「インディジャパン ザ ファイナル」に参戦する佐藤琢磨選手、武藤英紀選手が来社
最後の日本開催レースが9月16日~19日に開催


 9月16日~19日の日程で開催される、「2011 IZOD インディカー・シリーズ 第15戦 インディジャパン ザ ファイナル」。そのプロモーションのため、佐藤琢磨選手と、先日同レースへのスポット参戦が発表されたばかりの武藤英紀選手が来社してくれた。

 ツインリンクもてぎで1998年から行われてきたインディカー・シリーズは、14年目となる今年のレースで幕を閉じることとなり、震災の影響の残るオーバルコースではなく、ロードコースでの開催となる。

「トップチェッカーを受けるのが一番の目標」と佐藤選手
 参戦2シーズン目を迎え、今季ポールポジションを2回獲得している佐藤選手は、「昨シーズンはほとんど初めてづくしで、テストもままならない状態でした。でも今年はインディカー・シリーズがどんなものか分かってきたし、チームとのコミュニケーションもよくなってきた。チームのパフォーマンスも上がっているし、自分自身も勉強したこともあってか、思い描く週末の過ごし方ができるようになってきました。今シーズンは予選でポールを、それもオーバルとロードの両方で獲れたのは達成感もあるし、自信にもつながりました。チーム全体のモチベーションも上がってきています。決勝のリザルトは満足できるところまで行っていませんが、スピードという部分では着実に伸びています。ここまでの経験を活かし、今回のもてぎを集大成としてベストをつくしたいです。もちろんトップチェッカーを受けるのが一番の目標」と、力強くコメントしていた。

武藤選手は「琢磨さんといいバトルを」
 一方、昨年まで3シーズンにわたりインディカー・シリーズを戦ってきた武藤選手は、今季はTV中継の解説者として同シリーズに関わる傍ら、日本国内ではSUPER GTに参戦中だ。今回のインディジャパンへのスポット参戦が決まったことを非常に喜んでいると言う。「久々にインディを走れることを本当にうれしく思っています。3年間やってきて、優勝するのがどれほど大変か分かっていますが、できるだけトップ争いに絡めるよう、そして琢磨さんと一緒にレースができるので、いいバトルができるよう頑張ります。参戦体制は、現状で選べる中でベストなチームだと思います。去年まで使用していた自分の型を取ったシートも使えるし、ペダル類のデータもコピーできるので、そのあたりの心配はありません。思ったよりもスムーズに(試合に)入っていけるのではと感じています」(武藤選手)。

 もてぎロードコースでの開催は初めてのことになるわけだが、それだけに参戦者全員がイコールコンディションとなる。これについて佐藤選手は、「これまでの歴史を振り返ると、どこどこのコースではあのチームが強いという傾向はありますが、今回は誰もデータがない状態で走るので、それがなくなります。そういう意味ではいつもと違う展開になるかもしれません。もちろん有力チームは確実に上位にくると思われますが、一番の伏兵は英紀(武藤選手)ですね(笑)」とコメントしていた。

バトルの見どころ
 大小14のコーナーで構成されるもてぎのロードコースにおいて、最大のパッシングポイントとなるのは、やはり他のカテゴリーのレースと同様、奥のヘアピンを越えてダウンヒルストレートを下ったところの「90度コーナー」と呼ばれている場所になると思われる。また、「路面がフラットで走りやすい。セーフティゾーンも広く、すごく安全なサーキット」と武藤選手が評するコースは、震災後に7割が再舗装されたとのことで、さらにスムーズな路面となっている。

 また、タイヤについてはオーバルではワンスペックになるが、ロードの場合はソフトとハードの両方を使わなければならないと佐藤選手は言う。そのため、追い抜きが難しいといわれるサーキットでも、スティントによってタイヤによる速度の差が出てくるので、それによるバトルも見どころとのことだ。

母国レースへの想い
 両選手にもてぎに関するエピソードを聞いたところ、佐藤選手は「インディジャパンは去年が初めてで、自分にとっては3年ぶりの母国レースでした。ファンの皆さんが大勢きてくれて、大声援で応援してもらえる中で走れるレースというのは、やっぱり素晴らしいなと思いました。コースについて、実はもてぎのロードコースに関してはレースで走ったことはなくて、イベントのデモラン等で走った程度。あまり経験がないので、僕は英紀に攻略法を色々と教えてもらおうと思っています(笑)。でも、もともとロードをメインに走ってきたので、その意味ではより自然体で臨めるかなと思います」とコメント。

 武藤選手は、「2002年にフォーミュラドリームで走ったのが初めてで、最初の練習で走ったのももてぎだし、その後にF3で初優勝したのももてぎだった。ロードコースに関しては得意と言うか、相性がよいと思っています。ところがインディカーでは3回チャレンジしているのですが、予選でクラッシュしたり、なかなか思うような結果が残せず、悔しい思いをしてきました。今回が最後の挑戦になりますが、その分頑張りたいと思います」と力強く宣言。

 さらに両選手は、「まずは2人とも上(の順位)に行かないとダメですね(笑)。なるべく早く上に行って、同じような順位になったときは、激しくクリーンなバトルをしたいです、願わくば一番前のほうで(笑)」と佐藤選手が述べると、武藤選手は「琢磨さんと走るのは楽しみです。今年は解説で、琢磨さんがブラジルでもう少しで優勝しそうになったり、ロードでポールポジションを獲ったり、常に先頭集団を走っているシーンをずっと見てきた。琢磨さんとバトルができる=先頭集団を走ることだと思うので、そこでバトルできるように頑張ります」と答えてくれた。

 そして、最後に佐藤選手は「あまり最後、最後というと悲しくなりますが、メモリアルなレースなので、ぜひもてぎに足を運んで、応援に来てください」、武藤選手は「スポット参戦に向けて動いているころ、ファンの方々からインディジャパンには何としても参戦して欲しいと、たくさんの応援メッセージをいただきました。その恩返しという思いも込めて、最後のインディジャパンを締めくくるに相応しい、いい走りをしたいと思います」と、両選手ともファンに向けたメッセージを述べてくれた。

 佐藤選手、武藤選手が参戦するインディカー・シリーズ。日本人初優勝の期待もかかるこの一戦、両選手の活躍する姿を見届けるべく、ぜひ多くの皆さんにツインリンクもてぎに応援をしに行って欲しい。

 同イベントのスケジュールは以下のとおり。日によってドライバーサイン会、チャリティオークション、同乗体験走行、サーキット施設見学などのほか、決勝前夜には歴代日本人選手によるトークショーや、佐藤&武藤選手によるトークショーを行う前夜祭も行われるので、詳細はツインリンクもてぎのWebサイトを確認されたい。

・9月16日:フレンドシップデイ/練習走行
・9月17日:公式予選/前夜祭
・9月18日:決勝レース/フェアウェルイベント
・9月19日:アフターインディジャパンデイ
※チケット価格は大人(高校生以上)6000円~、子ども(3歳~中学生)500円~

(岡本幸一郎)
2011年 9月 9日