自工会、新会長の志賀氏らが新任記者会見
「東京モーターショー2011」は、東京ビッグサイトで開催へ

新任の会長、副会長らによって行われた2010年度の事業計画発表

2010年5月20日開催



新たに自工会の会長となった、日産自動車 代表取締役 COO 志賀俊之氏

 自工会(日本自動車工業会)は5月20日、定例の記者会見を行い、2010年度の事業計画を発表した。発表を行ったのは、5月20日から新たに自工会の会長となった日産自動車 代表取締役 COO(最高執行責任者)の志賀俊之氏。

 新任の副会長となる、トヨタ自動車 代表取締役社長 豊田章男氏、本田技研工業 代表取締役社長 伊東孝紳氏、昨年から副会長を務める三菱自動車工業 代表取締役社長 益子修氏、マツダ 代表取締役会長 井巻久一氏、名尾良泰氏も同席するなど、日本を代表する自動車会社の首脳陣が一堂に会した発表会となった。


新任の副会長、トヨタ自動車 代表取締役社長 豊田章男氏新任の副会長、本田技研工業 代表取締役社長 伊東孝紳氏三菱自動車工業 代表取締役社長 益子修氏は、引き続き副会長を務める
同じく継続して副会長となる、マツダ 代表取締役会長 井巻久一氏名尾良泰氏は副会長と専務理事を兼任する

 志賀自工会会長は、2010年度も昨年度同様、2008年経済の急速な回復は期待できず、楽観できる状況にはないと言う。さらに、エコカー補助金(環境対応車普及促進対策費補助金)が9月で終了すること、ギリシャ財政危機に端を発する欧州の経済状況の厳しさなどもあり、自工会としては国内市場の販売台数は対前年比95.1%の465万台と予測している。

 自工会ではこのような経済状況の中、「安全と環境への取り組み」「自由貿易推進のための国際的な相互理解と協力の促進に関する取り組み」「クルマの夢・楽しさの訴求と快適な利用環境への取り組み」の3つの取り組みを行っていくと言う。

 安全と環境への取り組みは、「引き続き、交通事故の低減と被害軽減に取り組んでいき、政府が掲げる『世界一安全な道路交通の実現』に向けて、ハード・ソフトの両面にわたり積極的に貢献していく」と言う。自由貿易推進のための取り組みは、グローバルに事業展開を行っている自動車産業にとっても極めて重要な課題であるとし、二重課税など国際課税問題の国際的な調整も行っていくと語る。

 クルマの夢・楽しさの訴求などに対する取り組みとしては、ユーザーの過重な税負担を軽減することも重要であるとし、「自動車関係諸税の簡素化・軽減に向けた働きかけを行っていく」と述べた。

 志賀自工会会長は「国内の自動車生産台数は900万台を下回り、これは1987年以来の低水準にある。自工会の推計によると自動車関連の就業人口は515万人。これは国内の全就業人口の8.1%にあたる。また、売上高に関しても56兆6000億円で、製造業売上高の16.9%を占める」と言い、日本経済の主要産業として発展に取り組んでいくとした。

東京ビッグサイトで開催される「東京モーターショー2011」
 隔年開催となっている東京モーターショーに関する予定も明らかにされた。2011年の「東京モーターショー2011」は、昨年までの幕張メッセから東京ビッグサイトへと開催地を変更する。会期は2011年12月2日~11日(プレスデー:11月30日、12月1日、特別招待日:12月2日、一般公開日:12月3日~11日)となり、一般公開日が昨年の13日間から3日間短縮された10日間となる。

 志賀自工会会長は、「前回のモーターショーは、入場者が残念な数にとどまった。今後も入場者数で中国などのショーを上回るのは難しいかもしれない」としながらも、自動車の最先端技術などでは見るべきものが多かったと言い、「存在感のあるモータショーにしてしていきたい」と、その方向性を述べた。

 新任の豊田自工会副会長、伊東自工会副会長とも、「新会長の志賀氏をサポートしていく」と言い、自動車業界にとって困難なこの局面を力を合わせて乗り越えていく。

(編集部:谷川 潔)
2010年 5月 20日