マツダ、次世代技術「スカイアクティブ」エンジン搭載の「デミオ」受注開始 燃費30.0km/Lの「13-SKYACTIV」は140万円から |
マツダは6月9日、コンパクトカー「デミオ」のマイナーチェンジを行うとともに、新グレード「13-SKYACTIV」を設定し、予約受注を開始した。価格は114万9000円~162万1750円で、13-SKYACTIVは140万円。発売は6月30日予定。
グレード | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 | 減税レベル |
13-SKYACTIV | 直列4気筒DOHC 1.3リッターDISI(i-stop) | CVT | 2WD(FF) | 140万円 | 75% |
13C | 直列4気筒DOHC 1.3リッター | 5速MT | 114万9000円 | 50% | |
4速AT | 114万9000円 | 50% | |||
4WD | 137万2250円 | - | |||
13C-V | CVT | 2WD(FF) | 129万円 | 75% | |
15C | 直列4気筒DOHC 1.5リッター | 5速MT | 133万5000円 | - | |
CVT | 133万5000円 | - | |||
SPORT | 5速MT | 162万1750円 | - | ||
CVT | 162万1750円 | 50% |
今回のマイナーチェンジにより、直列4気筒DOHC 1.3リッターエンジンを搭載する「13C」「13C-V」、直列4気筒DOHC 1.5リッターエンジンを搭載する「15C」「SPORT」に加え、次世代技術の総称「SKYACTIV(スカイアクティブ)」の第一弾である直列4気筒DOHC 1.3リッター直噴ガソリンエンジン「スカイアクティブ-G 1.3」を搭載した、13-SKYACTIVの5グレードとなる。
とくに13-SKYACTIVでは、同社の理念でもある「上質な走り」を核に、「エコ&ファン・トゥ・ドライブのサポート」、「ガソリン車の燃費追求:30km/L(10・15モード)」、「クラストップの安全性能」の4点を魅力のポイントに掲げた。
13-SKYACTIV | ||
13-SKYACTIVでは、専用エンジンカバーが備わるとともに、ヘッドランプのブルーリング、バッヂ、ルーフスポイラー、LEDリアコンビネーションランプ、14インチアルミホイールが装着される | ||
13C-V | SPORT | |
SPORTは専用装備としてディスチャージヘッドランプ、チューンドサスペンション&大径ブレーキローター、16インチアルミホイールを備える |
13-SKYACTIV | 13C(2WD/4速AT) | 15C(CVT) | |
乗車定員 | 5名 | ||
ボディーサイズ(全長×全幅×全高)[mm] | 3900×1695×1475 | ||
室内サイズ(長さ×幅×高さ)[mm] | 1815×1425×1220 | ||
ホイールベース[mm] | 2490 | ||
トレッド(前/後)[mm] | 1485/1475 | 1475/1465 | |
重量[kg] | 1010 | 990 | 1000 |
エンジン | 直列4気筒DOHC 1298cc | 直列4気筒DOHC 1348cc | 直列4気筒DOHC 1498cc |
最高出力[kW(PS)/rpm] | 62(84)/5400 | 67(91)/6000 | 83(113)/6000 |
最大トルク[Nm(kgm)/rpm] | 112(11.4)/4000 | 124(12.6)/3500 | 139(14.2)/4000 |
燃料消費率(10・15モード燃費)[km/L] | 30.0 | 21.0 | 20.0 |
燃料消費率(JC08モード燃費)[km/L] | 25.0 | 18.2 | 17.8 |
燃料タンク容量[L] | 35 | 41 | |
トランスミッション | CVT | 4速AT | CVT |
サスペンション形式[前/後] | マクファーソンストラット/トーションビーム | ||
ブレーキ[前/後] | ベンチレーテッドディスク/ドラム | ||
タイヤサイズ[前/後] | 175/65 R14 |
13-SKYACTIVのトピックは、14.0という高圧縮比を実現したスカイアクティブ-G 1.3エンジンを搭載したこと。
一般的に圧縮比を高めると、トルクや燃費性能を高めることができるが、従来エンジンの構造のままだと自己着火(ノッキング)が発生しトルクは低下してしまう。そのため、同社では排出ガスの一部を冷やして燃焼室に再び戻し、ノッキングを抑制する「クールドEGR(排気再循環)」を採用したほか、筒内冷却効果を高めてノッキングを効果的に抑える新開発の「マルチホールインジェクター」、ピストン頭頂部と火炎の接触を抑えることで燃焼期間を短縮し、冷却損失を抑える「キャビティ付きピストン」、高出力と低燃費を両立する「デュアル S-VT(可変バルブタイミング機構)」などを組み合わせることで、とくに低回転高負荷領域での燃費改善に成功した。
13-SKYACTIVはエンジンアンダーカバーやセンターフロアアンダーカバー(左右)、フューエルタンクアンダーカバーといった空力パーツを積極的に採用し、Cd値0.29を実現 |
また、ピストンやコンロッドの軽量化、ピストンリングの張力低減などを行いエネルギーロスを排除するとともに、アイドリングストップ機構「i-stop」を改良して作動頻度を高めた。
さらに、13-SKYACTIVではエンジンアンダーカバーやリアルーフスポイラーといった空力パーツが加えられており、これらによってCd値0.29を実現。加えて、ドライバーのアクセル、ステアリング、ブレーキ操作や車速の変化を検知して低燃費運転をサポートする「i-DM(インテリジェント・ドライブ・マスター)」を採用した。
こうした低燃費に向けたさまざまな技術を盛り込むことで、10・15モード燃費30.0km/L、JC08モード燃費25.0km/Lを達成、エコカー減税(環境対応車普及促進税制)により自動車取得税および自動車重量税が75%の減税となる。
シミュレーションを駆使した設計によって機械抵抗の低減と静粛性を両立した | 機械抵抗を低減するさまざまな技術 | 冷却損失を抑えるキャビティ付きピストン |
ノッキングを抑制するクールドEGR | スカイアクティブ-G 1.3エンジンの性能曲線 | i-stopの作動イメージ |
i-DMはメーターディスプレイ内に備わり、ランプの色、ゲージの点灯によってリアルタイムに運転操作に対する判定を表示。運転終了後には運転操作に対するスコアとアドバイス、運転スキルレベルを示す3段階の「ステージ」も表示される |
燃費性能をブラッシュアップした一方で、ドライビングフィールの向上も図られた。
具体的には、リアトレーリングアームのマウント部のブッシュ特性の変更や、ダンパーチューニング、ボディー剛性を向上させた(全グレード共通)。また、エンジンとトランスミッションを協調制御してトルクを発生させる駆動力制御方式のCVTの採用などにより、操縦安定性を高めるとともに快適な乗り心地を実現したと言う。
加えて、上質な走りを実現するべく全グレードでフロントウインドーに遮音ガラスを採用し風騒音を低減したほか、ロードノイズを低減するアルミホイール、背もたれをネット化し低周波の振動低減を図った軽量フロントシートを採用。13-SKYACTIVはエンジン音質の改善も図られている。
フロントサスペンション(左)とリアサスペンション | |
リアサスペンションのブッシュ取り付け角度(スグリ方向)を変更するとともに、サスペンション取付部の局部剛性を向上させたことなどにより操縦安定性を高め、突き上げ感を抑えた乗り心地を実現した |
エクステリアでは5ポイントグリルを採用したフロントマスクに変更したほか、13-SKYACTIVでは専用の14インチアルミホイール、ブルーメタリック塗装のエンジンカバー、ブルーリング付きヘッドランプ、専用リアバッヂなどを備え、他モデルとの差別化を図っている。
ボディーカラーは13-SKYACTIV専用色として設定するアクアティックブルーマイカ、新色のバーガンディレッドマイカを含む全11色を用意。
インテリアではシート生地を刷新するとともに、メーターパネルのブラック化、インストゥルメントパネルのシルバー加飾などで質感を高めた。カラーはブラックとライトグレーの2色を設定し、ブラックのシートにはダークレッドのラインが、ライトグレーのシートにはダークグレーのラインがあしらわれる。
13-SKYACTIVのインテリア | ||
13-SKYACTIV専用メーター | マガジンラック付きグローブボックス | センターコンソールトレイにはカップホルダーが備わる |
運転席には2つのアッパーポケットがある | 運転席のロアボックス | フロントドアのボトルホルダー付きドアポケット |
SPORT専用のブラックアウトメーター | SPORTは本革巻きステアリング |
SPORTはステアリングシフトスイッチが備わる | SPORT専用シート(スポーティブラック) |
(編集部:小林 隆)
2011年 6月 9日