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NISMO新社長 片桐隆夫氏 記者会見

2016年5月4日 富士スピードウェイ

ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社 代表取締役社長 兼 CEOに就任した片桐隆夫氏。株式会社オーテックジャパン 代表取締役社長 兼 CEO、日産自動車株式会社 ニスモビジネス ヘッドも兼任する

 5月4日、「2016 AUTOBACS SUPER GT Round 2 富士GT500km レース」開催中の富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山市)にて、本年4月1日よりNISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)の代表取締役社長 兼 CEOに就任した片桐隆夫氏の記者会見が行なわれた。

 会見の冒頭、自身の略歴を述べた片桐社長は、その経歴の中で営業やマーケティング畑を歩んできた日産在籍時の約9年半に渡る欧州駐在の経験に触れ、欧州ではモータースポーツがマーケティングや一般のユーザーに浸透していることを痛感したと語り、中でもドイツ時代のDTMやWRCの盛り上がりと、それが自動車ビジネスに貢献している姿を目の当たりにしたと語った。

 NISMO、オーテックジャパン、日産自動車でやりたいことは沢山あるが、まず今年度はとくに力を入れているSUPER GTや世界各国で戦うFIA-GT3での活動を継続し、SUPER GT GT500の3連覇、FIA-GT3においては世界中に「ここにGT-Rあり」と言われるような成績を残していくこと、そしてそれと同時にパフォーマンスブランドを持つことによりクルマのイメージアップに成功している多くの欧州メーカーのように、NISMOを日産の中のパフォーマンスブランドとして世界的にも確立していきたいと抱負を述べた。

 国内販売ではすでに存在するNISMOバージョンのクルマについても、現状では1車種1車種苦労しながらゲリラ的に出しているという内情を語り、それをもっとシステマチックにし、日産のパフォーマンスカーとしてのNISMOバージョンが常に発売され、国内のみならず世界的に発信できるようにしたいと語った。

 また、「そのための柱としてNISMOは強くならなければならないと考えている。レースの結果を出し続けることが大事だ」と語り、次のモータースポーツ活動の準備計画を検討し始めていると明かした。なお現段階では聖域を設けず広い視野を持って検討するが、具体的に決まっていることはないそうだ。それが実現した時NISMOブランドに貢献し、そういう中から生まれたクルマをユーザーが購入できるというサイクルを作りたいとのことだ。

 会見後半で片桐氏は次のように述べた。「日産のファンのお客さまはモータースポーツ活動、そしてNISMOに対し期待が高いと感じていますので、その期待に応えるためにもNISMOブランドの拡大、そしてその根幹となるモータースポーツでの成績を日本のみならず世界で出し続ける事を実現したいと思っております。これからも強いNISMO、そして日産に貢献するブランドとなるよう頑張っていきたいと思っておりますので今後ともよろしく御願いいたします」。

 なお、片桐氏は自身も学生時代に自動車部に在籍し、国内ローカルラリー、英国内のローカルラリーの経験もあり、英国のジムラッセルレーシングスクールも修了していて、会見終了間際には実はラリーが好きだともらしていた。ちなみに現在の愛車は「フーガ ハイブリッド」と「パルサー GTI-R」。

(高橋 学)