ツインリンクもてぎ主催の「チャレンジ ツイン バトル」体験リポート
ホンダ車の歴史を振り返る「所蔵展」見学や“超高級”麻婆豆腐も

チャレンジ ツイン バトルの会場は南特設コース。コース上のパイロンの間を、指定されたとおりに走行してゴールを目指す

2009年7月6日(メディア向け体験会)
2009年7月15日(一般受付開始)
2009年8月16日(一般向け大会開催)



 7月6日、栃木県芳賀郡茂木町にあるツインリンクもてぎで、ジムカーナイベント「チャレンジ ツイン バトル」のメディア体験会が行われた。同イベントは、モータースポーツを体験したことがない初心者が気軽に参加して楽しめるというもの。7月15日より参加者を募集し、本番開催は8月16日。本番に先立ちメディア向けの体験会が実施されたので、その模様をお伝えするとともに、あわせて行われたホンダ車の歴史を振り返る「所蔵展」の見学会、「フォーカスミジェットカー」のデモ走行および体験会、一皿3万円(!)の「頂上陳麻婆豆腐」試食会にも参加してきたので、順を追って紹介する。

筆者はマツダ「アテンザ」で出場。車検に通る車であれば、どんな車でもこの競技を楽しむことができる

安全に楽しく走れるジムカーナ競技会
 「チャレンジ ツイン バトル」は、ライセンスは要らないため誰でも参加できる。車両については、ナンバー付きで当日有効な自賠責保険に加入していれば、どんな車でも参加できるという、非常に緩い規定である。AT車も参加できるし、極端な話、軽トラックでも参加できるのだ。

 サーキット走行と言っても、周回コースを複数台で混走する走行会ではなく、パイロンで作ったコースを1台ずつ走行するタイムトライアル形式のもの。「南特設コース」という、イベント時には駐車場としても使われるアスファルトの広場にパイロンを並べ、指定されたとおりにそのパイロンのまわりを回ったり、8の字走行をしながらゴールを目指す。だからどんなにスピンをしようが、ぶつかるのはせいぜいパイロンだけで、ほかの車にぶつけたり、自分が遅いせいで、まわりに迷惑を掛けることもなく、自分のペースで楽しむことができる。

 そして今回、報道関係者向けの、もてぎチャレンジツインバトルが開催され、一足先に筆者もツインバトルを体験してきた。

 1回の走行がどんなに遅くても2分はかからないコースなので、車にも負担が少なく、どんな車でも楽しむことができるのがツインバトルの特徴。実際筆者はATのワゴン、マツダ「アテンザ」でチャレンジしたし、ほかの参加者には、ホンダ「S2000」やスバル「インプレッサ」といったいかにもの車もいたが、ホンダ「インサイト」や日産「キューブ」、トヨタ「iQ」や三菱「コルト」などで参加している人もいた。

今回の参加車両。実にさまざまなタイプの車が参加しているのが分かる

 ほかに走行に必要なのは、ヘルメット、グローブ、長袖、長ズボン、そして運動しやすい靴。ヘルメットはバイク用のものでも問題ない。ちなみにガソリンが少ないと横Gでガソリンが偏ってガス欠状態になるので、半分以上は入っているようにしよう。

 いざ走行だが、まずはコースを頭にたたき込むことから始める。コースを覚えたら1本目はゆっくりと、次に曲がるパイロンがどの方向にどういうふうに見えてくるのかを確認しながら走り、コースを覚える。自信がなければ他の人の走行を見て覚えるのも手だろう。

 かくいう筆者は、1本目の走行の中盤でコースが分からなくなってしまった。スタートとゴールのパイロン以外はみな同じ色なので、一度迷うと次にどこを目指すのか分からなくなる。

ヘルメットとグローブを装着していれば、私服でも参加できるレイアウトとしては比較的簡単な部類に入るはずなのだが、いざコースに入ると記憶が飛ぶことも(笑)

 ということで2本目からまともに走れたが、やはりタイヤもサスペンションもノーマルのアテンザワゴンで速く走るのは難しい。ただ、遅い車は遅いなりに走ればよく、本数を重ねるごとに、うまく走れたり失敗したりに一喜一憂し、アテンザでも十分楽しむことができた。また、このコースはツインバトルの名前のとおり、左右対称にコースが作られているので、友達と同時にスタートして速さを競うこともできる。

 8月16日に一般参加者向けに開催される際には、1回500円でタイム計測も行ってくれる。また、最後には、タイムの上位8人によるトーナメント形式の模擬レースも行われ、上位入賞者には記念品も用意されるなど、初心者にも腕自慢にも楽しめる内容になっている。

 参加料金は8000円で定員60名。時間は9時から16時半。参加申し込みは7月15日からで、締め切りは8月7日。詳しい内容は「ツインリンクもてぎモータースポーツ部運営課 チャレンジツインバトル事務局」(TEL:0285-64-0200)まで。

館内には車以外にバイクも多数展示される

1950年から1970年代のホンダ車が展示
 ツインリンクもてぎ内のホンダコレクションホールでは、現在「Honda Collection Hall 所蔵展 ~1950年代から1970年代編~」を行っている。館内には常時約350台の車・バイク製品が展示されているのだが、そのほかにも修復されていない資料も多くあり、所蔵品には未公開のものが多いのだと言う。そこで今回、1950年代から1970年代の製品にスポットをあて、4輪6台、2輪25台の計31台を初公開品として紹介している。期間は2010年1月24日まで、入館料は無料。

 以下、展示されていたモデルをピックアップして紹介する。

これは所蔵展での展示品ではないが、ホールに入って正面に飾られている「ホンダ RA271」。1964年に開催されたF1世界選手権・第6戦のドイツGPに、初の国産F1マシンとしてデビューを飾ったモデル。エンジンは横置きで水冷4サイクル60度V型12気筒 DOHC48バルブ、排気量は1495cc。最高出力は220PS/1万2000rpm以上、最高速度は300km/h以上。サブフレーム付き軽合金モノコックボディーの重量は525kg「356ロードスター」をベースに、装備を簡略化してアメリカに輸出された「ポルシェ スピードスター」(1958年)。コンパクトな室内はバスタブ型と呼ばれ、幌は駐車のときのみ使用されたと言う。エンジンは空冷4サイクル水平対向4気筒 OHV、排気量は1582cc。最高出力は60PS/4500rpmイギリスのモーリス・ガレージのスポーツカー「MGA1600クーペ」。本格的なスポーツカーだが低価格の設定がうけ、世界中でヒットしたモデル。1955年に1500ccの2座オープンボディーとして登場し、1957年にはクーペ、1959年には1600ccエンジン搭載モデルを追加
ホンダコレクションホールに入りすぐ右側に展示されている「ホンダ T500」(写真奥)。ホンダ初の4輪市販車「T360」のマイナーチェンジ後のモデルとなる。ホンダT500の排気量は531ccに拡大され、最高出力は8PSアップの38PS/7500rpmになった。水冷4サイクル直列4気筒DOHCエンジンはアンダーフロアに納められ、低い重心から安定した走行性能を発揮ホンダ初の量産モデルとして、1967年に登場した「N360」をモデルチェンジさせた「NⅢ360サンルーフ」(1970年)。展示車のサンルーフはオプション扱いで、当時の価格で約3万円高で装着できたと言う。エンジンは354ccの水冷4サイクル直列2気筒 OHC。最高出力は31PS/8500rpm空冷エンジンを採用した「ホンダ1300」をフルモデルチェンジさせた「ホンダ H145クーペ」(1973年)。公害問題に対応した無鉛ガソリン仕様のエンジンは、排気量1433ccで水冷直列4気筒横置OHC。最高出力は80PS/5500rpm。展示車両のFIタイプには、排気ガスの低減と燃料の節約効果のある燃料噴射装置が標準装備されている
ホンダS800をベースに造られた2座レーシングカー「コニリオ MK-Ⅱ」(1969年)。ボディーはFRP製で、排気量845ccの水冷4サイクル直列4気筒 DOHCエンジンを搭載。最高出力は95PS/8000rpm。1969年の日本GPで黒須龍一選手が総合12位、1150cc以下のクラスで優勝を飾ったと言う。なお、「コニリオ」はイタリア語で野ウサギの意「コニリオ MK-Ⅱ」のインパネタイヤはヨコハマ「A-021R」。サイズは205/60R13
「CB350」にYキットと呼ばれる軽量化されたエンジン部品、FRP製燃料タンクなどレース用パーツを装着した「ホンダ CYB350」。排気量343cc、空冷4サイクル2気筒OHCエンジンを搭載。1969年の第1回MFJグランプリで、同マシンに乗った隅谷守男選手がセニア251cc以上クラスで優勝を飾っている故本田宗一郎氏が陣頭に立って開発した「ドリーム C70」のマイチェン版「ドリーム C71」。角張ったデザインは「神社仏閣スタイル」と呼ばれ、大量生産されるバイクとして世界初となるセルモーターを装備したモデル1965年に若者向けに開発された、本格的なオートバイスタイルのスポーツモペット。排気量は49ccで水冷4サイクル単気筒OHVを搭載。最高出力は1.6PS/5000rpm
レーシングドライバー山本泰吉氏とフォーカスミジェットカー

ミジェットカーレースとは
 さて、次に紹介するのはミジェットカーについて。ミジェットカーレースの本場で活躍している、レーシングドライバーの山本泰吉氏によるデモ走行およびメディア向けの体験試乗会が行われた。

 ミジェットカーについて簡単に紹介すると、1914年に米カルフォルニア州で生まれたフロントエンジン・リアドライブのレーシングカー。現在USAC(United States Auto Club)主催で米国各地のオーバルトラック(ダートとアスファルト)で開催されている。クラスは5817ccのエンジン(700~730PS)を搭載した「シルバークラウン」、5899~6718ccのエンジン(800PS)を搭載した「スプリントカー」、2638~2721ccのエンジン(325~350PS)を搭載した「ナショナル」、2000ccのエンジン(178PS)を搭載した「フォードフォーカス」、1188ccのエンジン(100PS)を搭載した「ケニオン」などがあり、スプリントからケニオンは統一シャシーが用いられている。

ミジェットカーはオーバルコースで行われるため、正面からみるとタイヤ位置が左右対称についていない。これはコーナリング中にマシンの右側に荷重がかかるためコクピットの様子。ステアリングはトラックのような角度初めて乗る人でも分かりやすいように、エンジンをかける手順が記載されている
アクセルは奥に押し込んでいくように、ブレーキは左外側のほうへ押し込んでいくイメージで操作縦置き4気筒エンジンクラッチは手動
体は5点式ベルトでシートにしっかり固定する。しっかりの具合は山本氏の表情からも伝わるイヤホンを通じて無線で指示が送られてくる

 山本氏によるデモ走行は、1周400mのダートトラックで行われたのだが、筆者たちが体験した試乗会は、チャレンジ ツインバトルで走った南特設コース。コースは先ほどとは異なったオーバルで、マシンは2000ccのフォードフォーカス。クラッチは手動だが、ギアは1速のみなので1回つなげば後はアクセルとブレーキを踏むだけ、と言えば簡単そうに聞こえるが、5点式ベルトやトラックのようなシートポジションのため、運転操作に慣れるまで少々時間がかかる。

ツインリンクもてぎのダートコース。コースは2種類あり、外側が400m(コース幅20m、最大直線長65m、ターン半径43R)、内側が200m(コース幅15m、最大直線長50m、ターン半径16R)山本氏のデモラン。カウンターを当てながらコーナーをクリアしていく様子は、まさにプロの仕事

 実際に乗るまでマシンはコンパクトだし、最高出力も178PSなら普通に乗れるかな、と安易に考えていた。走行中は無線を通じて外から見ている山本氏からブレーキやアクセルを踏むタイミングなどの指示が送られてくるので、安心感はある。しかし車重は450kgしかないため、アクセルを踏めば烈火のごとく加速する。スピードメーターはついていないのだが、山本氏によればこのオーバルコースの直線で100km/hくらいは出ていたそうだ。最初は慣れないのでコーナーの進入速度も分からないのだが、指示どおりのタイミングでブレーキ、コーナー出口でアクセルを踏んでいくと、リズムがつかめてきた。そうすると初めは怖かったのが、快感に変わってくるから不思議なものだ。ピットインの指示が出るまで夢中になって楽しんでしまったが、マシンを降りると体はフラフラだった(笑)。

スタート時は発進しやすいようにスタッフの方に押しがけをしてもらった100km/hからのフルブレーキ、コーナー進入は相当な恐怖。でもまわりに何もないオーバルコースだったので多少は無理できた山本ヤスキチのミジェットカースクールの紹介

 このミジェットカーは、ツインリンクもてぎで開催されている「山本ヤスキチのミジェットカースクール」で体験できる。今回の体験会はアスファルトだったが、スクールはダートコース。初心者(とはいってもカートや4輪レースの参加経験が必要)が参加できる「ベーシッククラス」と、その上の「アドバンスクラス」が用意される。満20歳以上、身長150cm以上など参加条件がいくつかあるので、日程を含めた詳細はツインリンクもてぎの公式サイトで確認してほしい。直近では8月20日、9月10日に行われる予定だ。なお、8月14日、9月19日にはエキシビションレースも開催される予定なので、興味のある人は見に行ってみてはいかがだろうか。

頂上陳麻婆豆腐

一皿3万円の「頂上陳麻婆豆腐」
 最後に紹介するのは、ホテルツインリンク「レストラングリーンベイ」で期間限定販売されている「頂上陳麻婆豆腐(チョウジョウチンマーボードウフ)」。3~4名分で一皿3万円という、“超”のつく高級料理である。レストラングリーンベイでは、もともと中国四川省の香辛料を使った「陳麻婆豆腐」を提供していたのだが、頂上陳麻婆豆腐はそのグレードアップ版。

 豆腐は栃木県産の大豆、鬼怒川上流のアルカリイオン水を使った、頂上陳麻婆豆腐のために作られたもの。牛肉には栃木県産黒毛和牛サーロイン(A5ランク)、スープに鶏のすり身、中国ハム、干貝柱を煮込んだ「清湯」、燕の巣の中でもっとも高級とされる「赤燕」が使われるなど、徹底的に高級食材が使われている。

 その味は、むろんおいしいのだが辛い! 筆者は辛いのが得意なほうではないので、余計に大変だったが、辛さの中に旨味が凝縮されており、普段は「早い、安い、旨い」で食事を終わらせている味音痴だが、それでも十分に堪能できた。百聞は一見にしかず。友達や恋人同士でワイワイと楽しんでみてはいかがだろうか。販売期間は8月31日まで。

夏休みはツインリンクもてぎに行ってみよう
 さて、ざっとさまざまなイベントを紹介してきたがいかがだっただろうか。ツインリンクもてぎは自分で走るイベント以外にも、家族で楽しめるものもたくさん用意されているし、宿泊施設もある。ぜひ足を運んでみて、モータースポーツを楽しんでいただきたい。

(編集部:小林 隆)
2009年 7月 15日