロダイナミック・パッケージ、18インチまたは19インチのMライト・アロイ・ホイール、Mスポーツ・サスペンション、Mスポーツ・ブレーキ、アルカンタラのスポーツ・シート、ブルーのアクセントのインテリア・トリムなどが装備される。

　各ラインとも、エンジンキーのデザインがラインごとのテーマに沿った加飾が施されたものになる。

スポーツライン	ラグジュアリーライン
モダンライン	Mスポーツパッケージ

■直列4気筒ターボがメイン、ハイブリッドも用意
　パワーユニットは2種のディーゼルエンジンのほか、ガソリンエンジンは「320i」「328i」に直列4気筒2リッター、「335i」に直列6気筒3リッターが搭載される。いずれも直噴ツインスクロールターボ、吸排気可変バルブタイミング機構「ダブルVANOS」、可変バルブリフト機構「バルブトロニック」などを備える。

　トランスミッションは6速MTと8速AT。

　全車アイドリングストップ機構「オート・スタート/ストップ」、ブレーキ・エネルギー回生システム、電動パワーステアリング、オンデマンド制御の補機などを備え、環境性能を向上。車両設定システム「ドライビング・パフォーマンス・コントロール」には、コンフォート/スポーツ/スポーツプラスのほか燃費志向のECO PROモードが備わる。

　これらにより燃費は335iが7.9L/100km（約12.6km/L）、328iが6.4L/100km（約15.6km/L）としている。

　なおディーゼルエンジンは直列4気筒直噴に可変ジオメトリターボを備える。「316d」、「318d」、「320d」のほか、燃費志向の「320d エフィシエントダイナミクスエディション」が用意される。

　2012年秋には、ハイブリッドモデル「アクティブハイブリッド3」が投入される。

　335iの直列6気筒直噴ツインスクロールターボに、40kW（54PS）のモーターと8速ATを組み合わせたパワートレーンを採用。システム総合出力は335iを上回る250KW（340PS）、450Nmだが、燃費は328iなみの6.4L/100km（約15.6kmL）となる。

アクティブハイブリッド3	直列4気筒ツインスクロールターボエンジン

■数々のハイテク装備を採用
　新型3シリーズは「コネクテッド・ドライブ」の名称のもと、さまざまなハイテク装備を備える。安全装備としてはサイド・ビューとトップ ・ビュー・カメラを搭載したサラウンド・ビュー機能、パーキングアシスト機能、スピード・リミット・インフォ、ストップ＆ゴー機能付アクティブ・クルーズ・コントロール、レーン・チェンジ・ウォーニング、レーン・ディパーチャー・ウォーニングなどを採用。オプションでリアルタイムの交通情報を提供するナビゲーションシステムが用意される。またフルカラーの3Dヘッドアップディスプレイを採用した。

　全車、iDriveコントローラーとディスプレイを標準で装備し、可倒式アームレストの下に携帯電話、MP3やスマートフォンなどを収納するボックスとUSB/AUX端子を備える。

　インストゥルメントパネルはドライバー側に7度傾けられ、メーターパネルにはブラックパネル・ディスプレイを採用。リアシートは4：2：4の分割可倒式となる。

【お詫びと訂正】重量をDIN許容総重量からDIN空重量に変更しました。