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ヤマハ、男性ライダーに向けたライフスタイル提案「55mph」を開始

7月12日に「クシタニ」とコラボした「55mph Cafe」を箱根大観山で開催

ヤマハが「55mph」プロジェクトをスタート
2014年6月13日発表

 ヤマハ発動機は6月13日、モーターサイクルのあるライフスタイルを提案する活動「55mph(ゴジュウゴマイル)」プロジェクトの発表会を開催した。このプロジェクトは同社がこれまで5年間にわたって取り組んできた、初心者、リターンライダー、女性に向けた一連のキャンペーンに続く新たな施策で、主に大人の男性ライダーを対象とする「ゆとりある、上質なモーターサイクルライフ」というコンセプトを核に、さまざまな活動を行っていく。

落ち着いた雰囲気のショップが建ち並ぶ東京・代官山の一角で発表会を開催

BOLTをモチーフに「ガレージがある生活」を提案

ヤマハ発動機 MC営業企画部 松本泰介氏

 発表会では、ヤマハ発動機 MC営業企画部の松本泰介氏がプロジェクトの説明に立った。松本氏は、かつて日本で2輪車の販売台数が右肩上がりだった高度成長期と現在を比べ、価値観が大きく変わっていると指摘。製品そのものより、それを使ってどうするかという点に重きが置かれるようになっていると解説した。モーターサイクルについてもすぐに買うのではなく、事前にいったん試したり、所有するよりレンタルを選ぶといったように、購買行動や所有に対する考え方が大きく変わってきているとした。

 ただ、「顧客がモーターサイクルのどこにメリットを感じるか」「顧客自身の生活にモーターサイクルがどうつながるのか」といった点は人それぞれで考えが異なり、これに対しては「新しいコンセプトの商品開発」「ブランド、商品への接触機会を増やす」という活動のほか、「モーターサイクルのあるライフスタイルを提案する」施策を行うなど、長期的な視野で取り組んでいくことが必要になると述べた。

 このことから、同社では5年ほど前から女性向けライディングレッスンの開催、東京モーターサイクルショーでの「BOLT」をモチーフにしたライフスタイルの提案、フィギュアスケーターの荒川静香さんをアンバサダーとして起用するなど、モーターサイクルの普及を目的とした多くの活動を続けている。

2輪車ユーザーの考え方も変わってきている
ヤマハが過去5年間に行ってきた取り組み
BOLTを中心に「ガレージのあるライフスタイル」を提案

 今回の55mphプロジェクトもその一環で、「21世紀に合うような形でモーターサイクルのあるライフスタイルを提案し、モーターサイクルの文化が日本にもっと定着するように」という願いを込めてスタートする施策だと松本氏は説明。高速道路の一般的な最高速より、ややゆっくりとした55mph(約80km/h)をイメージしたゆとり感とともに、モーターサイクル自体ではなく、モーターサイクルのある生活などを提案する形でさまざまな取り組みを行っていく。

 具体的には、アメリカンスタイルのBOLTをモチーフに“ガレージカルチャー”をテーマとしたライフスタイルを提案。人や文化が集うカフェという空間も取り込み、それらをWebやイベントなどで効果的に紹介する。「モーターサイクルでコンビニに来て、しゃがみこんで缶コーヒーを飲む光景は(若い人が見て)憧れにくいのではないか」と話し、「30分先にある景色のいい場所で落ち着ける手伝いを我々がしていきたい」と語った。

 55mphプロジェクトの1つ目の大きな活動として、「55mph Cafe」という名称のイベントを日本各地で定期的に開催することを発表。初回は7月12日に箱根大観山で開催し、ライディングギアを製造・販売する「クシタニ」とコラボレーション。BOLTのあるガレージを再現したキャラバン車を展示し、訪れたライダーに軽食などを提供する予定だ。また、8月9日には新東名高速道路にあるPA(パーキングエリア)の「NEOPASA清水」内でも、一般の人を対象として同様の活動を行うとのこと。9月以降は毎月第2土曜日に開催する予定としている。

7月12日に大観山、8月9日にNEOPASA清水でイベントを開催。ヤマハユーザーにはうれしいプレゼントも用意するとのこと

 こういったイベント以外に、モーターサイクル好きの有名人のライフスタイルや、イベントに訪れたライダーのおしゃれなファッションを取りあげるコンテンツも用意し、「55mph Friends(仮称)」というタイトルで紹介していく。さらに55mphプロジェクトのロゴをあしらったTシャツを販売することなどにより、同社の取り組みを広くアピールしていく方針だ。

BOLTのあるガレージを再現したキャラバン車
「55mph」ロゴをあしらった6種類のTシャツを披露。発表会で即席のファッションショーが行われ、集まった記者らの投票で選ばれた1種類が販売される見込み
投票の結果、「55mph」ロゴの周囲に交通標識が並ぶデザインに決定。ただし、事情によりデザインが変わる可能性もあるとのこと
イベントはライディングギアを扱う「クシタニ」とのコラボで開催
「55mph」ロゴが入ったクッキーやマグカップなどのグッズもイベントでお目見えする

(日沼諭史)