フォルクスワーゲン、“プレミアム&サプライズ”の新型「パサート」発表会 東京モーターショーに新型「ビートル」を展示 |
フォルクスワーゲン グループ ジャパンは5月19日、新型「パサート」の発表会を都内で開催した。
7代目となるパサートは、ミッドサイズサルーンに1.4リッター直噴ターボエンジンと7速デュアルクラッチAT、アイドリングストップ機構などを搭載したダウンサイジング車となった。
こちらはヴァリアント |
正本本部長 |
■ミッドサイズセグメントの変化に合ったパサート
同社マーケティング本部の正本嘉宏本部長は、パサートが属するミッドサイズセグメントでは、「エコ」「ダウンサイジング」、そして豪華さやステータスシンボルとしてのクルマよりも、上質、個性的、機能美といった「知的な付加価値」を重視する傾向が出てきており、「新型パサート導入は新しい時代の流れに乗る絶好のチャンス」「今の時代に合った新しい、賢い選択」と言う。
特にダウンサイジングは、以前は排気量2リッター以上が半数以上を占めていたが、現在では1.8リッターが伸びており、「排気量神話が崩壊している」と言う。また、国産車のミッドサイズセグメントは市場自体が縮小傾向にあったが、トヨタ「SAI」やレクサス「HS250h」といったハイブリッド車の登場によりまた増えつつあると言う。
輸入車は依然としてミッドサイズ以上が半数近くを占め、重要なセグメントとなっている | 国産では縮小傾向だったミッドサイズだが、ハイブリッドの登場で息を吹き返した | 輸入車のミッドサイズはダウンサイジング傾向に |
顧客のマインドは、低燃費志向になり、豪華さやステータスよりも「知的な付加価値」「自分の満足」を求めるように |
ダウンサイジングと言えばフォルクスワーゲンはその嚆矢。ラインアップする全車に直噴エンジンを搭載しており、直噴ターボエンジン「TSI」とデュアルクラッチAT「DSG」を組み合わせたダウンサイジングモデルは、いまや販売の9割を占めると言う。
新型パサートは全長4785mmのボディーに90kWのパワーユニットと7速DSGを載せ、10・15モードでハイブリッド車に迫る18.4km/Lの燃費をマークしている。「ハイブリッド車の燃費がカタログ値と大きく乖離する事を考えると、TSIは大きな経済的メリットをもたらす」。一方で、TSIならではの豊かな低速トルクを生かしたドライバビリティも魅力と訴えた。
こうした、ミッドサイズセグメントの上質感と経済性の両面性を、プロモーションでは「プレミアム&サプライズ」というメッセージで訴えていく。
ドリザス社長 |
■東京モーターショーに新型「ビートル」
ゲラシモス・ドリザス社長は、「パサートは(同社のシンボルとも言える)ゴルフより1年早く誕生した、初めて自社で開発した前輪駆動車」であり、4WDシステム「シンクロ」、直噴ディーゼルエンジン、W型8気筒エンジンといった新技術を取り入れてきた歴史があることを述べ、7代目は「このクラスの従来の価値観に挑戦するもの」と、その革新性をアピールした。
フォルクスワーゲングループの2011年第1四半期(1月~4月)の全世界での販売台数は、北米や中国での伸びが著しく、前年同期比13.9%増の266万台。
一方で、日本は6%減。これは、受注が順調なものの、4月末で3500台の受注残が出たように、世界的な供給不足が響いていると言う。
2011年はこの後、ゴルフ カブリオレの投入を予定。2012年には新型ビートルも投入し、この2台はすでに参加を発表している東京モータショー2011(12月開催)で展示すると言う。
歴代パサート | フォルクスワーゲングループの2011年第1四半期は前年比13.9%増 | 日本は供給不足で6%減 |
東日本震災への支援も | 「オーナーズパス」を今年後半から導入 | ゴルフ カブリオレを秋に導入 |
新型ビートルは2012年 | 東京モーターショーに新型ビートルを展示する |
(編集部:田中真一郎)
2011年 5月 19日