モビリティランド、「インディジャパン300マイル」の詳細を発表
9月17日~19日に開催。佐藤琢磨選手、武藤英紀選手も登場

記者会見に参加した武藤英紀選手(左)と佐藤琢磨選手(右)。固い握手でお互いの健闘を誓い合う

2010年5月10日発表



 ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)を運営するモビリティランドは5月10日、9月17日~19日に行われるインディカーシリーズの第16戦「2010 IZOD インディカー・シリーズ 第16戦 インディジャパン 300 マイル」(以下、インディジャパン300マイル)の概要についての発表会を開催した。

 インディカーシリーズは、北米を中心に行われているオープンホイールフォーミュラカーレース。インディ500を頂点として行われているシリーズで、インディジャパン300マイルは米国外で行われる唯一のオーバルレースとして、日本のファンにもすでに定着したイベントとなっている。

 特に今年は、ニューマンハース・ラニガン・レーシングというトップチームで3年目のシーズンを迎える武藤英紀選手に加え、2008年までF1世界選手権を戦っていた佐藤琢磨選手がKVレーシングテクノロジーから参戦しており、インディカーシリーズと9月のレースに多くのファンが注目を集めそうだ。


モビリティランド 取締役社長 大島裕志氏

今年は連休の中日である日曜日に決勝を開催
 記者会見の場で、モビリティランド 取締役社長 大島裕志氏は「昨年までは金曜日に予選、土曜日に決勝という日程になっていたが、今年はうまく9月の連休と重なっているため、連休中日の日曜日を決勝にした」と述べ、9月19日を決勝日に設定し、雨天時の予備日は9月20日(敬老の日)と説明。さらに、「金曜日にはオープンデーを設定するなど、お客様がお越しいただきやすい日程に設定したし、関係自治体の皆様にも協力をしていただいており、ぜひレースだけでなくレース終了後には近隣の観光地にも出かけてみて欲しい」と述べ、近隣自治体の振興にもつなげていきたいと意気込みを語った。

 発表された概要によれば、今回のインディジャパン300マイルは、3デーイベントとして開催される。

9月17日(金):インディジャパンフレンドシップディ
9月18日(土):練習走行・公式予選
9月19日(日):決勝

 このうち金曜日に行われるフレンドシップディでは、昨年まで予選日に行われていたドライバートークショーやサイン会などのイベントが行われ、レースカーの走行はないものの、インディカーの魅力を堪能できる日となる。通常であればパスがなければアクセスできないパドックへも、一般観戦チケットがあればアクセスできるため、レースカーの近くまで行って写真を撮ったり、パドックにいるドライバーにサインをもらえたりするチャンスとなる。また、インディドライバーが参加するファン交流ランチパーティも開催され、先着70名(別途パーティチケットが必要)が参加できる。

 そのほか、予選・決勝日にも多数のイベントが企画されている。SUPER GTなどでおなじみのサーキットサファリも、今回はスーパースピードウェイ上で行われ、レーシングカーが疾走するオーバルコースをバスに乗って見学できる。また、スーパー耐久のエキシビションランも行われる予定になっており、オーバルコースを走るスーパー耐久のマシンを、レーススタート前に堪能することができる予定になっている。

 決勝日には、SUPER GTやフォーミュラ・ニッポンに参戦中の伊沢拓也選手、井出有治選手、金石年弘選手、小暮卓史選手、塚越広大選手、中山友貴選手、道上龍選手、山本尚貴選手らによるファン交流イベントが開催される予定。

今年のインディジャパン300マイルのスケジュール動画配信やPodcast、Twitterなどのインターネットを利用した配信も提供される
金曜日はフレンドシップディと呼ばれ、観戦チケットだけでパドックまで行けるようなるスーパー耐久のエキシビションランも行われる

地元自治体も協力してインディジャパンを盛り上げるプレイベントを開催
 また、例年インディジャパンでは地元の自治体と協力してさまざまなイベントを行っているが、今年も栃木県および茨城県などの自治体と協力したイベントを行っていく予定だ。

 ツインリンクもてぎの地元、栃木県の自治体である茂木町、市貝町、芳賀町、宇都宮市などは、地元の商店街などにインディジャパンのフラッグを飾ったり、スタンプラリー、写真展、道の駅などでプロモーションイベントを開催する。今回は宇都宮市 市長 佐藤栄一氏が記者会見会場に訪れ、「昨年も同じようなイベントを行い大変盛り上がったが、今年も同じようにイベントを盛り上げ、地元栃木のよさもアピールしていきたい」と述べ、地元の自治体としてもイベントの成功に寄与することで、町おこしの1つにしたいと意気込みを語ってくれた。

 また、ツインリンクもてぎにアクセスする際の通り道となる茨城県からは、“いばらき夢ガイド”を務める大澤幸子さん(ブログ:http://ameblo.jp/sachiko-oosawa/)が、同じく茨城県のゆるキャラ“ハッスル黄門”さまと一緒に登場し、茨城県をアピール。先日開港した茨城空港にインディジャパンのマシンなどを展示している取り組みなどが紹介された。

宇都宮市 市長 佐藤栄一氏プレイベントしてインディフラッグが商店街に掲げられる栃木県内の観光地などでインディのスタンプラリーが行われる
道の駅などでインディジャパンをアピールするイベントが行われる予定4市町(茂木町、市貝町、芳賀町、宇都宮市)で写真展が行われる予定“いばらき夢ガイド”の大澤幸子さん
茨城県のゆるキャラ“ハッスル黄門”さまインディジャパンの会場に茨城県をアピールするブースなどが設置される茨城空港ではインディカーの展示など


ニューマン・ハース・ラニガン・レーシングの武藤英紀選手

「あまり気負わず、肩の力を抜いて初優勝を目指す」と武藤英紀選手
 発表会の最後には、今年のインディカーシリーズにフル参戦し、インディジャパン300マイルにも参戦予定の武藤英紀選手と佐藤琢磨選手が登場し、トークセッションを行った。

 3年目を迎える武藤選手は、今年ニューマン・ハース・ラニガン・レーシングに移籍し、2008年に達成した自己最高2位を上回る初優勝を目指している。ニューマン・ハース・ラニガン・レーシングは、インディカー・シリーズに参戦するのは今シーズンで3年目だが、2008年にインディカー・シリーズに吸収合併されたチャンプカー・シリーズでは常勝チームで、かつてあのナイジェル・マンセルが参戦1年目でCART(チャンプカーの前身)チャンピオンになったときに所属していたことでも知られている名門チームだ。

 その武藤選手は、「今年は(インディカー・シリーズに参戦してから)3年目ということもあり、勝ちたいという気持ちはとても強くなっている。ただ、過去2年、それで自分を追い込んでしまっていた面もあるので、今年は肩の力を抜いてやっていきたい」と述べる。特にインディジャパンに関しては本人の思い入れも強いようで、「去年はそれが強すぎて予選で大クラッシュし、決勝では体調もあまりよくなくて大変だった。決勝もフラフラで完走できるか本当に不安だったが、ファンの応援が後押しになって完走できた」と述べた。それを力に変え、今年こそインディジャパン300マイルでよい結果を出したいとのことだった。


KVレーシングテクノロジー 佐藤琢磨選手

インディカーでは先輩となる武藤選手が“ルーキー”佐藤選手を諭す?
 今年からインディカーシリーズに参戦している佐藤琢磨選手は、今さら説明の必要がないほど有名な元F1スターだ。2008年のスペインGPを最後にF1シートを失ってからF1復帰への道を模索していたが、今年から方針を転換し、心機一転インディカー・シリーズへの参戦を決め、KVレーシングテクノロジーと契約しフル参戦を果たしている。開幕5戦はいずれもリタイアに終わってしまったが、初のオーバルとなる第5戦カンザスでは、200周レースの180周近くまで6位を争うという力走を見せるなど、その実力は折り紙付きで、徐々にインディカーシリーズに慣れていっている状況だ。

 そのオーバルでのレースについて佐藤選手は、「単独で走る分には問題がないのだが、やっぱり他の車と密集して走るのはぜんぜん別体験。いまそれらを学んでいる段階で、毎回新しい発見がある」と述べ、毎レース何か新しい発見があり、自身もレースを楽しんでいる様子が伺えた。

 そして9月のインディジャパン300マイルについては、「今のところ結果としては残っていないが、それでも経験を積み重ねている。それらを生かして、これからのオーバルやロードコースなどで結果を残して、日本のファンの前で最高のリザルトを残していきたいと思っている」と述べた。

 なお、司会のアナウンサーからは第5戦カンザスで、佐藤選手と武藤選手が接触してリタイアに終わった件について質問がされると、武藤選手は「かなりいい感じで走っていて2人でいい順位で終われると思っていたのだが、周回遅れの車がはらんできて行き場がなくなってしまった」と説明。

 佐藤選手も「オーバルは自分のラインを守って走らないといけないんだけど、周回遅れの車がラインを外してきたことで、武藤選手のラインがなくなってしまいました。2人であとで状況を確認したんですけど、2人とも『どうしようもないよね』ということで一致した。あとで周回遅れの車にはちゃんと言っておかないとだめですよね。武藤選手にも申し訳ないことをしました」と述べると、すかさず武藤選手が「まぁルーキーにはよくあるんですよ」と、レーシングドライバーとしてのキャリアは佐藤選手の方が先輩であるものの、インディカードライバーとしては武藤選手の方が長いことを逆手にとったジョークをかますと、会場は大きな笑いに包まれた。

レース観戦チケットは5月29日から販売開始、ドライバー応援席も設定
 レースの観戦チケットは、5月29日から販売が開始される予定になっており、前売り券の自由席は大人6000円、子供500円。パドックパスは大人が1万円、子供が5000円となっているほか、各種指定席のチケットも用意されている。また、前売り駐車券も用意されており、3日間通しで4輪が2000円、2輪が500円となっている。

前売り券

券種自由席学割座席指定(A席)座席指定(B席、C席、E席)エリア指定(D席)
大人6000円3000円1万9000円1万4000円9000円
子供500円1500円1000円1000円

 例年用意されているドライバー応援席が今年も設定されており、武藤選手、佐藤選手のほか、女性ドライバーのダニカ・パトリック選手、2004年のインディ・レーシング・リーグ(インディカーシリーズの前身)チャンピオンのトニー・カナーン選手の応援席が用意されており、オリジナル応援グッズなどの特典が設定されている。

武藤英紀応援席(3日間通し券)

券種料金入場エリア
大人1万4000円Cエリア指定席(1500席限定)
子供4300円

佐藤琢磨応援席(3日間通し券)

券種料金入場エリア
大人1万4000円Cエリア指定席(1500席限定)
子供4300円

ダニカ・パトリック応援席(3日間通し券)

券種料金入場エリア
大人1万4000円B席(200席限定)
子供4300円

トニー・カナーン応援席(3日間通し券)

券種料金入場エリア
大人1万4000円B席(200席限定)
子供4300円

 チケットはツインリンクもてぎのチケットセンター(0285-64-0080)のほか、モビリティランドのWebサイト(http://mls.mobilityland.co.jp/)、チケットぴあやローソンチケットなどのプレイガイドなどで販売されることになる。イベントやチケットの詳細については、イベント概要(http://www.mobilityland.co.jp/pressroom/motegi/2010/05/2010indyjapan.pdf)を参照されたい。

観戦チケットは5月29日より販売開始武藤英樹選手、佐藤琢磨選手、ダニカ・パトリック選手、トニー・カナーン選手の応援席が設置される

(笠原一輝)
2010年 5月 11日