NEXCO東日本、警戒区域内の常磐道の復旧・整備工事を再開へ 2012年1月定例会見より |
NEXCO東日本(東日本高速道路)は1月26日、2012年1月の定例会見を開催。2011年12月の定例会見は例年行っていないことから、11月、12月の2カ月間の営業概要のほか、常磐自動車道の工事再開、東北地方無料措置後の状況について報告を行った。
営業概要については、通行台数が、11月は2,875,000台(前年比1.1%増)、12月は2,864,000台(4.7%増)、営業収入が、11月は442億2800万円(6.2%減)、12月は426億8300万円(9.1%減)となった。雪が降るため、例年交通量は1月に向けて下がっていくのだが、12月は11月に比べて増加。これは、12月1日から始まった東北地方の高速道路無料化の影響が出ていると言う。
無料化措置による影響だが、東北自動車道 仙台南IC(インターチェンジ)~仙台宮城ICの断面交通量は日平均55,300台と、措置前に比べ1.4倍、11月に比べ1.1倍に増加した。
この東北地方の無料化措置によって、故障車や高速道路での事故が増えていると言い、これは「普段運転しない人が運転を行う結果によるものではないか」という見解を示した。この対応として、東北地方を中心に点検などの啓発活動に取り組んでいく。
■警戒区域内の常磐道の復旧・整備工事を再開へ
現在、福島第一原発事故のため、復旧・整備工事を停止している常磐自動車道の工事を再開することも発表された。常磐道は、ほかのNEXCOの高速道路と同様、東日本大震災によって被災。ほかの高速道路が応急復旧をすませ利用可能となっているのに対し、原発事故の警戒区域(20km圏内)に含まれるため、復旧工事が行えなかった。
本日の発表は、警戒区域内であっても、放射線量が3.8μSv/h(年間20mSv相当)未満であれば、復旧・整備工事を行うというもの。復旧工事区間としては常磐道 広野IC~常磐富岡IC間のうち約6kmを、整備工事区間として、浪江IC~南相馬間のうち約6kmを先に手がける。
線量が3.8μSv/h(年間20mSv相当)以上である区間に関しては、本日環境省から発表のあった「平成23年度常磐自動車道警戒区域内における除染モデル実証事業」の結果を踏まえて行うとした。
広野IC~常磐富岡IC間のうち広野IC側の6kmを復旧しても、常磐富岡IC側の線量が高いため、すぐに工事ができず、通行止めを解除するのは難しい。これに関しては、楢葉PA(パーキングエリア)に出口を設けるという方法があるものの、地形的な問題から、さまざまな議論が必要とのことだ。
線量が3.8μSv/h(年間20mSv相当)未満の地域については、2月から復旧工事のための調査を開始し、2012年中に直せる部分は直していきたいとした。
そのほか、SA(サービスエリア)、PAにおいて「地域産品応援フェア!」を2月1日~29日まで実施。SA/PAで利用した1,000円分以上のレシートを応募すると、お土産品5,000円分相当とお買い物券5,000円分のセットが抽選で2,200名に当たる。
(編集部:谷川 潔)
2012年 1月 27日