ニュース

独ポルシェ、EVスポーツカー「ミッションE」を2020年末までに市販化

約10億ユーロの投資で600PS以上、0-100km/h加速3.5秒以内という新世代EVスポーツカーを実現

2015年12月4日(現地時間)発表

 独ポルシェAGは12月4日(現地時間)、9月に開催されたフランクフルト国際モーターショーで世界初公開した4シーターEV(電気自動車)スポーツカー「ミッションE」のプロジェクトを推進し、2020年末までに発売する予定であると発表した。

 4つの独立したシートを備えるボディに合計600PS以上を発生させる永久磁石同期モーター(PMSM)2個を搭載するミッションEは、0-100km/h加速3.5秒以内、0-200km/h加速12秒以内という動力性能を発揮し、航続距離は500km以上とアナウンス。リチウムイオンバッテリーを車両アンダーフロアの前後アクスル間に配置することで前後均一な重量バランスと低重心化を実現。アルミニウム、スチール、カーボンファイバー強化樹脂などで構成するボディ、フロント21インチ、リア22インチのカーボン製ホイールとワイドタイヤの組み合わせなどにより、優れたドライビングダイナミクスを生み出す。

 充電システムには、現代のEVが急速充電として使用する400Vに対して電圧を2倍に高めた「ポルシェ・ターボ・チャージング」を採用。搭載するリチウムイオンバッテリーを約15分で容量の約80%まで充電可能となる。

4シーターEVスポーツカー「ミッションE」

 このプロジェクトに向け、ポルシェAGはシュトゥットガルトの本社工場付近だけでも約7億ユーロの投資を行い、1000人以上の追加雇用を実施。現行のエンジン工場は電気モーター生産のために拡張され、稼働中のボディ工場も拡大。今後数年で新しい塗装工場と組立工場を建設するという。さらにヴァイザッハにあるR&Dセンターなど別の地域でも投資を行ない、合計で約10億ユーロ規模になる。

 この発表のなかで、ポルシェAG 取締役会社長のDr.オリバー・ブルーメ氏は「我々は電気モビリティに対して堅い決意のもと挑戦します。完全な電気自動車スポーツカーの分野においてもポルシェの哲学は揺らぐことなく、顧客に対してマーケットの中で最もスポーティで技術的に洗練されたモデルを提供していきます」とのコメントを発表している。

(編集部:佐久間 秀)