日産、小排気量エンジンの燃費を改善する「デュアルインジェクター」
直噴と同じ効果、2010年初頭に実用化

デュアルインジェクター

2009年7月14日発表
2010年初頭実用化



デュアルインジェクター1個によるポート1本への噴射(左)と、従来のインジェクター1個によるポート2本への噴射

 日産自動車は7月14日、ガソリンエンジンの燃費改善技術「デュアルインジェクター」を発表した。2010年度初頭より、小排気量エンジンに採用する。

 ガソリンエンジンでは、燃料を燃焼室に供給するインジェクターを、通常は1シリンダーあたり1つ備える。2つの吸気バルブを持つエンジンの場合、1つのインジェクターが2本の吸気ポートに燃料を噴射するわけだが、デュアルインジェクターでは、2本の吸気ポートに1つずつ、1シリンダーあたり2つのインジェクターを備える。

 これにより噴射されるガソリンの粒径を約60%小さくでき、燃焼を安定させることができる。また、排気側の可変バルブタイミングコントロールとあわせ、熱効率を上げ、吸気抵抗(ポンピングロス)を減らすことで燃費を約4%改善できるとしている。

 また燃料が気化するスピードが速くなり、燃料の燃え残りが少なくなるため、炭化水素の発生を抑制できる。これにより排出ガスを浄化する触媒の貴金属を減らすことができる。すでに採用されている超低貴金属触媒との併用で、貴金属の使用量が1/4になると言う。

 シリンダー内に燃料を直接噴射する「直噴エンジン」でも同様の効果を得られるが、高圧で燃料を噴射するためにコストがかかる。デュアルインジェクターは通常の圧力で噴射すればよく、シンプルかつ軽量で約60%低いコストで実装できるため、低価格な小排気量エンジンにも採用できる。

(編集部:田中真一郎)
2009年 7月 14日