【2012WTCC日本ラウンド】レース1:シボレー勢が圧倒的な速さで1-2-3フィニッシュ
デビュー戦のホンダ シビックWTCCは10位でゴール後9位に


 2012 FIA 世界ツーリングカー選手権(WTCC)日本ラウンドは、三重県鈴鹿市にある鈴鹿サーキットにおいて本日(10月21日)14時30分より決勝レース1(レース1)が開催され、予選でトップ3を独占したシボレー勢が1-2-3フィニッシュを飾った。優勝は、8号車アラン・メニュ、2位に1号車イヴァン・ミューラー、3位に2号車ロブ・ハフと予選の順位どおりの結果となった。

レース1を優勝したシボレーの4号車メニュ選手

レース1:決勝結果

順位ドライバー車両
1アラン・メニュシボレー クルーズ 1.6T
2イバン・ミューラーシボレー クルーズ 1.6T
3ロバート・ハフシボレー クルーズ 1.6T
4ガブリエル・タルキーニセアト レオン WTCC
5アレックス・マクドウォールシボレー クルーズ 1.6T
6トム・コロネルBMW 320 TC
7ぺぺ・オリオラセアト レオン WTCC
8ステファノ・ダステBMW 320 TC
9ティアゴ・モンテイロホンダ シビックWTCC

 注目のデビュー戦となったホンダ シビックWTCCは11位からスタートした18号車ティアゴ・モンテイロ選手が、前走者のクラッシュなどにより1つ順位を上げて10位でゴールし、見事デビューレースで1ポイントを獲得した。【追記】レース終了後、6位のアレクセイ・デュルカノにペナルティがあり、ティアゴ・モンテイロ(ホンダ シビックWTCC)は、順位が9位に繰り上がりました。

予想どおり予選でトップ3を独占したシボレー勢が表彰台を独占
 WTCCのレースフォーマットは、第1レース(レース1)が予選の結果順でのグリッドでセーフティカー先導によるローリングスタート、第2レース(レース2)が予選結果のうちトップ10をリバースグリッドにしてグリッドからのスタンディングスタートという形になっている。このためレース1の結果は、純粋な速さが影響するということもあり、車やチームの総合力で他チームを圧倒的に引き離しているシボレーワークスの三台が引き離すだろうと予想されていたが、正にその予想どおりの展開となった。

 スタートでは、8号車メニュ、1号車ミューラー、2号車ハフのシボレー勢が予選の順位のまま1コーナーに入っていった。予選2位の1号車ミューラーが2コーナーで8号車メニュに並びかけたものの、抜くことはできず逆に2号車ハフに並びかけられる展開となったが、S字コーナーで2位の座を確保。それ以降、シボレーの3台は徐々に後ろを引き離して独走を始めた。

スタート直後の1~2コーナー。激しいポジション争いとなっていたが、昨年のようなトラブルはなかった
姿勢を崩しても、しっかり立ち直って抜けていった

 予選4番手はシボレーのプライベーター“バンブーエンジニアリング”の11号車アレックス・マクドウォールだったが、スタート時に3号車セアト レオン WTCCを駆るガブリエル・タルキーニにオーバーテイクを許し、5位に後退。この2台がセカンドグループとしてレースが展開されていったが、シボレーワークスの3台には徐々に離されていき、結局この上位5台に関してはスタート後には順位の変動は無く、そのままゴールへとなだれ込むことになった。

予選どおりの順位で、1-2-3で走るシボレーチーム2位になったミュラー選手3位になったハフ選手

 優勝は8号車メニュ、2位に1号車ミューラー、3位は2号車ハフ、4位は3号車タルキーニ、5位に11号車マクドウォールの順で、プライベーターのためのヨコハマトロフィーの優勝は総合5位のマクドウォールが獲得した。

前走車のクラッシュにより、1つ順位を上げてポイントを獲得したデビュー戦のホンダ
 上位5台に関してはほぼ無風のレースとなったが、6位以下に関しては大きな変動があった。序盤6位を走っていたのはスタートで3号車タルキーニに抜かれ順位を落とした25号車メディ・ベナーニ(BMW 320 TC)。ところが6周目にタルキーニのチームメイト4号車アレクセイ・デュルカノに抜かれ、7位になる。いったん抜かれた25号車ベナーニだが、デュルカノに引き離されるのでは無く、両車はテールツーノーズでの争いが続くことになる。その争いは22周目まで続いたが、結末はあっけなくやってきた。前にいくデュルカノにベナーニが追突しバランスを崩し、S字でコースアウトして順位を大幅に下げた。ベナーニはそのままピットインし、レース1はリタイアした。

4号車アレクセイ・デュルカノと、25号車メディ・ベナーニは、激しく争う4位に入った3号車ガブリエル・タルキーニ

 これにより、スタート時の順位と同じ11位を走っていたデビューレースのホンダ シビックWTCCを駆る18号車ティアゴ・モンテイロが10位に浮上、そのままの順位でゴールし、デビュー戦となるホンダに見事1ポイントを持って帰ってみせた。【追記】レース終了後、6位のアレクセイ・デュルカノにペナルティがあり、ティアゴ・モンテイロ(ホンダ シビックWTCC)は、順位が9位に繰り上がりました。これによりレース1で2ポイント獲得しました。

注目のシビックWTCCは2ポイントを獲得

 日本人選手は17位からスタートした80号車吉本大樹(サンレッドレオン)は、前車を何度もパッシングし、一時は14位まで順位を上げるなど健闘をみせたサーキットを沸かせたが、型落ちのレオンということもあり他車との戦闘力の差は明かで、徐々に順位を下げ、最終的には予選グリッドよりも1つ順位を下げた18位でゴールとやや悔しい結果となった。もう一人の日本人(75号車)も型落ちのBMW 320 siと戦闘力に欠ける車での参戦となったため、レースは1周遅れの20位でのゴールとなった。

80号車吉本大樹シボレー3台の争い

 レース2は15時45分からのスタートが予定されており、レース1でクラッシュした車なども修理が完了すれば参加することができるため、現在25号車ベナーニ車などが必死の修復を行っている。レース2では、予選順位のうちトップ10がリバースグリッド(予選10位が1位のポジションからスタートし、以下9位が2位に……予選1位が10位のポジションからスタートする)になるため、速度順にグリッドに並んでいるレース1に比べると荒れた展開になることが予想されており、特にスタートの第1コーナーでの先陣争いが激しくなることが予想される。

(笠原一輝/Photo:奥川浩彦)
2012年 10月 21日