IEEJ、東北地方・首都圏の燃料油不足は追加供給などで解消へ
被災地への流通体制は徐々に改善

2011年3月23日発表



 IEEJ(日本エネルギー経済研究所)は3月23日、「東日本大震災による石油需給への影響について」と題したリポートを発行した。この中で、東北地方や首都圏の燃料油不足は、石油会社や政府の燃料油の安定供給対策の強化により徐々に改善されつつあるとし、被災した原油処理能力の復旧、西日本の製油所の稼働率引き上げ、民間備蓄義務日数のさらなる引き下げによる製品の追加供給、製品輸入拡大などにより、燃料油不足は解消に向かうとしている。

 ただし、東北地方の被災地隅々までについては、十分な流通体制確保に向けて、さらなる立て直しが必要と言う。これらの具体的な対応策は下記のとおり。

原油処理能力が震災直前とほぼ同水準へ
 操業を停止していた3個所の製油所(東燃川崎、極東千葉、JX根岸)が稼働を再開。約78万B/D(バレル/日)の処理能力が復旧した。これにより、震災直前とほぼ同水準の能力(約390万B/D)が確保された。さらに、西日本の製油所の稼働率が約80%から95%以上に引き上げられ、さらなる増産体制に入っている。

民間備蓄義務日数を22日分引き下げ
 3月21日に、政府が民間備蓄義務日数を22日分引き下げ、これにより約924万kLの石油製品の追加供給が可能となる。すでに3月14日に3日分引き下げられており、累計の引き下げ日数は25日分(備蓄義務日数は70日分から45日分)。

緊急製品輸入と輸出停止
 緊急製品輸入約45万kL強と、輸出停止分約65万kLの計約110万kLの石油製品を新たに確保(石油連盟発表ベース)。

 東北地方の流通体制に関しては、鉄道(タンク貨物)による配送ルートの確立、配送のためのタンクローリーを300台追加により、合計700台分の供給体制が確保される見通しで、徐々に改善の状況が見られるとしている。また、塩釜港への石油タンカー着桟可能により、塩釜油槽所(エクソンモービル、出光興産)の機能回復が図られ、被災地への出荷が始まっている。

 なお、価格については、エクソンモービル、出光興産、昭和シェル石油、JX日鉱日石エネルギーが特約店に対して卸価格を据え置きで設定しているとしている。

 以上のことから、国内の石油製品の供給能力は十分にあり、買いだめなどの行為がなければ首都圏の石油製品不足は解消されるとしている。

 経済産業省もガソリン・軽油等の供給確保に関する資料を公開しており、民間備蓄義務日数の22日分引き下げなどにより、3月21日から関東圏向けの出荷量は平年並みに回復していると言う。また、東北地方(被災地)向けには、IEEJと同様の内容のほか、ドラム缶による大量輸送、LPガス対策を図っているとしている。

(編集部:谷川 潔)
2011年 3月 23日