RUF、V8搭載911「RGT-8」とEV進化版「グリーンスターII」

RUF RGT-8



 ルーフ・オートモーティブGmbH(RUF)は開催中のジュネーブ・モーターショー(3月2日~14日)に、ポルシェ911に新開発のV型8気筒エンジンを搭載した「RGT-8」と、911ベースの電気自動車(EV)「eRUF グリーンスターII」を展示している。

独自のV8エンジンを搭載した「RGT-8」
 RGT-8は、ポルシェ911に同社が開発した4.5リッターV型8気筒の「RUF001」エンジンを搭載したモデル。90度のバンク角と、気筒あたり4つのバルブを持つ同エンジンは最高出力404kW(550HP
)/8500rpm、最大トルク500Nm/5400rpmを発生する。

 リアオーバーハングに搭載するエンジンなので、設計開始段階から軽量化と低重心化に配慮したとしており、エンジン単体の重量は200kg未満となっている。潤滑方式をドライサンプとするほか、エアコンのコンプレッサーやジェネレータ、ウォーターポンプをベルトではなく、クランクシャフトから直接駆動している。トランスミッションは6速MTのみ。

 ボディーはドアとフロントフードにアルミを、リアフードとウイングにカーボンファイバーを採用している。

 ホイールとタイヤのサイズは、前9J×19、245/35 ZR19、後12J×19、325/30 ZR19。センターロック式ホイールと、ミシュラン・パイロット・スポーツカップを採用する。ブレーキは前380mm、後350mmのセラミックディスク。

 フロントフェンダー、フロントバンパー、ダッシュボードコンポーネントは「フレール・パッケージ」名づけられたもので、1953年にル・マン24時間レースで優勝したポルシェ550クーペをそのモチーフとしている。「フレール」は当時のドライバー、ポール・フレール氏の名前からとったもの。

 RGT-8は2011年に生産が開始される。

EV「グリーンスター」が「II」に進化
 「eRUF グリーンスター II」は、2009年のジュネーブ・モーターショーで発表された「eRUF グリーンスター」の進化版。タルガトップの911ボディーをリチウムイオンバッテリーとモーターで駆動する。

 IIでは、モーターを1基から2基に変更。250kWのモーターが左右後輪に1基ずつ取り付けられており、この仕組を利用して、左右後輪の駆動力を変えて操安性を上げるトルクベクトリングシステムが備わる。

 バッテリーはLi-Tec製。航続距離は250kmで、スポーティなドライビングをしても210kmは走れると言う。また、大型バッテリーパックを搭載すると、航続距離が320kmに伸びる。

 また、アクセル開度に連動して、外部にエンジン駆動音を放つ警報用スピーカーを搭載した。

 なおこのボディーにガソリンエンジンを搭載した「RRoadster」が用意される。こちらは3.6リッターまたは3.8リッターの水平対向6気筒エンジンを搭載し、ツインターボ版も用意されるほか、これら以外のエンジンを搭載することもできると言う。

(編集部:田中真一郎)
2010年 3月 11日