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富士スピードウェイ、50周年記念企画発表会&地域謝恩会を実施

2017年3月12日に50周年ファン感謝祭「Fuji Wonderland Fes!」開催

2016年3月5日 開催

富士スピードウェイは2016年で開業50周年を迎える。これに合わせて製作された「50周年ロゴマーク」を紹介する富士スピードウェイの原口英二郎社長

 富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)は3月5日、50周年記念企画発表会&地域謝恩会を開催した。

 このイベントは1966年に富士スピードウェイが営業を開始して以来、この2016年で50周年を迎えることを記念して開催されたもの。

ピットには往年のレースカーが展示されていた
プリンスR380(A-I型)
トヨタ7
ミノルタ トヨタ90C-V
片山右京選手が駆ったF3000マシンのCABIN T90-50 DFV
ヤマハ YZR500(OW81)
レイトンハウス トリイサニー(レプリカ)
レイトンマーチ89GC
会場に飾られていた富士グランドチャンピオンレースのトロフィー
1969年に開催された第2回日本Can-AM優勝トロフィー
1969年に開催されたワールドチャレンジカップ 富士200マイルレースの優勝トロフィー
非常に美しい状態で展示されていた過去の公式プログラム
富士スピードウェイの歴史を展示するパネル
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
1974年まで使われていた30度バンクありのフルコース。全長は約6km
1983年まで使われていた約4.3kmのコース
Aコーナー、Bコーナーが設けられたコース。2003年まで使用
改修された現在のコース
50周年ロゴマーク
50周年記念企画発表会には多くの「ゴールドスタードライバー」が列席。富士スピードウェイで開催されるNISMOフェスティバルでもお馴染みの砂子義一氏も姿を見せた
富士スピードウェイ株式会社 代表取締役社長 原口英二郎氏

 壇上に立った富士スピードウェイ 代表取締役社長の原口英二郎氏は「富士スピードウェイは日本を代表する国際サーキットとして、多くの皆様にご利用いただきながら、歴史に残る素晴らしいレースやイベントを数多く開催させていただきました。長い月日のなかではアクシデントや自然災害など困難も経験して参りましたが、地域行政の皆様や地権者様、レース関係の皆様のご協力とご助言により50年の歴史を刻むことが出来ました」と前置き。50年の歩みを振り返った。

 富士スピードウェイのスタートは、1963年に設立された「日本ナスカー株式会社」にさかのぼる。“スピードウェイ”の名称は当初、オーバルコースを建設する計画であったことから、アメリカ式レース場の名称が付けられたわけだ。1965年には「富士スピードウェイ株式会社」に名称を変更。レーシングコースは世界的に著名なドライバーであるスターリング・モス氏のアドバイスを参考に設計変更され、30度のバンクと1.5km以上のホームストレートを有するハイスピードコースとして同年12月に完成。翌1966年3月12日〜13日に「第7回全日本モーターサイクルクラブマンレース」、3月26日〜27日に4輪最初のレース「第4回クラブマンレース富士大会」が行なわれ、5月に開催された「第3回日本グランプリ」には9万5000人もの観客が訪れた。「交通事情のわるかった当時、最後のお客様がレース場を後にされたのは夜中の12時近かったと記録されております」と原口氏は解説。

 その後も日本グランプリをはじめ、オリジナルレースの「富士グランチャンピオンシリーズ」や、F1日本グランプリ、富士1000kmレースなど、時代を象徴する華やかなレースを開催。しかし、一方ではレースにおいて大きなアクシデントが起こり、レースの中止やコースレイアウトの変更などが発生。また、1980年代前半にはレースの危険性や暴走族問題などから廃止、転用が発表される事態にまで発展してしまう。だが、「モータースポーツ関係者様や地権者団体様によるお力添えとレースファンの支えにより、富士スピードウェイはこの危機を乗り越えることが出来ました」と原口氏。

 1980年代後半から1990年代にはWECジャパンやインターTEC、インターナショナルF3リーグ、2輪ロードレースのスーパースプリントといった国際格式のレースを数多く開催。さらに1999年には富士スピードウェイの35周年を記念したル・マン富士1000kmレースも実施されるなど、サーキットは華やかさを取り戻す。

 2000年代にはトヨタ自動車が資本参加して全面リニューアルが決定。1年半にわたる改修工事を経て完成した新しい富士スピードウェイには「モータースポーツの振興」「安全運転の普及推進」「若者への情報発信基地」という3つのテーマが掲げられた。

 原口氏は「リニューアルオープン後は再びF1グランプリを開催するなど、グローバルサーキットとして新しい富士スピードウェイを世界に発信して参りました。近年は世界耐久選手権(WEC)を頂点に、人気のSUPER GT、スーパーフォーミュラなど、さまざまなレース、イベントを行ないたくさんのお客様にご来場いただいております。こうして振り返りますと、国際サーキットとして人々の記憶に残る幾多の華やかなレースを開催できた半面、多くの困難にも見舞われました。いつの時代も多くの支援者に支えられて50年を歩んでくることができたと改めて感じています」と謝意を表した。

初期のサーキット建設案。オーバルコースだった
建設されたコースにオーバルコースを加えたような案もあったようだ
建設中の様子
国内屈指のスピードコースとして誕生
最初に行なわれた第7回全日本モーターサイクルクラブマンレース
数多くのレースを開催
30度バンク
廃止の危機を迎えた時期もあった
関係者や地権者団体による存続活動
国際格式のレースを数多く開催
2005年にリニューアル
リニューアル後に掲げられた3つのテーマ
WECを頂点に多くのレースを実施

 富士スピードウェイの魅力については「FIA公認の世界最高水準のサーキット施設」であるとともに、「東京から100km圏内と恵まれたロケーション」によるアクセスのよさを挙げた。2020年に新東名高速道路が全面開通することを受け、「スマートインターチェンジが設置予定で、アクセスがさらによくなる」と、さらなる集客に期待を寄せた。

 レース面では「世界選手権シリーズをはじめ耐久レースに力を入れている」とし、「耐久レースは50年の歴史のなかで数々の名勝負を生み出している。これからも“耐久レースの富士”を訴求していく」とした。

富士スピードウェイの魅力と大切にしていること
アクセスのよさが魅力の1つ。2月に開通した新東名高速道路 浜松いなさJCT(ジャンクション)〜豊田東JCTにより名古屋方面からのアクセス性はさらに向上(このスライドでは反映されていない)
“耐久レースの富士”を訴求
地域主催のマラソン大会や花火大会など、地域交流も活発

 だが、その一方で5月に開催されているSUPER GTでは、来場者が「男性」「40代以上」が大部分を占めており、若年層の来場者が少ないと分析。「若者のクルマ離れ、モータースポーツ離れが進んでいる」ことから、もっと幅広い人に来場してもらう必要があると説明。「ガズーレーシングフェスティバル」のように女性と若年層比率が高いイベントもあり、こうした来場者をレース観戦につなげていくことが課題であるとした。

 また、「クルマを自由に操り、楽しんでいただける場所はサーキットを置いてほかにない。これからのサーキットは非日常を感じるあこがれの場所であると同時に、気軽に来場してクルマで遊んでいただけるための工夫や仕組み作りがいっそう求められる」と、今後の方向性についても言及。

 こうした点をふまえ、2015年から女性目線を意識した設備追加を実施しているという。具体的にはパウダールーム、授乳室、ファミリートイレ、分煙のための喫煙室を追加したほか、3月末までにはトイレに温水洗浄装置の設置が完了する予定。グランドスタンドもこの冬から改修に着手しており、床面の化粧直しと耐震性向上のほか、スタンド1階上部に車イス専用観戦エリア、グループシートを新設するなど、「すべてのお客様に快適な観戦環境を提供する」と意欲を見せた。

 こうした取り組みは来場者向けだけではなく、レーシングコースでも行なわれている。安全性の向上を目的にコース監視カメラのデジタルハイビジョン化をはじめ、管制室の移設拡大など、大成建設とパナソニックの協力により管制設備の大幅なレベルアップを実現。日本国内のサーキットで初めて最新の4Kカメラを4台追加導入するなど、広角での撮影による監視レベルの向上&映像解析による公平公正なレース運営が可能になるという。「今後も利用くださるお客様の目線を大切にしながら施設改善を行ない、富士スピードウェイの魅力を向上していきたい」と述べた。

 最後に原口氏は「これまで富士スピードウェイを支えてくださいました皆様に改めて御礼を申し上げますとともに、次の50年、その先の50年へとお客様の笑顔を大切にしながら、モータースポーツと自動車文化のバトンをつないでいくべく邁進して参りますので、今後とも変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りたくお願い申し上げます」と締めくくった。

今後に向けての課題
観客のほとんどを男性&40代以上が占める
ガズーレーシングフェスティバルのようなファミリー層に人気のイベントも
ファミリー層も楽しめるイベントを開催
これからの取り組みでは、気軽に来場してクルマで遊んでもらうための工夫や仕組み作りが求められるとする
取り組み事例
2015年はパウダールーム、授乳室、ファミリートイレ、喫煙室を新設
グランドスタンドに車イス専用観戦エリア、グループシートを新設
管制システムをリニューアル

2016年4月から2017年3月にかけて50周年記念行事を開催

 続いて、開業50周年を記念した特別企画の概要が発表された。

50周年特別企画
50周年ロゴマークを作成

 公式プログラムなどに「50周年ロゴマーク」を入れてPRを行なう。

50周年ロゴマーク
記念誌「富士スピードウェイ50年のあゆみ、夢と情熱そして未来へ」発行

 原口氏曰く「読んでも見ても懐かしく面白い本、そんな願いを込めて製作した」という1冊が記念誌の「富士スピードウェイ50年のあゆみ、夢と情熱そして未来へ」。200ページ以上のボリュームと初期のレース写真など貴重な資料が満載。1966年から2015年のレース優勝者総覧が別冊として付属する。場内で一般向けにも販売予定。

富士スピードウェイ50周年記念誌を発行
レストラン「ORIZURU」内に「50周年記念ブースを設置」

 歴史を彩った名車たちのミニチュアモデルのほか、実車の展示も行なう。

レストラン「ORIZURU」
ミニチュアモデルの展示
大会トロフィーや公式プログラムなども展示
往年のレーシングカーも展示
50周年記念商品の販売

 これまで商品化されてこなかったモデルのなかから、厳選した1/43のミニカーを販売。価格は各1万5000円。

・第3回日本グランプリセット「1966 プリンスR380 #11 砂子義一選手」「1966 ポルシェ906 #6 滝進太郎選手」
・トヨタセット「1973 セリカLBターボ #1 高橋晴邦選手/見崎清志選手」「1986 トヨタトムス86C #36T 中嶋悟選手/ジェフ・リース選手/関谷正徳選手」
・富士スペシャルセット「1976 コジマKE007 #51 長谷見昌弘選手」「1978 NOVA53S #19 星野一義選手」
・グラチャンファイナルセット「1989 LEYTON HOUSE 89S #16 関谷正徳選手」「1989 トレド246トリイサニー #16 影山正彦選手」

歴代レーシングカーの1/43ミニカーを販売

 また、2005年以前に使われていた愛称「FISCO」のデザインを復刻した各種グッズを販売する。ラインアップはピンバッジやタオル、Tシャツ、ステッカーなどで、2017年3月までの期間限定で販売予定。

懐かしいFISCOロゴ
ロゴ入グッズを期間限定販売
主要レースにおける「50周年特別賞」の贈呈

 SUPER GT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久の富士大会は、50周年記念大会として優勝者に特別賞を贈呈する。また、アマチュア向けレースの富士チャンピオンレースの年間シリーズチャンピオンにも特別賞が用意される。

SUPER GTなど各レースの優勝者に特別賞を贈呈
来場者へのプレゼント

 SUPER GT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久の富士大会において、抽選で50名に次のレースのパドックパスをプレゼントする。

次戦のパドックパスをプレゼント
記念冊子の無料配布

 過去50年を10年単位で簡単に振り返ることができる冊子を全5刊発行する。

記念冊子を無料配布
富士スピードウェイ50周年ファン感謝祭「Fuji Wonderland Fes!」を2017年3月12日に開催

 富士スピードウェイで初めてレース大会が開催された記念の日にファン感謝イベントを開催。「富士スピードウェイの歴史を振り返りながら未来のモータースポーツを考える、そんなイベントを目指している」とのことで、詳細に関しては現在企画中とのこと。

富士スピードウェイ50周年ファン感謝祭「Fuji Wonderland Fes!」
ゴールドスタードライバーズクラブのメンバーにも参加を要請

西ゲート前にモータースポーツ顕彰碑を建設

特定非営利法人 モータースポーツ推進機構 理事長 日置和夫氏

 続いて日本モータースポーツ推進機構の理事長を務める日置和夫氏が登壇。「日本モータースポーツ顕彰碑」の建設が発表された。この顕彰碑は日本のモータースポーツに携わってきた先人の努力や業績を称えるとともに、それを育んできた多くの人の存在を忘れることなく、さらなる日本のモータースポーツの隆盛を願って建設されるもの。日置氏は「モータースポーツにずっと携わってきた方々にとっては青春時代の熱き想いを語る場として、これからを担う皆様方には歴史を感じ取っていただいて日本の文化として継続して伝えていただきたい」とコメントした。

 建設場所は富士スピードウェイ 西ゲート外側で、入場することなくアクセスが可能となっている。5月に着工して、7月末の完成を予定している。

 また、日本モータースポーツ推進機構では4月17日〜18日にお台場において「モータースポーツジャパン 2016 フェスティバル イン お台場」の開催を予定している。今年で11回目を迎えるイベントで入場は無料。

多彩なゲストが登場した地域謝恩会

トヨタ自動車株式会社 取締役専務役員 早川茂氏

 50周年記念企画の発表会に続いて、地域謝恩会も開催された。トヨタ自動車 取締役専務役員 早川茂氏による乾杯の音頭による開式後、地元2市1町および地権者代表による祝辞が述べられた。

 2市1町を代表して壇上に上った小山町長の込山正秀氏は、自身がかつてオフィシャルとしてアルバイトをしていたとの逸話を披露。ポストでフラッグを振っていた青年が歳月を経て町長を務める。そんな物語的なストーリーが現実にあるのも、地元に密着してきた富士スピードウェイならではと言えそうだ。地元地権者の代表となる富士北山開発協議会 会長の田代紀明氏は「新東名高速道路の開通によるスマートインターチェンジや企業団地の開発など、霊峰富士のもと、世界に誇れるレース場として発展することを期待しております」と語り、富士スピードウェイのさらなる発展を祈った。

祝辞は、小山町長 込山正秀氏、裾野市副市長 江藤建夫氏、御殿場市長 若林洋平氏、地権者代表の富士北山開発協議会 会長 田代紀明氏が列席
小山町長 込山正秀氏
富士北山開発協議会 会長 田代紀明氏
謝恩会には富士スピードウェイを模したちらし寿司が登場。コースは海苔巻きで表現
ゴールドスタードライバーズクラブ
クレインズの11期メンバー
トークショーにはゴールドスタードライバーとチェカレンジャーが登場

 ゴールドスタードライバーズクラブと2016年のイメージガール「クレインズ」の紹介を経て、関谷正徳氏、寺田陽次郎氏、舘信秀氏の3名によるトークショーも実施。また、選手として富士スピードウェイでレースを戦う一方、イメージキャラクター「チェカレンジャー」も務めている松田次生選手、平手晃平選手、ロニー・クインタレッリ選手も参加して、富士スピードウェイの魅力を語った。

クレインズのサーキットデビューは、5月3日〜4日に開催となる「2016 AUTOBACS SUPER GT Round 2 富士GT500kmレース」
湯浅あきなさん
はるまさん
村井瑞稀さん
右腕側に50周年ロゴマーク
左腕側にクレインズのロゴ
舘信秀氏は「(オープン前の)工事中に金網を壊して走った」とカミングアウト
「ロータリーエンジンの耐久テストをした思い出のサーキット」と寺田陽次郎氏
「砂子さんが優勝したレースを見て感動。数年後に自分がレーサーになるとは思わなかった」と関谷正徳氏
チェカレンジャーを務める3人
松田次生選手「GTやインタープロトで面白いレースをしたい」
ロニー・クインタレッリ選手「日本の初レースなどたくさんのいい思い出がある」
平手晃平選手「クルマの楽しさをたくさん伝えていきたい」

(安田 剛)