【WEC 第6戦 富士】決勝2時間経過、トップはアウディ7号車

　富士スピードウェイで10月11日、「FIA 世界耐久選手権 富士 6時間耐久レース」の決勝レースがスタート。天候は朝からあいにくの雨。その影響でスタートこそセーフティカー先導で始まったが、14周のSCカー先導後に、レースはスタートが切られた。

　2時間経過後（66周）の順位で全体のトップは、7号車アウディR18 e-トロン クワトロ（マルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ組）、2位が18号車 ポルシェ 919 ハイブリッド（ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ組）、3位は17号車 ポルシェ 919 ハイブリッド（ティモ・ベルンハルト/マーク・ウェバー/ブレンドン・ハートレー組）。

夜半より降り続いた雨で、セーフティカー先導でスタート、スタートでアウディが飛び出す

ポルシェのフロントローでスタート

　決勝日となった10月11日は、前日の夜半より降り始めた雨で路面は完全にウェット。レースが始まる前には徐々にやんできているものの、まだ降り続いている状況でレースが始まることになった。このため、レースはセーフティーカー先導で開始され、天候が改善されてからスタートが切られることになった。天候は一時的に雨が徐々に強くなり、ストレートを走っているとかなり水煙があがる状況で、ドライバーからの無線でも前が見えないからレースをスタートするのは危ないというフィードバックがあり、しばらくの間セーフティカー先導での周回が続くことになった。その後徐々に雨が弱くなったところを見計らって、16周目の終わりにレースのスタートが切られることになった。

2週目にトップで帰ってきたのはアウディ7号車

　スタートで飛び出したのは、予選3位からスタートした7号車 アウディR18 e-トロン クワトロ。ポールと2位からスタートしたポルシェ勢が濡れた路面に対処できず、17号車が100Rで飛び出すなど、序盤はずるずると順位を落としていく結果に。順位が落ち着くと、2台のアウディ、2台のトヨタ、2台のポルシェという順になっており、予選の時とは全く異なる展開を見せることになった。

中嶋一貴がドライブする1号車 トヨタ TS040 ハイブリッド

　序盤に非常に盛り上がったのは、中嶋一貴がドライブする1号車 トヨタ TS040 ハイブリッドが、2台のポルシェと見せた熱いバトルだ。1号車は、車のポテンシャルとしては、ポルシェ2台に全く歯が立たない状況で、ストレートで軽々と抜かれてしまう状況。そんな中でも中嶋一貴は意地を見せ、ストレート終わりの1コーナーまでで抜かれても、1コーナーのブレーキングで差を詰め、コカコーラコーナーまでにインに入って再びオーバーテイクを見せると、地元ヒーローの頑張りに詰めかけたファンからは大きな拍手が巻き起こった。

7号車アウディがリードするが、2台のポルシェが追いかける展開

　レースのスタートから1時間以上が過ぎた40周目前後から各車ピットインを開始した。このピットインで大きく前との差を縮めたのが、2台のポルシェ勢。ピットに入る前は15秒差の2位につけていた18号車 ポルシェ 919 ハイブリッドは、ピットが終わってみると7秒差まで詰めており、インラップ、アウトラップを含めてのピットにかかっている時間が他のチームに比べて短いことが明らかになった。ポルシェ勢は給油のシステムに何らかの工夫があるようで、給油にかかる時間が他チームに比べて短いことが大きなアドバンテージになっている。

　2時間経過後のそのほかのクラス、ノンハブリッド「LMP1」クラスのトップは12号車 レベリオン R-One・AER（ニコラ・プロスト/マシアス・ベシェ組）、「LMP2」クラスは36号車 シグナテックA450B・ニッサン（ネルソン・パンチアティシ/ポール-ループ・シャタン/ヴィンセント・キャピレー組）、「GTE PRO」クラスは91号車 ポルシェ 911 RSR（リヒャルト・リエツ マイケル・クリステンセン ）、「GTE AM」クラスは 96号車 アストンマーチン ヴァンテージ V8（フランチェスコ・カスタネッリ/リアム・グリフィン/スチュワート・ホール組）となっている。

　レースは6時間終了時の午後5時にチェッカーを迎える予定になっており、引き続き激しいレースが展開されることになりそうだ。

2時間時点での順位