シーズンチャンピオンを争うWTCCドライバーが来日
新井選手も参加した「Chevrolet Speed Nite in Tokyo」

2011年のマニュファクチュアラー・チャンピオンを獲得した「シボレー クルーズ」(外観のみレース仕様)

2011年10月18日開催



 今週末(10月22日、23日)に三重県の鈴鹿サーキットで開催される「2011 FIA 世界ツーリングカー選手権 日本ラウンド(WTCC KENWOOD Race of Japan)」(以下、WTCC)。そのWTCCにあわせて、シーズンチャンピオンを争うWTCCドライバー3名が来日し、ゼネラルモーターズ・ジャパン主催による歓迎パーティ「Chevrolet Speed Nite in Tokyo」が、10月18日開催された。

 2011年のWTCCは、「シボレー クルーズ」が圧倒的な強さを発揮しており、すでにメーカータイトルであるマニュファクチュアラー・チャンピオンを獲得。来日したのは、そのシボレー クルーズを駆る、イヴァン・ミューラー選手、ロバート・ハフ選手、アラン・メニュー選手。歓迎パーティには、シボレー クルーズでスポット参戦する新井敏弘選手も参加した。

ゼネラルモーターズ・ジャパン コミュニケーションズ/R&Dサイエンスオフィス ディレクター ジョージ・ハンセン氏

 パーティの冒頭、ゼネラルモーターズ・ジャパン コミュニケーションズ/R&Dサイエンスオフィス ディレクターであるジョージ・ハンセン氏が、シボレーがWTCCに参戦する意図を解説。ハンセン氏は、シボレーがこれまでル・マンやNASCARシリーズなどに参戦してきた歴史を挙げ「自動車メーカーにとって、モータースポーツに参戦することは、技術力やブランドの向上のために大切なこと。シボレーにはモータースポーツのDNAがある」と語り、2012年からはインディカー・シリーズにも参戦すると言う。

 また、WTCCに関しては、F1、WRC(世界ラリー選手権)と並ぶ、FIA(国際自動車連盟)のシリーズ戦であるため注力しており、2010年、2011年と2年連続マニュファクチュアラー・チャンピオンを獲得。2012年には、シボレーの母国である米国ソノマでの開催も決まり、より重要な位置づけになっていると語った。


パーティ会場では、シボレーのレース参戦の歴史が紹介されたWTCCの紹介。F1やWRCと並ぶ世界的なレースであること、世界12カ国で争われていることなど。2012年にはアメリカラウンドが加わる
2011年は、シボレーブランドにとって100周年にあたるその記念すべき年に、2年連続のマニュファクチュアラー・チャンピオンを獲得した

 ミューラー選手、ハフ選手、メニュー選手とも、来日は4回目。前3回は、岡山国際サーキットで開催されてきたWTCC日本戦のためで、3選手とも鈴鹿サーキットを走るのは初めて。鈴鹿のコースについて聞いたところ、ミューラー選手は「この前F1で見たよ」と笑いながら言い、ハフ選手は「Xboxやプレイステーションのゲームで走った。今回はショートコース(東コース)だけど、ちょっとだけフルコースを走ってみたいね」と語ってくれた。新井選手も本誌のインタビュー記事で鈴鹿での決勝レース経験がないと語っていたので、最強マシンを駆る4人ともが、同条件で鈴鹿に挑む。

現在ドライバーズポイント1位のイヴァン・ミューラー選手2位のロバート・ハフ選手
3位のアラン・メニュー選手スポット参戦する新井敏弘選手

 新井選手の参戦について聞いてみたところ、新井選手がイギリスでテスト走行を行った際に一緒に走ったハフ選手は、「ファンタスティックなドライバー。学習能力が高い」と評し、新井選手とメニュー選手は昔からの知り合いであることから、すでにチームになじんでいる様子がうかがえた。

4人で鈴鹿での勝利を目指す

 シボレーチームの強さはどこにあるのかという質問に対して、2年連続のドライバーチャンピオンを狙うミューラー選手は、「スーパードライバーが3人いる」と笑いながら語った後、「チームスタッフ力に優れているところ」とし、チーム内で得た走行データを新井選手を含む4人で共有し、鈴鹿での勝利を目指していくと言う。

 最強チームがどのように鈴鹿を攻略していくのか、そのチームの中から誰がシリーズチャンピオン争いをリードするのか。鈴鹿での初開催となるWTCCを、そのような観点で楽しんでみるのもよいだろう。



(編集部:谷川 潔)
2011年 10月 19日