日産、新型「モコ」発表会を開催
モコは「お気に入りのシートでテレビを見ながらくつろいでいるような雰囲気」

日産自動車 常務執行役員 片桐隆夫氏と新型モコ

2011年2月15日開催



 日産自動車は2月15日、同日発売した新型「モコ」の発表会を同社グローバル本社ギャラリーで開催した。

 新型モコは、スズキ「MRワゴン」のOEMモデル。同社が2002年に初めて軽自動車市場へ投入したモデルがモコで、2010年10月までに累計48万台を販売し、今や同社の主力モデルに位置づけられる。

 先代モコでは「ボディーカラー」「小回りのききやすさ」「内装のデザイン」「スタイル・外観」「品質・仕上げのよさ」が好評だったとし、これを新型モコでも継承。一方で加速性能、視界、室内の広さ、燃費性能といった点で改善要望が多かったと言い、今回のモデルチェンジではこうした点が強化された。

 搭載エンジンはベースモデルと同じく、新開発の直列3気筒 DOHC R06A型エンジンを搭載。スタンダードグレードのSシリーズ、装備を充実させたXシリーズが自然吸気エンジン、上級グレードのGシリーズがターボエンジンとなるほか、それぞれに2WD(FF)、4WDが用意される。

 なお、新型モコは内外装でベースモデルから一部変更を行っているが、同仕様のモデルを選択しても価格に変わりはなく、戦略的な値付けがなされている。

発表会会場には新型モコで用意されるボディーカラー全色が展示してあった。写真はメインカラーのモコベリースノーパールホワイトカシミールブルー
ミルクティーベージュアロマティックアクアアーバンブラウン
スタンダードグレードのモコ S(2WD)。プッシュエンジンスターター、インテリジェントキー、タイヤ空気圧警告灯などが簡略化されるものの、必要十分な機能が備わる。そのほか、Sグレードのみリアシートはシングルフォールディングとなる(X/Gシリーズはダブルフォールディング)
モコ S(2WD)のインテリア。全グレードとも内装色はブラウン、シート地はジャージ
モコ G(2WD)。上級グレードのGグレードのみターボエンジンを搭載
47kW(64PS)/6000rpm、最大トルク95Nm(9.7kgm)/3000rpmを発生する直列3気筒 DOHC R06A型エンジンGグレードは14インチアルミホイールを装備。タイヤサイズは155/65 R14(そのほかのモデルは145/80 R13)

日産自動車 常務執行役員 片桐隆夫氏

 発表会の冒頭、日産自動車 常務執行役員 片桐隆夫氏が登壇し、同社における軽自動車市場の概況を説明した。片桐氏によれば、日産車ユーザーのうち約2割が軽自動車を選択しており、とくに20~30代の女性の3割強が軽自動車を購入していると言う。

 こうしたことから、同社でも軽自動車市場は「大変重要な市場」(片桐氏)に位置づけられるとし、他社との協力関係を築き上げながら「今後お客様のさまざまニーズに応えられるよう、常に魅力ある製品をご用意し、お客様の商品選択の幅を広げていきたい」と述べた。


商品企画本部 日本商品企画室 リージョナルプロダクトマネージャー 藤山修氏

 新型モコの商品概要については、商品企画本部 日本商品企画室 リージョナルプロダクトマネージャー 藤山修氏が説明を行った。

 新型モコの商品コンセプトは「上質で心地よい私のための新しい空間」で、以下の3点がアピールポイントとなる。

・洗練されたインテリアデザイン
・開放感あふれる心地よいインテリアスペース
・クラストップレベルの燃費性能

 エクステリアデザインでの特徴はフロントまわりで、安定感としっかり感のあるバンパーや横長グリル、シャープかつかわいらしさを表現したヘッドランプの採用により、一目でモコと分かるデザインに仕上げたと言う。

 インテリアデザインでのポイントは、ピアノブラック調のセンタークラスターと、それを強調するドア部まで回りこんだライトグレーカラーのパネルによるコーディネーションで、藤山氏はこれを「これまでの軽自動車になかった、モダンで品質感のあるデザイン」と表現する。

 また、オーディオもピアノブラック調のデザインとしたほか、タッチパネルでの操作やUSB経由でデジタルオーディオプレーヤーと接続できることなどを例に挙げ、「若者言葉で言うと“イマドキ感”のある最新のオーディオ」と紹介。

 インテリアスペースは開放感溢れる心地よい室内に仕上げたとし、これは、先代モコよりも長いホイールベースと、Aピラーアングルを立たせることで広くなったガラスエリアによるものと言う。

 また、新型モコに採用した千鳥格子柄のファブリックシートは、「ユーザーがなじみやすい定番のファッション柄を用いてシックにアレンジした」と述べるとともに、「心地よいリビングのお気に入りのシートに座って、最近購入したデジタルテレビを見ながらくつろいでいるような雰囲気」をイメージしてデザインしたと藤山氏は言う。

 燃費性能については、新開発の直列3気筒 DOHC R06A型エンジンに副変速機付きCVT、新プラットフォームの採用により、先代モコの2WD車(自然吸気エンジン/4速AT)が22.0km/Lだったのに対し新型モコの2WD車(自然吸気エンジン/CVT)が25.5km/L、先代モコの4WD車(自然吸気エンジン/4速AT)が19.6km/Lだったのに対し新型モコの4WD車(自然吸気エンジン/CVT)が23.0km/Lと、大幅に燃費性能が向上したことを紹介。これにより、ターボ車を含めすべてのパワートレーンでエコカー減税(環境対応車普及促進税制)に適合したことをアピールしていた。

商品コンセプトは「上質で心地よい私のための新しい空間」エクステリアデザインの特徴
インテリアデザインは、ピアノブラック調のセンタークラスターとライトグレーカラーのパネルによるコーディネーションカラーを採用タッチパネル式オーディオはインストゥルメントパネルと一体型とし、4.3インチのカラーディスプレイを内蔵。iPodなどのデジタルオーディオプレーヤーと接続できるほかバックビューモニター機能もつく2425mmのロングホイールベースや広いガラスエリアによって開放感のあるインテリアに仕上がった
先代モコと新型モコとの比較先代モコと比べ、室内長を180mm拡大し、軽ハイトワゴンではトップレベルの室内空間を確保千鳥格子柄のファブリックシートを採用した
新型モコの10・15モード燃費。2WDで25.5km/L、4WDで23.0km/Lを実現したボディーカラーは全6色を用意

 なお、発表会は2部構成で行われ、第2部ではファッションモデルの長谷川理恵さんと、新型モコのTV CMに出演するファッションモデルの一井沙織さんによるトークショーが開かれた。

 さながら“女子会”の様相を呈していたトークショーでは、一井さんがTV CMの撮影中に宙づりになったことなどの苦労話や、2人ともドライブや温泉が好きで、箱根によく行くことなどを紹介していた。

長谷川理恵さん一井沙織さん

(編集部:小林 隆)
2011年 2月 15日