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トヨタ、12年ぶりにマイナーチェンジした新型「プロボックス」「サクシード」

CVTとVSCを全車に採用するなど、基本性能から細かな使い勝手まで大幅刷新

新型「プロボックス」
2014年9月1日発売

プロボックス:131万7600円~179万8691円

サクシード:143万7382円~179万8691円

 トヨタ自動車は、コマーシャルバンの新型「プロボックス」「サクシード」を9月1日に発売する。価格はプロボックスが131万7600円~179万8691円、サクシードが143万7382円~179万8691円。

プロボックス

グレードエンジン変速機駆動方式価格
DX直列4気筒DOHC 1.3リッターCVT2WD(FF)1,317,600円
直列4気筒DOHC 1.5リッター1,437,382円
4WD1,652,400円
DXコンフォート直列4気筒DOHC 1.3リッター2WD(FF)1,354,909円
直列4気筒DOHC 1.5リッター1,473,709円
4WD1,688,727円
GL直列4気筒DOHC 1.3リッター2WD(FF)1,425,600円
直列4気筒DOHC 1.5リッター1,545,382円
4WD1,760,400円
F直列4気筒DOHC 1.5リッター2WD(FF)1,583,673円
4WD1,798,691円

サクシード

グレードエンジン変速機駆動方式価格
U直列4気筒DOHC 1.5リッターCVT2WD(FF)1,437,382円
4WD1,652,400円
UL2WD(FF)1,473,709円
4WD1,688,727円
UL-X2WD(FF)1,545,382円
4WD1,760,400円
TX2WD(FF)1,583,673円
4WD1,798,691円
プロボックス F
サクシード UL
サクシード UL-X

 プロボックス/サクシードは2002年7月に発売されて以来、数多くの一部改良を重ねて商品性を高めてきたが、今回、12年目で初めてマイナーチェンジを実施して基本性能を大幅刷新した。

 外観デザインではフロントマスクのイメージを大きく変更。ボックススタイルで個性を控えめにしてきた従来型から、多角形モチーフの新型ヘッドライト、八角形スタイルのフロントグリル&バンパー、ボンネット上に設定された凹型ラインなどによって力強くソリッドなキャラクターを構築。一方で、従来型の特徴となっていたバンパーコーナーに無塗装樹脂を配置する演出を継承している。このほか、リアバンパー、リアコンビネーションランプなどもデザイン変更を行った。ボディーカラーは新色の「ボルドーマイカメタリック」「ライトグリーンメタリック」の2色を追加した全6色となっている。

大型化したヘッドライトで親しみやすさと元気のよさを主張。トヨタのコーポレートマークはグリル内からボンネットフードに移動している
デザイン変更と合わせてボンネット、カウル、フェンダー、バンパーに衝撃吸収構造を採用した
新色の「ボルドーマイカメタリック」
新色の「ライトグリーンメタリック」
「ダークブルーマイカメタリック」
「ホワイト」
「シルバーマイカメタリック」
「ブラックマイカ」

プラットフォームを刷新して新エンジンを搭載

 上記の価格表でも紹介されているように、トランスミッションは従来の4速AT&5速MTから全車CVTに変更。エンジンでは従来からキャリーオーバーする直列4気筒DOHC 1.5リッターの1NZ-FEのほか、プロボックスの1.3リッターエンジンを2NZ-FEから1NR-FEにスイッチ。1NZ-FEは2WD(FF)搭載時に最高出力80kW(109PS)/6000rpm、最大トルク136Nm(13.9kgm)/4800rpmを、4WD搭載時に最高出力76kW(103PS)/6000rpm、最大トルク132Nm(13.5kgm)/4400rpmを発生。1NR-FEは最高出力70kW(95PS)/6000rpm、最大トルク121Nm(12.3kgm)/4000rpmを発生する。JC08モード燃費は1.5リッターの2WD(FF)が18.2km/L、同4WDが15.8km/L、1.3リッターが17.6km/L。全車がエコカー減税の軽減対象となっており、2WD(FF)は取得税80%軽減、重量税75%軽減、4WDは取得税60%軽減、重量税50%軽減となる。

 プラットフォームではフロントのフロアパネルなどを現代的な設計に改め、4輪のサスペンション構造を最適化。車両全体の剛性を引き上げ、リヤタイヤの安定感を保つことで高速走行時の安定性、静粛性の向上などを実現している。また、純正装着タイヤのサイズも、165 R13LT-6PRから155/80 R14に拡大。直進性や操縦性を高めている。

 これまでプロボックスとサクシードではボディーサイズが異なり、とくに全長はプロボックスの4195mmに対して、サクシードが4300mmと105mm長かったが、今回からサイズを統一。4245×1690×1525mm(全長×全幅×全高。4WD車の全高は1530mm)になり、全長は両モデルのおよそ中間ほどとなった。ホイールベースは変わらず2550mm。車両重量は2WD(FF)が1090kg、4WDが1170kgとなる。

 このほかに走行関連のメカニズムでは、新たにVSC(ビークルスタビリティコントロール)とTRC(トラクションコントロール)を全車で標準装備化。滑りやすい路面での走行時や突発的な事象に対する回避行動でも、ブレーキやアクセルを制御して安定感を高めてくれる。また、上り坂で停止した状態から発進するときに、ブレーキペダルから足を離しても自動的にブレーキ油圧を2秒間保持して後退しないようサポートする「ヒルスタートアシストコントロール」も全車標準装備となった。このほか、後退時にバックカメラで捉えた映像をルームミラー内蔵のモニターに表示する「バックモニター内蔵自動防眩インナーミラー」を全車にメーカーオプション設定している。

刷新したプラットフォームが長距離の運転でも疲れにくい快適性と安定感を実現する
1NZ-FEエンジン搭載の2WD(FF)車はJC08モード燃費を16.2km/Lから18.2km/Lに向上
前後サスペンションの構造を変更。サスペンション形式は変わらずフロントがストラット式、リアがトレーリングリンク車軸式を採用する
最上位グレードのF/TXは樹脂フルキャップ付きのブラック塗装スチールホイール(左)、そのほかのグレードではセンターキャップを備えるシルバー塗装スチールホイール(右)を採用。タイヤサイズは全車155/80 R14

 プロボックス/サクシードでは従来から車内ユーティリティに定評があるが、車内で長時間を過ごすことも多いビジネスマンの意見をフィードバックしてインパネ形状などを大胆に変更。センター部分ではエアコンの3つのダイヤルを助手席側に縦2つとしたL字状のレイアウトに変え、運転席から手が届きやすい右側に「センタートレイ」を増設。1L紙パック飲料も収めるドリンクホルダーや照明を設定し、使い勝手を高めている。センタートレイ上方には携帯電話やスマートフォン、メモ帳などを保持できる「マルチホルダー」を追加した。また、象徴的な装備となっている「インパネテーブル」は設置場所を高め、サイズも横幅を80mm、奥行きを35mm拡大して使いやすさを一段と向上させている。このほか、各種収納スペースはユーザーの使用環境に合わせて細かく改良が施されている。

プロボックス Fのインパネ。ゲート式シフトレバーの一部がシルバー塗装となり、ステアリングのトヨタマークやエアコンの操作ダイヤルベゼルなどがメタル調になる
プロボックス DXのインパネ。AUX端子付きのAM/FMラジオ+3スピーカーを標準装備
インパネの収納スペースをフル活用した状態のイメージ
センタートレイは上ぶたを閉じた状態で小物置き場(左)、上ぶたを開けるとペットボトルホルダー(中央)、中ぶたまで開けると1L紙パック飲料が置けるスペース(右)と、3パターンの使い分けができる
マルチホルダーはアジャスター付きで、固定したままでもスマホをある程度操作できるほか、下側の空間からケーブルを通して充電したり、純正ラジオのAUX端子に接続することも可能。マルチホルダーのすぐ下にアクセサリーソケットを配置し、オプションでAC100V 100Wアクセサリーソケットを増設できる
スライド格納式のインパネテーブルはパソコンを置いて作業したり、お弁当箱を置くスペースなどにも活用できる。設置場所を高めて使い勝手を向上させた
インパネテーブルの下にA4バインダーなどを差し込んでおけるインパネトレイを新設。走行中に滑り落ちないようゴム製のストッパーも設置している
ビジネスバッグなどを縦置きできるセンターコンソール。パーキングブレーキはサイドブレーキから足踏み式に変更された
エアコンの風が利用できる運転席カップホルダー
座り心地を改善した新型フロントシートを採用

 シートでは、長時間の運転で座り続けても疲れにくいよう、シート骨格や座面&シートバック形状を最適化した新型フロントシートを採用。腰から背中にかけてのフィット感を改善したほか、サイドサポート形状も見直して旋回時のホールド性もアップさせている。ヘッドレストは最上位グレードのF/TXが上下調整式、そのほかのグレードはヘッドレスト一体型となる。

 リアシートはこれまで、サクシードとプロボックスCNGでシートバック一体可倒 クッション引き起こし式、そのほかのプロボックスでシートバック一体可倒式を採用していたが、装備内容を一本化。F/TXグレードでクッションサイズが大きいシートバック一体可倒 クッション引き起こし式、そのほかのグレードでユーティリティを重視したシートバック一体可倒式を装備している。

プロボックス Fのリアシートは、先に座面を前方に引き起こし、空いたスペースにシートバックを倒すシートバック一体可倒 クッション引き起こし式を採用。ヘッドレストを備え、クッションに厚みを持たせられるのでリアシートの座り心地は良好。その半面、格納時には引き起こした座面の分だけ荷室容量がスポイルされる
プロボックス DXは座面、シートバックともに薄型のシートバック一体可倒式リアシート。簡単な操作でフラットなラゲッジスペースが生み出せる
プロボックスの車名ロゴ
サクシードの車名ロゴ

(編集部:佐久間 秀)