日産自動車は、「GT-R」を11年モデルにマイナーチェンジし11月17日に発売する。今回のマイナーチェンジでは、走りの感動を提供すると言う「Club Track edition」と、造りの感動を提供すると言う「EGOIST」をラインアップに追加した。価格は、869万4000円～1575万円。

11年モデルとなったGT-R

　GT-Rは、2007年12月の発売以来、2008年12月に最初の仕様変更を受け、2009年2月にハイスペックモデル「Spec V」を追加。2009年12月には2度目のマイナーチェンジが行われた。今回のマイナーチェンジは3度目のものになる。

　11年モデルのGT-Rは、「世界最高のマルチパフォーマンスと意のままに操る快感」をテーマに開発したと言い、エクステリアは空力性能向上アイテムを織り込みながら安定感と迫力を向上させ、インテリアはよりスポーティなものとしている。

　エンジン、トランスミッションについては、空燃比を変更し、インレットパイプ径の拡大などによる吸気抵抗の低減とエキゾーストパイプ断面の拡大などによる排気抵抗の低減を実現。10･15モード燃費を8.5km/Lに向上させながら、最高出力を357kW（485PS）/6400rpmから390kW（530PS）/6400rpmに、最大トルクを588Nm（60.0kgm）/3200～5200rpmから612Nm（62.5kgm）/3200～6000rpmに向上。Spec Vのみが持つハイギヤードブースト使用時には632Nm（645kgm）/3600～5600rpmとさらなる高トルク化が図られる。

　高性能なイメージを演出するため、エンジンのヘッドカバーが赤色となったほか、高速道路や一般道の走行時に実用燃費の向上や、足首の疲労軽減のため、駆動トルクを最適化し、シフトスケジュールを変更するSAVEモードを新設。トランスミッションとVDC-RでRモードを選択した際の発進性能を向上させるなどの変更が行われている。

風洞試験イメージ
LEDハイパーデイライト	LEDリアフォグランプ

エンジンヘッドカバー	カーボン製ストラットサポートバー	カーボン製ストラットサポートバー
ダッシュボードサポートメンバー	Φ390大径ローター	アルミホイール

インテリア（ブラック）
インテリア（グレー）
Black editionの専用インテリア（ブラック）
ステアリングホイール	カーボンクラスターフィニッシャー	新設されたSAVEモード

　ボディーまわりにおいては、エンジンルームの隔壁に高剛性・軽量のアルミハニカム入りカーボンコンポジット製ストラットサポートバーを設定。高精度なGセンサーをダッシュ部の検査に追加するなどで、より厳密な生産精度を追求。エクステリアでは、Cd値を0.27から0.26へと向上させつつ、新造形のフロントバンパー、リアバンパーエアアウトレットなどでフロントとリアのダウンフォースを約10％増加。ボディカラーに、メテオフレークブラックパールと、オーロラフレアブルーパールの新色2色を追加し、全6色としている。

オーロラフレアブルーパール	メテオフレークブラックパール	ブリリアントホワイトパール
ダークメタルグレー	バイブラントレッド	アルティメイトメタルシルバー

　新グレードであるClub Track editionは、サーキット走行専用のGT-Rで、特約サービス工場協会（Authorised Servicefactory Association）がサーキット専用部品を装着して販売するもの。Club Track edition購入者向けに、レーシングスクールや、専用のレースを楽しめるようなプログラムも用意される。

Club Track editionのインテリア

　EGOISTは、購入者の要望に応え、世界で1台のGT-Rを提供する特別なグレード。インテリアは、アッパーカラー4色、ロアカラー10色の合計20種類の組合せから選択可能で、購入者のドライビングポジションにあわせて専用セッティングされるBOSEオーディオが用意される。カーボン製リアスポイラー、レイズ製アルミ鍛造ホイール、チタンエキゾーストシステムなど、Spec Vと同様の走りにこだわるパーツも装着される。

EGOIST（アルティメイトオパールホワイト）
EGOISTは専用エンブレムやSpec Vと同様のカーボン製リアスポイラーなども装備する

EGOISTのインテリア

Spec V

Spec Vのインテリア

　11年モデルのGT-Rでは、このほかさまざまな個所を変更しており、その詳細についての発表会を開催している。発表会の模様については、追ってお届けする。