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【連載】西川善司の「NISSAN GT-R」ライフ
第5回:純正の1/4の価格で上質のボディーカバーを購入してみる


 我が家の駐車場は敷地レイアウトの関係で屋根はあるものの、GT-Rを停めた場合に鼻先が若干屋根の覆いから出てしまう。前車のRX-7(FD3S)の時も同様だった。屋根下も完全な密閉空間ではなく、いわゆる屋根付き車庫というよりは“屋根付きカーポート”という風情。なので若干の横風も入り込む構造だ。

 ということで、RX-7に乗っていた時も平常時はボディーカバーを掛けていた。RX-7のボディーカラーは赤だったが、今回のGT-Rも赤だ。赤は褪色しやすい色なので、ボディーカバーは褪色対策の意味合いでも必要だ。

社外ボディーカバーでも車種専用がある
 純正がそれなりの価格でも、信頼性という意味でも純正を選びたいところだが、本連載第2回目で紹介したフロアマットや、第3回のバックカメラの時もそうだったように、R35 GT-Rの純正オプションの価格は庶民にとって少々高い。そしてご多分に漏れず、ボディーカバーもなかなかの金額なのであった。

 純正のボディーカバーは「NISSAN GT-R専用ボディーカバーセット」(http://www.nissan.co.jp/GT-R/option_dealer.html)として販売されており、価格は15万7500円。高額の理由は、屋外用のカバーと屋内用のカバーの2枚セットになっているためで、実際の使用時にはこの2枚をともに掛ける必要がある。屋内用のカバーは柔らかい素材で、これが塗装面を優しく包み覆うもので、屋外用のカバーは防水・防炎加工がなされた素材としては堅めのカバーになる。なお、屋内用カバーは単品でも販売しているが、屋外用カバーは単品での購入ができない。また、日産側としても「直接屋外用のカバーだけを掛けると塗装が傷つくのでやめてください」という立ち位置を取っている。

 ボディーカバーというと高くても4万円前後という認識だったので、16万円近い純正品の購入はオプションカタログを見た時点で諦めていたが、ボディーカバーは駐車環境を考えると必要だ。そのためフロアマット同様に、社外品の購入を検討することにした。

 社外品とはいっても汎用品ではなく、その車種専用のものを製造販売しているところが望ましい。ということで調査をしてみると、R35 GT-R専用製品をリリースしているボディーカバーメーカーにはアルカディア(http://www.wrappers.co.jp/)と、仲林工業(http://www.nh-cover.jp/)などがある。

 後者の中林工業では、筆者のGT-Rに対応した製品が別設定されていることが分かったので、そちらを選択することにした。

アルカディアのWebサイト(http://www.wrappers.co.jp/ 仲林工業のWebサイト(http://www.nh-cover.jp/

2種類ある仲林工業のボディーカバー
 仲林工業のボディーカバーは、裏地起毛なしの廉価版タイプと、裏地起毛ありの上級タイプがラインアップする。前者の廉価タイプは「E-5000」、後者の上級タイプは「TT-9000」という型式番が付けられており、仲林工業によれば、メイン商品はTT-9000だとのこと。

 E-5000は、表面の防水加工を1工程簡略化し、裏面には毛がなく、裏生地が直接ボディーに触れるタイプ。一般的な車種の純正ボディーカバーなどはこれに近いイメージだ。

 TT-9000は防水加工を3回施して防水性を高め、なおかつ裏生地に起毛加工を施して、ボディーへの接地をふんわりと和らげるような工夫が施されている。

 筆者の使用ケースでは、屋根があると言っても実質屋外での使用となるし、そうなると風ではためくことも想定される。風ではためけば、ボディーをカバーの裏地が反復的に擦ることが考えられる。そうなると、やはり裏地起毛は欲しくなる。

 RX-7の時は純正ボディーカバーを使っていたが、これには裏地生地がなくて、ボディーのクリアコーティングに細かい傷が付くことが多かった。その意味で、裏地起毛がどれほどボディーに優しいのか、個人的にも興味がある。ということで、筆者はTT-9000を選択した。

TT-9000の裏地はふんわりとした起毛加工がなされている E-5000の裏地はボディーカバー素材そのまま

注文の際のカスタム設定がちょっと難しい
 仲林工業のボディーカバーは、基本的には同社のWebサイトを利用したオンラインショッピングによる注文となる。

 まず注文の際には、仲林工業サイトのトップページから所有する車両のメーカーを選択し、続いて出てくるページから車名を選択する。

 冒頭でも触れたように、仲林工業のボディーカバーは同一車種でもマイナーチェンジ前と後のモデルで型紙を個別に作成し、専用ボディーカバーとして設定しているので、車種によっては車名だけでなく、自分の型式番を確認しておく必要がある。

 GT-Rの場合は、2011年モデル時のエクステリアのデザイン変更に伴って、これ以降は後期型「DBA-R35」という型式番が与えられている。ちなみに2007年型から2010年型までの、いわゆる前期型の型式は「CBA-R35」となっている。DBA-R35ではフロントリップスポイラーとリアディフューザーの形状が異なっており、仲林工業のボディーカバーはその違いに対応しているようだ。

メーカー選択後は車種を選択。GT-Rのボディーカバーは前期型と後期型を個別設定している。他の車種でもこうした個別設定が数多く行われているのが仲林工業のボディーカバーの特長でもある 注文フォーム。細かい仕様決めもここで行う

 自分の愛車との適合車種が見つかったら、希望するボディーカバーの生地の種類を選択する。

 この後は、購入するボディーカバーの細かい仕様を決めていくプロセスに移行する。かなり細かい仕様決めが行えるので、初めてだともしかしたら戸惑ってしまうかもしれない。ということで筆者なりの解釈と、何を選択したかを以下に書き記そう。


ミラーの種類とグリルの種類(※イラストは仲林工業サイトより引用)

ミラー
 ドアミラーかフェンダーミラーかの設定を行う。よほどのビンテージカーか特殊仕様車両でない限りは「ドアミラー」を選択。

グリルガード
 SUVやオフロード車に見受けられるバンパーをさらにガードするための特殊架装。GT-Rを初め、一般的なオンロードカーは「なし」でOKだろう。


純正の寸法から大きく変化するようなエアロパーツを装着している場合には、特別対応が必要になる場合も

標準装備のエアロ
 エクステリアで大きな改装があるかどうかの設定。バンパー、フェンダー、リアバンパーなどを取り外していない限りは「あり」を選択。筆者のGT-Rも標準状態のままなので「あり」を選択した。

標準装備のリアウィング/ルーフスポイラー
 スポーツタイプの車によく見かけられる、車体の後部に装着されるリアスポイラーがあるかどうかの設定。GT-Rの場合は全モデルがリアスポイラーを標準装備しているので「あり」を選択。


ルーフレールとスペアタイヤ

ルーフレール
 キャリアをくくりつけるためのレールを装備しているかどうかの設定。GT-Rにはルーフレールのオプション設定はなく、もちろん筆者の愛車もそうした改造はしていないので「なし」を選択。

背面スペアタイヤ
 SUVやオフロード車に見受けられる、スペアタイヤをリアバンパー付近にくくりつけているかどうかの選択。GT-Rでは当然ながら「なし」を選択。


キャリアを装着している場合にはその寸法を併記する必要がある

キャリア
 ルーフや背面に荷物運搬用のキャリアを設置しているかどうかの設定。SUV、ワゴン車などで、キャリアを組み付けている場合には「あり」を選択するが、GT-Rの場合は多くの人は「なし」になるだろう。


通気筒

膨らみ防止の通気筒
 横風が吹いた際に、ボディーカバーはヨットの帆のようにはためいてしまうことがある。これを構造的に低減させるのが「通気筒」で、これは車種ごとに設定するというよりは、ボディーカバーに対してこの機能を「与えるか、与えないか」の判断を購入者が決定する。通気筒は「1対2個」、あるいは「2対4個」の設定が可能で、前者は製品価格に対して2000円、後者は4000円が加算される。

 「屋根付き駐車場であれば1対2個を奨励」とあったので筆者はそちらを選択したが、横風が多いという環境事情が想定されるならば、2対4個がよいかもしれない。

留め具
 ボディーカバーを固定するための留め具を選択する項目。仲林工業のボディーカバーでは、この固定のためのギミックの選択肢を4パターン用意している。

 1つは「バックル式のフック型留め具」というもので、ベルトの一端をボディー側面下部の“梁”に引っ掛け、もう一端をボディーカバーに備え付けられたバックルにはめ込んで固定するタイプのものだ。簡単に固定できるメリットがある一方、横風などに煽られた場合は外れる可能性が高く、簡易固定という位置づけだ。価格に1000円加算される。

バックル式のフック型留め具。ボディー側面の形状によっては適合しない場合もある

 2つ目は「腹下通しの2.8m留め具」だ。これは「バックル式のフック型留め具」の強化版といった感じのもので、ボディーカバーの2つの側面に備え付けられたバックル同士を車体の下に通したベルトで固定するものだ。「バックル式のフック型留め具」ではベルトで車体を固定するが、「腹下通しの2.8m留め具」ではバックルを1本のベルトで固定する。ベルトは2.8mもあるが、大抵のクルマの車幅は2m未満なので、ベルトはだいぶ余裕を見た長さになっている。価格はプラス2000円だ。

腹下通しの2.8m留め具

 3つ目は「すそ紐絞り加工」だ。これをオーダーするとボディーカバーの裾下、全周に渡って紐が通されるようになる。ボディーカバーの後面下部には紐が出ており、ここを引くとボディーカバーの裾下が絞り上がる構造になっている。車を包んで絞るようなイメージだ。価格はプラス3000円。

すそ紐絞り加工。もっとも簡単にボディーカバーを車体に固定できる方法だ

 4つ目は「腹下通しの2.8m留め具」と「すそ紐絞り加工」を両方オーダーするというもの。簡易的に固定するときは裾絞りを使い、しっかり固定するときはベルトで止めるといった使い分けに適している。価格はプラス5000円だ。屋内などで使用することを前提に、上記4つのオプションを付けないという選択肢もある。その際に追加料金はない。

 筆者のGT-Rの場合は、基本料金が3万5100円。ここに通気筒「1対2個」の2000円を加算し、「腹下通しの2.8m留め具」と「すそ紐絞り加工」でさらに5000円のカスタマイズを追加したので、総額4万2100円となった。


筆者の注文ケース

実際にカバーを掛けて、その性能を検証
 納期は1週間とのことで注文をしたのが2月17日、到着したのが2月24日。ちょうど1週間で商品は到着した。梱包紙を剥がしたあとに出てきたのは、ビニールバッグに入ったボディーカバーだ。

 商品にはボディーカバーのほか、ボディーカバーを収納するための袋と、「腹下通しの2.8m留め具」を止めるための2本のベルトが封入されていた。

表側にカスタマイズした内容が書かれている ボディーカバー収納袋と2本のベルト

 ボディーカバー自体の生地表面は、いかにも防水加工された感じの光沢を伴った質感があり、“水はけ”性能はよさそうだ。裏地の起毛はそれほどふわふわという感じではなく、しっとりとした感じ。ただ、“毛”自体はしっかりと布地に根付いており、簡単に毛玉になったりはしなそうである。

 日産のカーライフアドバイザー(CLA)氏によれば、「納車直後はボディーコーティング剤が完全に乾燥しておらず、ボディー表面に馴染みきっていない場合が想定されるため、ボディーカバーは納車後から約1カ月は掛けない方がよいでしょう」とのことだった。しかし筆者の場合、納車から2週間後のタイミングで海外出張をすることになってしまい、保安上の理由もあってボディーカバーを掛けることにした。

 実際にボディーカバーをかけたときに感じたのは、意外に重量があるということ。予想よりというだけで、1人で持てるし広げられる。

 ボディーカバーを車体に載せてから広げていく段階でハッと思ったのは、どちらが前でどちらが後ろなのかと言うこと。過去の愛車で使っていた純正ボディーカバーでは「メーカーロゴがある方が前」という法則があったが、仲林工業のボディーカバーは基本無地だ。

前側を示す黄色いベロ

 しかし、戸惑うことなかれ。仲林工業のボディーカバーには、この前後を判別するためのマークとして黄色い布製のベロが取り付けられている。このベロがある方が前側だ。

 なお、裾絞りの紐を注文した場合は、絞り紐の露出口がボディーの前後判断を行う場合に利用できる。仲林工業のボディーカバーでは、絞り紐の露出口はほぼすべての車種で後面にレイアウトされるためだ。

 実際にボディーカバーを被せて思ったのは、純正カバーよりも裾がかなり長めだと言うこと。フロントリップスポイラーや、リアデフューザーの下に回り込んで包み上がる。ドアミラーの覆いもずいぶん余裕がある。印象としてはかなり余裕を持って大きく作っているという感じだ。

ただ被せただけの固定前の状態 サイズはたっぷりとしていてリップ部分も完全に覆ってくれる
後ろ側のディフューザーも同様 ドアミラーもたっぷりとした覆い方になっていた

 次はボディーカバーの固定だが、まずやったのは絞り紐による絞り上げ。しっかりと裾までを下に降ろして被せた状態から、絞り紐を絞り上げていくとまるで「いなり寿司」みたいに車体をすっぽりと包み上げてくれた。絞り紐には絞り上がった状態から緩まないようにロックしてくれるプラスチック製の器具も取り付けられているので、紐をギュギュッと引き上げてから縛る必要がない。これは手軽で便利。

便利で簡単な裾絞り 裾絞りを絞りきったときの背面の状態

 一方、ちょっと大変だったのは「腹下通しの2.8m留め具」のベルトを車体の下に通す作業。ベルトのバックル部分はプラスチックで軽く、総重量はむしろベルトの方が重いので、車体の下で放り投げて通そうとしても、ベルト自体が地面に先に落ちてしまい、それが抵抗となってバックルが向こう側に届かない。

 棒を使って通すのが直観的な通し方だが、駐車場で乗り降りしながら駐車作業をできる場合は、一度車から降りてから紐を伸ばして地面に先に置き、その上を通過するというアイデアをメーカーは提案している。ベルト自身はタイヤで踏まれても破損しないが、バックルをタイヤが踏んでしまうとバックルは間違いなく破損してしまう。この点には気を付けたいところだ。

側面のバックル ベルトの一端をバックルに固定して、もう一端を車体の下に通さなければならないが、これが難しい
バックルにベルトを差し込んでしっかり固定したところ

 出張から帰国した1週間後にボディーカバーを剥がしてみたが、ボディーに目立った傷は見つからなかった。風が吹いた場合に、バタバタとはためいてこすれ傷ができそうなボディーエッジの部分もチェックしてみたが、大きな傷はなし。また、そうした個所に目立った起毛の“抜け”も見当たらなかった。

 帰国後、春一番的な強風の日もあったが、腹通しのベルトのおかげでボディーカバーは外れることなく安定装着状態を維持。通気筒は効果があるようで、強風が吹いたときに一瞬ふわっと持ち上がりそうな挙動もあるものの、すぐに落ち着いてカバー上面がルーフに着地してくれる。


通気筒。1つあたり2個の開口部。これがボディーカバー内に吹き込んだ風を抜いてくれるため、バダバタとしたはためきが押さえられる

 とある日、カバーを固定するのを横着して、手軽な裾絞りだけにしていたのだが、かなりの強風でもカバーが外れることはなかった。ちゃんと裾下の紐を絞ってカバー裾下部分がボディーを包むように被せて固定できていれば、通気筒の効果もあり、はためくことこそあってもめくり上がらないのだ。5月初旬の竜巻災害のあったあの強風の日も(地元埼玉は竜巻はなかったが風はかなり強かった)、裾絞りだけで問題なかったので、見かけは地味ながらもけっこう信頼が置けそうだ。


ボディーカバーを取り付ける前 ボディーカバーを取り付けた後

おわりに
 結論として、仲林工業のボディーカバーの性能には満足している。純正価格の1/4であることを考えればなおさらだ。これはGT-Rオーナーはもちろん、他車種ユーザーもホディーカバーを購入する際に検討すべきだと思う。

 そういえば、マイナーな点ではあるが地味に困った点もあったので挙げておこう。それは取り外したボディーカバーを、付属してきた収納袋にうまく入れられないということだ。外したボディーカバーをきれいに畳める根気と技量があればよいが、夜間や寒い日、風の強い日はそもそも折りたたむ行為が面倒である。簡単に、かつ短時間できれいに畳める方法があれば誰か教えて欲しい……。ということで筆者の場合は、外したボディーカバーは適当に丸めて大きめの収納箱にぶち込んでいる。

 もう一つ困ったのは静電気。ボディーカバーを掛けるとき、あるいは外して丸めるとき、けっこう強い静電気が発生してバチバチチリチリと地味に痛いのだ。これもうまい解決策がないものか。

 次回はユピテルのレーダー探知機「GWR-73sd」を、ちょっと工夫した形でGT-Rに取り付けてみた話をしようと思っている。

(トライゼット西川善司)
2012年 6月 11日