英マクラーレン、「MP4-12C スパイダー」を日本導入
2013年初旬から納車、クーペのエンジンを無料でパワーアップ

2013年初旬納車開始
3000万円



 英マクラーレン・オートモーティブは10月19日、東京の同社販売店「マクラーレン東京」で、オープン2シータースポーツ「マクラーレン MP4-12C スパイダー」を公開した。日本での納車は2013年初旬で、価格は3000万円。MP4-12C スパイダーはマクラーレン東京に28日まで、マクラーレン大阪には11月3日から15日まで展示される。

クーペと同じシャシー
 この7月から日本でもデリバリーが始まった「MP4-12C」のオープントップモデル。ルーフは2ピースのリトラクタブル・ハードトップで、30km/hまでの速度域において、17秒で電動開閉する。ルーフはコクピット後方のトノカバーの下に格納されるが、ルーフを閉めているときは、この空間がラゲッジスペースとなる。

 オープン化にあたり、乗員を保護するパッシブ・ロール・オーバー・プロテクション・システムを搭載したほか、エキゾーストシステムの音色やエアコン、オーディオの最適化などの変更が加えられているが、「モノ・セル」と呼ばれるカーボンファイバーモノコックの前後にアルミのサブフレームを配したシャシーは、クーペ版MP4-12Cと同じで、クーペ版と並行して開発されたと言う。

 パワートレーンも基本的にクーペと同じ、90度V型8気筒DOHC 3.8リッターツインターボ「M838T」エンジンと、7速デュアルクラッチトランスミッションの組み合わせをリアミッドに縦置きするが、エンジンの最高出力は、クーペ版導入時の441kW(600PS)/7000rpmから、460kW(625PS)/7500rpmに高められている。最大トルクは600Nm/3000-7000rpmから変わっていない。

 ラジエターが車体前方でなくエンジン横に置かれるレイアウトや、プロアクティブ・シャシー・コントロールと呼ばれる制御技術を採用したサスペンションも、クーペと同様だ。ただし重量は1475kgで、クーペより40kg重くなった。

 発表会で同社アントニー・シェリフ マネージング・ディレクターは「スパイダーはクーペとまったく同じ剛性とハンドリング、パフォーマンスを出せる。クーペとまったく同じ経験をしつつ、髪に330km/hの風を感じることができる」と、クーペと同じ性能やフィールを実現したことをアピールした。

シェリフ氏(左)とイアン・ゴーサッチ リージョナル・マネージャー

既存のクーペもパワーアップ
 シェリフ氏は「ベストテクノロジー、ベストクオリティーの車を出していくことで、お客様のドライビング・エクスペリエンスを信じられない高さに引き上げること、オーナーシップのエクスペリエンスも信じられない高さに引き上げること」の2つが、マクラーレン・オートモーティブのゴールと言う。

 この目標のために、すでに納車された600PSエンジンを搭載するクーペに、625PSへのアップデートを無料で施すという施策が発表された。現在は国土交通省の規制などをクリアするための作業をしているところだが、日本でも実施される予定だ。具体的には制御コンピューターの変更になると言う。

 なお、同社は現在、アジアにはシドニー、香港、シンガポール、東京、大阪の販売拠点を持つが、今後、インドネシア、台湾、クアラルンプール、そして中国にも設ける予定。大市場の中国への展開が後回しになっているのは「中国の需要に応えられるだけの精算キャパシティーがなかった」から。2012年と2013年は、年間1500台を生産する計画だ。

(編集部:田中真一郎)
2012年 10月 19日