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三菱自動車、「アウトランダーPHEV」をリコール

駆動用電池モジュールASSYを良品に交換。「MINICAB-MiEV」「i-MiEV」も

アウトランダーPHEV改善個所図
2013年6月4日発表

 三菱自動車工業は6月4日、プラグインハイブリッド車「アウトランダーPHEV」をリコールした。国交省へのリコール届出台数は4313台。

「i-MiEV」改善個所

 アウトランダーPHEVは、3月27日に駆動用リチウムイオンバッテリーが溶損・短絡した不具合を発表。その原因究明を行い、随時記者発表を行ってきた。リコールについては、5月の連休明け以降としていたが、本日発表された。

 リコール届出台数は、車台番号GG2W-0000115~GG2W-0004722の4313台、不具合発生件数3件は、従来と同様の数字で、記者発表後の不具合増加はなかったことになる。リコール事由としては下記のものとなる。

プラグインハイブリッド車の駆動用電池において、以下の事象が発生するおそれがある。

・スクリーニング工程(電池セル内の異物検出性向上のため実施している工程)において、作業者が誤って電池セルを落下させ、電池セル内部部品のエレメントが移動しエレメントのセパレータが損傷した状態で、移動したエレメントと集電体の隙間が減少した不良品を流出させたため、使用過程で充電中に電池セルの内部短絡が発生する場合がある。そのため、電圧が低下、EV システム警告灯が点灯し走行不能となり、最悪の場合、電池セルおよび周辺部品の一部が溶損する。

・スクリーニング工程の不活性化工程において、衝撃値の設定が不適切であり、電池セル内部部品(エレメント)の一部から剥離した銅異物が発生し、同工程中に正極に運ばれることで、使用過程で軽微な内部短絡が発生する場合がある。そのため、電圧が低下し、EV システム警告灯が点灯して満充電ができない状態やフェールセーフ状態(出力を30%に制限し、最高速度を50km/hに制限する走行状態)となる。

電気自動車の駆動用電池において、以下の事象が発生するおそれがある。

・スクリーニング工程において、作業者が誤って電池セルを落下させ、電池セル内部部品のエレメントが移動しエレメントのセパレータが損傷した状態で、移動したエレメントと集電体の隙間が減少した不良品を流出させたため、使用過程で充電中に電池セルの内部短絡が発生する場合がある。そのため、電圧が低下、EV システム警告灯が点灯し走行不能となり、最悪の場合、電池セルおよび周辺部品の一部が溶損する。

・スクリーニング工程の不活性化工程において、衝撃値の設定が不適切であり、電池セル内部部品(エレメント)の一部から剥離した銅異物が発生し、同工程中に正極に運ばれることで、使用過程で軽微な内部短絡が発生する場合がある。そのため、電圧が低下し、EVシステム警告灯が点灯し走行不能となる。


 同様の理由で、EV「i-MiEV」17台、「MINICAB-MiEV」98台もリコールとなった。

 リコール対策は、全車両で駆動用電池モジュールASSYを良品に交換する。

 リコール対策はディーラーで行うことが多いが、このリコール作業は、アウトランダーPHEVは名古屋製作所で、i-MiEV、MINICAB-MiEVは水島製作所で、集中作業するという。リコール作業は、6月中旬から順次開始予定。完成車の生産については、8月下旬を目処にできるだけ早期に再開するとしている。

 また、アウトランダーPHEV、アウトランダー、デリカD:5では、電動ステアリングコントロールユニット(EPS ECU) 内部のマイコン電源電圧を監視する回路の素子の製造工程が不適切なため、素子が特性不良となったものも存在。そのほかの理由なども含め、アウトランダーPHEVでは4313台がリコールとなっている。

(編集部:谷川 潔)