ニュース
トヨタ、12年ぶりにマイナーチェンジした新型「プロボックス」「サクシード」
CVTとVSCを全車に採用するなど、基本性能から細かな使い勝手まで大幅刷新
(2014/8/6 13:30)
トヨタ自動車は、コマーシャルバンの新型「プロボックス」「サクシード」を9月1日に発売する。価格はプロボックスが131万7600円~179万8691円、サクシードが143万7382円~179万8691円。
●プロボックス
グレード | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 |
---|---|---|---|---|
DX | 直列4気筒DOHC 1.3リッター | CVT | 2WD(FF) | 1,317,600円 |
直列4気筒DOHC 1.5リッター | 1,437,382円 | |||
4WD | 1,652,400円 | |||
DXコンフォート | 直列4気筒DOHC 1.3リッター | 2WD(FF) | 1,354,909円 | |
直列4気筒DOHC 1.5リッター | 1,473,709円 | |||
4WD | 1,688,727円 | |||
GL | 直列4気筒DOHC 1.3リッター | 2WD(FF) | 1,425,600円 | |
直列4気筒DOHC 1.5リッター | 1,545,382円 | |||
4WD | 1,760,400円 | |||
F | 直列4気筒DOHC 1.5リッター | 2WD(FF) | 1,583,673円 | |
4WD | 1,798,691円 |
●サクシード
グレード | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 |
---|---|---|---|---|
U | 直列4気筒DOHC 1.5リッター | CVT | 2WD(FF) | 1,437,382円 |
4WD | 1,652,400円 | |||
UL | 2WD(FF) | 1,473,709円 | ||
4WD | 1,688,727円 | |||
UL-X | 2WD(FF) | 1,545,382円 | ||
4WD | 1,760,400円 | |||
TX | 2WD(FF) | 1,583,673円 | ||
4WD | 1,798,691円 |
プロボックス/サクシードは2002年7月に発売されて以来、数多くの一部改良を重ねて商品性を高めてきたが、今回、12年目で初めてマイナーチェンジを実施して基本性能を大幅刷新した。
外観デザインではフロントマスクのイメージを大きく変更。ボックススタイルで個性を控えめにしてきた従来型から、多角形モチーフの新型ヘッドライト、八角形スタイルのフロントグリル&バンパー、ボンネット上に設定された凹型ラインなどによって力強くソリッドなキャラクターを構築。一方で、従来型の特徴となっていたバンパーコーナーに無塗装樹脂を配置する演出を継承している。このほか、リアバンパー、リアコンビネーションランプなどもデザイン変更を行った。ボディーカラーは新色の「ボルドーマイカメタリック」「ライトグリーンメタリック」の2色を追加した全6色となっている。
プラットフォームを刷新して新エンジンを搭載
上記の価格表でも紹介されているように、トランスミッションは従来の4速AT&5速MTから全車CVTに変更。エンジンでは従来からキャリーオーバーする直列4気筒DOHC 1.5リッターの1NZ-FEのほか、プロボックスの1.3リッターエンジンを2NZ-FEから1NR-FEにスイッチ。1NZ-FEは2WD(FF)搭載時に最高出力80kW(109PS)/6000rpm、最大トルク136Nm(13.9kgm)/4800rpmを、4WD搭載時に最高出力76kW(103PS)/6000rpm、最大トルク132Nm(13.5kgm)/4400rpmを発生。1NR-FEは最高出力70kW(95PS)/6000rpm、最大トルク121Nm(12.3kgm)/4000rpmを発生する。JC08モード燃費は1.5リッターの2WD(FF)が18.2km/L、同4WDが15.8km/L、1.3リッターが17.6km/L。全車がエコカー減税の軽減対象となっており、2WD(FF)は取得税80%軽減、重量税75%軽減、4WDは取得税60%軽減、重量税50%軽減となる。
プラットフォームではフロントのフロアパネルなどを現代的な設計に改め、4輪のサスペンション構造を最適化。車両全体の剛性を引き上げ、リヤタイヤの安定感を保つことで高速走行時の安定性、静粛性の向上などを実現している。また、純正装着タイヤのサイズも、165 R13LT-6PRから155/80 R14に拡大。直進性や操縦性を高めている。
これまでプロボックスとサクシードではボディーサイズが異なり、とくに全長はプロボックスの4195mmに対して、サクシードが4300mmと105mm長かったが、今回からサイズを統一。4245×1690×1525mm(全長×全幅×全高。4WD車の全高は1530mm)になり、全長は両モデルのおよそ中間ほどとなった。ホイールベースは変わらず2550mm。車両重量は2WD(FF)が1090kg、4WDが1170kgとなる。
このほかに走行関連のメカニズムでは、新たにVSC(ビークルスタビリティコントロール)とTRC(トラクションコントロール)を全車で標準装備化。滑りやすい路面での走行時や突発的な事象に対する回避行動でも、ブレーキやアクセルを制御して安定感を高めてくれる。また、上り坂で停止した状態から発進するときに、ブレーキペダルから足を離しても自動的にブレーキ油圧を2秒間保持して後退しないようサポートする「ヒルスタートアシストコントロール」も全車標準装備となった。このほか、後退時にバックカメラで捉えた映像をルームミラー内蔵のモニターに表示する「バックモニター内蔵自動防眩インナーミラー」を全車にメーカーオプション設定している。
プロボックス/サクシードでは従来から車内ユーティリティに定評があるが、車内で長時間を過ごすことも多いビジネスマンの意見をフィードバックしてインパネ形状などを大胆に変更。センター部分ではエアコンの3つのダイヤルを助手席側に縦2つとしたL字状のレイアウトに変え、運転席から手が届きやすい右側に「センタートレイ」を増設。1L紙パック飲料も収めるドリンクホルダーや照明を設定し、使い勝手を高めている。センタートレイ上方には携帯電話やスマートフォン、メモ帳などを保持できる「マルチホルダー」を追加した。また、象徴的な装備となっている「インパネテーブル」は設置場所を高め、サイズも横幅を80mm、奥行きを35mm拡大して使いやすさを一段と向上させている。このほか、各種収納スペースはユーザーの使用環境に合わせて細かく改良が施されている。
シートでは、長時間の運転で座り続けても疲れにくいよう、シート骨格や座面&シートバック形状を最適化した新型フロントシートを採用。腰から背中にかけてのフィット感を改善したほか、サイドサポート形状も見直して旋回時のホールド性もアップさせている。ヘッドレストは最上位グレードのF/TXが上下調整式、そのほかのグレードはヘッドレスト一体型となる。
リアシートはこれまで、サクシードとプロボックスCNGでシートバック一体可倒 クッション引き起こし式、そのほかのプロボックスでシートバック一体可倒式を採用していたが、装備内容を一本化。F/TXグレードでクッションサイズが大きいシートバック一体可倒 クッション引き起こし式、そのほかのグレードでユーティリティを重視したシートバック一体可倒式を装備している。