ジャガー、ニューヨークショーで「XF」「XK」「XJ」の2012年モデル公開

2011年4月20日(現地時間)発表



 ジャガー・カーズ・リミテッドは、2011ニューヨーク・インターナショナル・オートショー(2011年4月20日~5月1日)において「XF」「XK」「XJ」の2012年モデルを公開した。

XF

XFシリーズ
 XFシリーズのエクステリアは、ヘッドランプに独自の「Jブレード」パターンのランニングライト用LEDランプを組み込むとともに、ダブル機能と呼ばれるHIDキセノン技術を採用。テールランプは全面的に見直され、トランクリッドの中央上部まで伸びた。ブレーキランプ、テールライト、シグナルランプのすべてにLEDを採用。ボディーカラーは3色の新色が追加され、アルミホイールは17インチから20インチまでの選択肢が与えられた。

 インテリアでは新しいシートとインストゥルメントパネルを採用したほか、Bowers&Wilkins製オーディオなど3タイプのオーディオシステムを用意。オーディオシステムにはHDDベースのGPSナビゲーションシステムを組み入れることが可能なほか、内蔵するメモリーに最大10枚のCDをコピーして再生が可能なバーチャルCDマルチチェンジャーが付属する。

 パワーユニットでは、新たに低摩擦のピストンと水冷式ターボチャージャーを採用した2.2リッターAJ-i4Dターボディーゼルエンジンを搭載。アクティブエンジンマウントやエンジンブロックなどを見直すことで、NVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)レベルを低減し、これまで搭載していたV型6気筒 2.7リッターエンジンと遜色ない乗り心地を実現したと言う。最高出力は190PS/3500rpm、最大トルクは450Nm/2000rpm。最高速は225km/h、0-100km/h加速は8.5秒としている。

 AJ-i4Dエンジンに組み合わせられるトランスミッションは新開発のZF製8速ATで、ギアシフトを0.2秒で完了させる。また軽量素材を使ったことで総重量を従来の6速ATと同等としながら、ポンプの設計とギアコントロールのエレメントを改善した結果、燃費効率が向上。

 さらに、AJ-i4Dエンジン搭載車には新開発のアイドリングストップシステム「インテリジェント・ストップ/スタート」が採用される。同機構はクルマの停止後、0.3秒で自動的にエンジンを停止させるもので、これにより燃費消費とCO2排出量を5~7%低減できるとしている。

 なお、AJ-i4Dエンジン搭載車は、日本市場へは導入されない。

 グレードはディーゼルエンジンのXF 2.2D、XF 3.0L V6D、XF 3.0L V6D Sと、ガソリンエンジンのXF 3.0L V6、XF 5.0L V8 NA、XF 5.0L V8 SCの6モデルを展開する。

XKR クーペ

XKシリーズ
 XKシリーズでは、ヘッドランプの形状がスリム化するとともに、LEDシグナル機能やランニング・ライトが組み込まれた。フロントウィングに沿ったパワーベントは、縦型のデザインからメッシュインサートの入った横型のデザインに変更している。

 エンジンにV型8気筒の自然吸気またはスーパーチャージャーをラインアップするのはこれまでどおりだが、SGDI(多孔式スプレーガイデッド燃料インジェクション)やDIVCT(トルク駆動可変カムシャフトタイミング)といった最新のテクノロジーを採用し、燃費効率を改善した。

 また、ジュネーブモーターショーで発表された、550PS/680Nmを発生する改良型のスーパーチャージャー付きV型8気筒エンジンを搭載する新型XKR-Sもラインアップする。

 そのほか、フロントのダブルウィッシュボーンサスペンションは、新しいステアリング・ナックルにより改良が施され、より高いレベルの接地性を実現。リアのサスペンションスプリングレートは28%高められている。

 グレードはV型8気筒 自然吸気エンジンのXK クーペ、XK コンバーチブル、V型8気筒 スーパーチャージャーエンジンのXKR クーペ、XKR クーペ スピードパック、XKR コンバーチブル、XKR コンバーチブル スピードパック、XKR-S クーペの7モデル。

XJ

XJシリーズ
 XJシリーズには、新たにV型6気筒 3.0リッターガソリンエンジンを追加(日本へは導入されない)。

 また2012年モデルでは、キャビンにおいていっそうのカスタムメイド化が可能になった。新たに設定された「リアシートコンフォートパッケージ」には、電動バックレストのリクライニング角度調整機能、4方向ランバーサポート機能、マッサージ機能が付くほか、左右の角度が調整できる新型ヘッドレストとフットレストも用意される。

 ロングホイールベースのPortfolioでは、新設定の「エグゼクティブパック」が利用可能になった。これはXJの後部を高速のモバイルオフィスに変えるというもので、ラップトップPCを置くための折りたたみ式トレイや、プライバシー確保のための電動リアサンブラインドが用意される。同パッケージには、グレードアップされたカーペット、ウッドとレザーを組み合わせたステアリング、グロス仕上げのウッドパネル、クロムミラーハウジングが含まれる。

 そのほか、従来ではSupersportにのみ提供していた「イルミネーションパッケージ」を、オプションで設定するとともに、新たなインテリアカラーの組み合わせをセレクトできるようになった。

 グレードはディーゼルエンジンのXJ 3.0L V6D、ガソリンエンジンのXJ 3.0L V6、XJ 5.0L V8 NA、XJ 5.0L V8 SC、XJ 5.0L Supersportの5モデル。

(編集部:小林 隆)
2011年 4月 22日