STI、限定400台のコンプリートモデル「R205」
ニュルブルクリンクで鍛えたロードスポーツカー

R205

2010年1月7日~4月25日発売
473万5500円
限定400台



 STI(スバルテクニカインターナショナル)は、スバル「インプレッサWRX STI」シリーズをベースに、独自の装備と味付けを施したコンプリートカー「R205」を400台限定で発売する。6速MTのみの設定で、価格は473万5500円。4月25日までの受注となる。なおR205は、1月15日より開幕する東京オートサロンに展示するほか、東京スバル CAR DO SUBARU三鷹やスバルビルショールームで期間限定で展示する。

 R205は、これまでにSTIがリリースした「S203」や「S204」と同様、インプレッサWRX STIをベースに、運動性能や質感を向上させたコンプリートモデル。今回はインプレッサWRX STIシリーズの中でも最もスポーツ色の濃いspecCの仕様装備を活かし、内外装の加飾は控え、特に走行性能を磨き上げたモデルとして、従来の「S」ではなく「ロードスポーツ」を意味する「R」を車名に取り入れたと言う。

R205外観
ロードスポーツを追求しRの冠が付けられたR205

ハンドリング
 特に時間をかけたと言うハンドリング性能では、STI製ダンパーとコイルスプリングや、STI製専用チューニング・フロントスタビライザーに加え、中央にボールジョイントを設けたフレキシブルタワーバーと、新たにフレキシブルドロースティフナーを装備。フレキシブルドロースティフナーは、フロントサスペンションアームの付け根とサブフレームをつなぐもので、スプリングによりテンションを掛けておくことで、大きく操舵したときの切れ込みのよさを過不足なく実現すると言う。

サスペンションは、ダンパー、スプリングともにSTI製を採用。フロント(写真左)は倒立式、リア(写真右)は正立式を採用する
フレキシブルタワーバー新開発のフレキシブルドロースティフナー

 また、リアサスペンションには「エクシーガ Tuned by STI」でも採用されたフレキシブルアーム・リアと、ピロボールブッシュ・リアサスリンク(ラテラルリンクフロント内側、リア内側)を採用。フリクションを低減し、しなやかに路面に追従させることで、乗り心地とロール感の改善を図っている。

ピロボールブッシュ・リアサスリンクフレキシブルアーム・リア
専用開発のブリヂストン製ポテンザRE070と、軽量高剛性のSTI製18インチ鋳造アルミホイール

 タイヤには、ブリヂストン製ポテンザRE070(245/40 R18)を採用。外観は従来のRE070と同じだが、その構造は専用に開発したもの。ホイールには軽量高剛性のSTI製18インチ鋳造アルミホイールを組み合わせ、バネ下重量の低減も図っている。

 セッティングは、ロードスポーツとして、一般道での気持ちよい走りを実現するため、世界中の一般道の特徴がすべてが集約されていると言うドイツのニュルブルクリンクサーキット オールドコースで煮詰め、さらに、2009年のニュルブルクリンク24時間レース参戦車両にも、一部パーツを組み込むことで、レーシングスピードでの性能検証も行ったと言う。

エンジン&ブレーキ
 エンジンは、ベース車と同じ2.0リッター水平対向4気筒ながら、ターボには専用のボールベアリングツインスクロールターボを採用する。また、吸気系にはSTI製エアクリーナーエレメントと専用シリコンゴム製インテークダクトを、排気系には専用のエキゾーストパイプ(フロント・リア)と、専用低背圧スポーツマフラーを装着し、専用チューニングのECUで制御。最高出力は235kW(320PS)/6400rpmを、最大トルクは、431Nm(44.0kgm)/4000rpmを発生する。これは、ベース車を8kW(12PS)、9Nm(1.0kgm)上回る数値だ。なお、車両重量は1470kgで、WRX STIと比べ10kg軽く、spec Cの18インチ仕様と比べ20kg重い。また、全長、全幅は従来のままだが、全高は10mmダウンしている。

専用ターボやECUセッティングにより出力を向上専用低背圧スポーツマフラー

 ブレーキは前後ともにブレンボ製ブレーキシステムを採用。フロントにはモノブロック対向6ピストンキャリパーと、フローティングタイプ2ピースの18インチグルーブドローターを、リアにはモノブロック対向4ピストンキャリパーと、18インチグルーブドローターを装着する。ハードブレーキング時だけでなく、冷間時でも最初から安心できるブレーキだとしている。

ブレーキは、ベースグレードと同じブレンボ製ながら、剛性の高いモノブロックタイプのキャリパーを採用。ピストンの数も増えている。ローターはグルーブドタイプで、フロントには2ピースローターを採用。フローティングタイプながら、スプリングで不快な音を防ぐ

内外装
 エクステリアには、専用装備として、R205のオーナメントが付いた専用塗装のフロントグリルと、リアにもR205とSTIのオーナメントを装備。また、STI製のフロントアンダースポイラー、サイドガーニッシュ(専用塗装)、リアアンダースポイラー、大型ルーフスポイラー(ブラック塗装、LEDハイマウントストップランプ内蔵)を装備し、空力性能も高めている。

フロントグリルにR205のオーナメントが付くリアゲートには左にSTI、右にR205のオーナメントが付くSTI製フロントアンダースポイラー
専用塗装のSTI製サイドガーニッシュSTI製リアアンダースポイラーSTI製大型ルーフスポイラーはブラック塗装される

 インテリアには、R205ロゴが入ったアルミ製専用サイドシルプレートを装備するほか、オプションで、アルカンターラ/本革、STIロゴ黒刺繍、赤ステッチ入りのレカロ製バケットタイプフロントシートを用意する。

 このほか、専用シリアルナンバープレートがコンソールとエンジンルームに追加され、R205専用の車検証ケースも付属する。

R205のロゴが刻まれる専用サイドシルプレートオプションのレカロ製バケットタイプフロントシートは、STIのロゴが黒で刺繍されるなど、意匠に変更が加えられる
コンソール(写真左)とエンジンルーム(写真右)には、シリアルナンバーが刻まれる
R205のロゴが入った専用車検証入れもセット

車両展示
 R205は、1月15日~17日に幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で開催される、東京オートサロンに出展されるほか、1月8日~10日に東京スバル CAR DO SUBARU三鷹(東京都三鷹市大沢)に展示。また、1月15日~31日にスバルビルショールーム(東京都新宿区西新宿)でも展示が行われる。展示情報に関する詳細は下記リンク「展示車両情報」をご覧いただきたい。

(瀬戸 学)
2010年 1月 7日