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トヨタ、約205億円を投資したインドネシア新工場でエンジン生産を開始
「手元溶解」「無機砂中子」などの新生産技術で主要工程を1つのエンジン工場に集約
(2016/3/7 19:14)
- 2016年3月7日 発表
トヨタ自動車は3月7日、インドネシアにおける車両生産会社「PT. Toyota Motor Manufacturing Indonesia(TMMIN)」が新エンジン工場を建設し、2月に生産を開始したと発表した。
この新しい工場は、インドネシアの西ジャワ州カラワン市にある完成車工場の第1工場、第2工場に続くエンジン工場となり、1.3リッターと1.5リッターのNR型エンジンを生産。生産能力は21万6000基/年とする。投資額は約2兆3000億ルピア(1円=112インドネシアルピア換算で約205億円)で、約400人の新規雇用を創出する。
新工場では、鋳造で使用する中子の砂に有機物ではなく無機物を添加することで、中子の造形性を高めつつヤニや臭気を抑制して大型の集塵機、脱臭機を不要とした「無機砂中子」、大型部品の鋳造で必要とされる大量の溶湯(溶解させた金属)を、熱源の改良などで溶解炉を小型化し、鋳造機と溶解炉を直結して供給する「手元溶解」といったトヨタの海外工場では初となる革新的生産技術を導入することで、トヨタとして初めてエンジン工場の「鋳造」「機械加工」「組み付け」といった主要工程を1つの建屋に集約。工場設備の初期投資を2008年比で約40%低減したほか、中間在庫を持たないエンジン生産体制を実現し、「コンパクトで需要変動に強い工場」としている。
3月7日(現地時間)に現地で行なわれた開所式に出席したトヨタ自動車 専務役員の嵯峨宏英氏は「画期的な生産技術が導入された、新エンジン工場の開所に立ち会えたことを、嬉しく思う。トヨタは、TMMINを、車両のみならずエンジンの生産・供給拠点としても位置付けており、自動車事業を通じて、インドネシアの更なる発展に貢献していきたい」と挨拶している。