SUPER GT第7戦オートポリス、MOTUL AUTECH GT-Rが11台抜きの大逆転勝利
GT300は62号車 R&D SPORT LEGACY B4が今季2勝目

大逆転で優勝した23号車 MOTUL AUTECH GT-R

2011年10月2日決勝開催



 10月2日、2011 AUTOBACS SUPER GT 第7戦「SUPER GT in KYUSHU 250km」の決勝がオートポリス(大分県日田市)で開催された。GT500クラスは予選12位から驚異的な追い上げを見せた23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)が大逆転で今季2勝目。GT300クラスはポールポジションの62号車 R&D SPORT LEGACY B4(山野哲也/佐々木孝太)が独走で今季2勝目を挙げた。この結果、両クラスともチャンピオン決定は最終戦に持ち込まれた。

 全8戦で行われる2011 AUTOBACS SUPER GTシリーズは第7戦オートポリスでチャンピオン争いが最終局面を迎えた。GT500クラスでポイント1位の46号車 S Road MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)と、GT300クラスでポイント1位の4号車 初音ミク グッドスマイル BMW(谷口信輝/番場琢)が2位に21ポイント以上の差を付ければ、最終戦を待たず年間チャンピオンが決まることとなる。

 ポイントに応じて課せられるウエイトハンデは、前戦の第6戦まではポイントの2倍だったが、この第7戦はポイントの1倍。ポイント上位のチームは大幅にウエイトが減り、マシンの戦闘力がアップしている。

 オートポリスの天気は予選日(土曜日)は晴れ、決勝日(日曜日)は曇りだが雨の心配はない。オートポリスでのSUPER GTは昨年開催されなかったため2年ぶりとなる。高低差が大きく、中高速コーナーが多いコースレイアウトのため、高いコーナーリング性能が求められる。GT300クラスでは直線スピードの速いFIA-GT勢より、JAF-GT勢が有利となる可能性が高い。

GT500クラス
 GT500クラスは6戦を終えてGT-Rが3勝、HSV-010が2勝、レクサスSC430が1勝。ドライバーズポイントは46号車 S Road MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)が60ポイントで1位、2位の1号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)に8ポイント、3位の12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)に14ポイントの差を付けている。

 残り2戦なので、46号車 S Road MOLA GT-Rがここオートポリスで上位入賞し、2位以下に21ポイントの差を付ければ最終戦を待たずチャンピオン獲得となる。ポイント2位以下のチームは46号車 S Road MOLA GT-Rより前でチェッカーを受けることが必須条件と言えよう。

SUPER GT第6戦富士までのポイントランキング

順位マシン名(ドライバー名)ポイント
1位46号車 S Road MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)60
2位1号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)52
3位12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)46
4位17号車 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)41
5位23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)39
6位38号車 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平)35
7位39号車 DENSO SARD SC430(石浦宏明/井口卓人)29
8位100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)29
9位6号車 ENEOS SUSTINA SC430(伊藤大輔/大嶋和也)28
10位36号車 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー/中嶋一貴)28
11位24号車 ADVAN KONDO GT-R(安田裕信/ビヨン・ビルドハイム)23
12位19号車 WedsSport ADVAN SC430(片岡龍也/荒聖治)14
13位32号車 EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴)12
14位35号車 D'STATION KeePer SC430(脇阪寿一/アンドレ・クート)7
15位8号車 ARTA HSV-010(武藤英紀/小林崇志)7

 土曜日の予選でポールポジションを獲得したのは39号車 DENSO SARD SC430(石浦宏明)。開幕戦の富士、第6戦の富士に続き3回目のポールポジションだ。わずか0.001秒差の予選2位は46号車 S Road MOLA GT-R(ロニー・クインタレッリ)。またしてもミシュランタイヤ勢がフロントロウを独占した。

 第4戦のSUGOではポールポジションが46号車 S Road MOLA GT-R、2位が39号車 DENSO SARD SC430となっており、予選のミシュランタイヤ勢独占は4回目、46号車 S Road MOLA GT-Rは第5戦鈴鹿でもポールポジションを獲得しているので、ミシュランタイヤは7戦中5戦でポールポジションを獲得している。

 予選3位にはドライバーズポイント4位の17号車 KEIHIN HSV-010が入ったが、ドライバーズポイント2位の1号車 ウイダー HSV-010は予選6位、さらに決勝日朝のフリー走行で黄旗区間での追越しのペナルティを受け10番グリッドからのスタート。ドライバーズポイント3位の12号車 カルソニック IMPUL GT-Rは 予選9位(繰り上げで8番グリッドからスタート)となった。

 気温17度、路面温度24度、54周の決勝レースがスタートした。1コーナーは39号車 DENSO SARD SC430(石浦宏明)がトップをキープ、2位の46号車 S Road MOLA GT-R(ロニー・クインタレッリ)、3位の17号車 KEIHIN HSV-010(金石年弘)も予選順位をキープした。

GT500クラスのスタートシーン(Photo:Burner Images)1コーナーから2コーナーを抜けるGT500マシン

 トップの39号車 DENSO SARD SC430と2位の46号車 S Road MOLA GT-Rは2秒差を保ったまま後方集団を引き離し、46号車 S Road MOLA GT-Rと3位の17号車 KEIHIN HSV-010の差は3周目には4秒、9周目には7秒と広がった。GT300のマシンが周回遅れになる頃からトップ2台の差も広がり、13周目には10秒まで開き独走かと思われたが、15周目には9秒、16周目には7秒、17周目には5秒と再びその差は縮まっていった。

39号車、46号車は2秒差で走行46号車は徐々に後続を引き離す

 はるか後方から怒濤の追い上げを見せたのは23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲)だ。予選12位からスタートした23号車 MOTUL AUTECH GT-Rは、1周目の第1ヘアピンの立ち上がりで1号車 ウイダー HSV-010(ロイック・デュバル)を抜き11位にポジションアップ。3周目の1コーナーで 38号車 ZENT CERUMO SC430(平手晃平)のインに飛び込み10位となるが、続く3コーナーのブレーキングで抜き返され再び11位。5周目に再度抜き返し10位へ浮上した。

23号車はスタートは12位だった1号車を抜き38号車に迫る
1コーナーで38号車を抜くが、3コーナーで抜き返される38号車を抜き36号車に迫る23号車

 7周目には1コーナーで36号車 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)、第2ヘアピンで12号車 カルソニック IMPUL GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)を抜き8位。8周目の1コーナーで7位の100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也)が6位の8号車 ARTA HSV-010(武藤英紀)をアウトから抜くが止まりきれず姿勢を乱す。8号車 ARTA HSV-010がラインをアウトに寄せたところを23号車 MOTUL AUTECH GT-Rがインをすり抜け2台をまとめてパスし6位となった。

36号車を抜き12号車をロックオン100号車と8号車をまとめて抜き6位へ

 続く第2ヘアピンで6号車 ENEOS SUSTINA SC430(大嶋和也)に並びかけジェットコースターストレートをサイド・バイ・サイドで駆け下るが6号車 ENEOS SUSTINA SC430が順位をキープ。9周目の1コーナーまで粘るが23号車 MOTUL AUTECH GT-Rが圧倒的に速く5位のポジションを獲得した。

 10周目の1コーナーで35号車 D'STATION KeePer SC430(アンドレ・クート)を抜き4位、11周目の後半登りセクションでGT300の14号車 SG CHANGI IS350に詰まった17号車 KEIHIN HSV-010を抜き3位へ浮上、トップ2台を追い上げる体制は整った。

6号車を抜き5位35号車を抜き4位

 後方ではシリーズポイント2位の1号車 ウイダー HSV-010がスタート直後に12位へ後退。5周目にはランオフエリアにタイヤを落とし13位とポイント圏外で低迷した。前戦で優勝した38号車 ZENT CERUMO SC430は予選で使用したタイヤの摩耗に苦しみ最後尾に後退。10周目に6号車 ENEOS SUSTINA SC430と同時にピットイン、リアタイヤのみの交換で6号車 ENEOS SUSTINA SC430より早くピットアウト、14位でコースに復帰した。

1号車は38号車を攻めていたがコースをはみ出し32号車に抜かれ13位へ最後尾に落ちた38号車。この後ピットインし後方から追い上げる

 3位に上がった23号車 MOTUL AUTECH GT-Rは2位との差を12周目には4秒、13周目には3.4秒、14周目には2.8秒、15周目には2.2秒と縮め16周目から2秒以内で追走した。背後に迫られた46号車 S Road MOLA GT-Rもトップとの差を15周目には8.7秒、16周目には7秒、17周目には5.5秒、18周目には4.2秒、19周目には2秒と縮め、21周目の第1ヘアピンでGT300の集団に追い付いたところで上位3台がテール・トゥ・ノーズの争いとなった。

23号車が46号車に背後に迫ってきたトップ3がテール・トゥ・ノーズの争い

 23号車 MOTUL AUTECH GT-Rは22周目の1コーナーで46号車 S Road MOLA GT-Rのインに飛び込みあっさりと2位にポジションアップ。勢いに乗って39号車 DENSO SARD SC430もあっさり料理するかと思われたが、23周目、24周目、25周目の1コーナー、第2ヘアピンのパッシングポイントは39号車 DENSO SARD SC430が凌いだ。

 54周のレースの折返しが近付き各車のピットインが始まった。このままピットインし後半のバトルに持ち越しかと思われた26周目。4周に渡り仕掛けなかった第2ヘアピンで23号車 MOTUL AUTECH GT-Rがタイヤをロック気味にブレーキングして39号車 DENSO SARD SC430をインからパス。予選12位から11台抜きでトップに浮上した。

23号車が2位に浮上トップに立った23号車はすぐに39号車を引き離す(Photo:Burner Images)

 3位に落ちた46号車 S Road MOLA GT-Rは26周を終えてピットイン。給油、タイヤ交換を行い柳田真孝選手にドライバー交代しコースに復帰した。続く27周目にトップに立った23号車 MOTUL AUTECH GT-Rと2位に後退した39号車 DENSO SARD SC430もピットイン。22.8秒でピット作業を終えた39号車 DENSO SARD SC430(井口卓人)が、28.5秒を要した23号車 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ)をピットで逆転、事実上のトップを奪回してコースに復帰した。

 事実上の2位に落ち、アウトラップでタイヤの暖まらない23号車 MOTUL AUTECH GT-Rの背後に前の周にピットアウトした46号車 S Road MOLA GT-Rが急接近。第1ヘアピンでアウトから並びかけサイド・バイ・サイドで立ち上がり、続く左100Rで突き放し46号車 S Road MOLA GT-Rが事実上の2位に返り咲いた。やや遅れた23号車 MOTUL AUTECH GT-Rのタイヤが暖まり3台は急接近、29周目のタイム差は39号車 DENSO SARD SC430と46号車 S Road MOLA GT-Rが0.49秒、続く23号車 MOTUL AUTECH GT-Rが0.52秒とピットイン数周前の争いをリプレイで見ているような展開となった。

23号車のアウトラップを46号車が第1ヘアピンアウトから並びかけるサイド・バイ・サイドで立ち上がり左100Rで46号車が2位を取り戻す

 前半の勢いをそのままに23号車 MOTUL AUTECH GT-Rが46号車 S Road MOLA GT-Rを攻め立てる。30周目の第2ヘアピンは46号車 S Road MOLA GT-Rがインを閉めブロックしたが、登りセクションの通称コの字でGT300のマシンに詰まった46号車 S Road MOLA GT-Rをアウトからあっさり抜き去りポジションをアップした。

 23号車 MOTUL AUTECH GT-Rの最後の仕上げは39号車 DENSO SARD SC430だ。23号車 MOTUL AUTECH GT-Rは32周目の1コーナーでやや強引に39号車 DENSO SARD SC430のインに飛び込む。抜くまでには至らず、39号車 DENSO SARD SC430の右リアに23号車 MOTUL AUTECH GT-Rの左フロントが軽く接触。2台はサイド・バイ・サイドで2コーナーを抜け、3コーナーでインを制した23号車 MOTUL AUTECH GT-Rが再びポジションを取り戻した。

再び2位に上がり39号車を攻め立てる39号車を抜き再びトップに浮上した23号車

23号車は後続を引き離し独走態勢

 この時点でトップは10周目に緊急ピットインを行った38号車 ZENT CERUMO SC430。34周目に2度目のピットインを行い、全車がピットインを済ませ23号車 MOTUL AUTECH GT-Rはトップに立った。2位の39号車 DENSO SARD SC430との差を34周目には2.6秒、35周目には4秒と広げ独走態勢を築いていった。

 23号車 MOTUL AUTECH GT-Rの快走の影で目立たなかったが後方から着実の順位を上げたのが38号車 ZENT CERUMO SC430だ。序盤で最後尾に落ち10周目にピットイン。リアタイヤのみの交換を行いピット作業で同時ピットの6号車 ENEOS SUSTINA SC430を逆転し14位。30秒ほど開いた13位との差を毎周4秒ほど縮め、各車のピットインもあり18周目に12位、19周目に10位、21周目に8位、23周目に7位、24周目に6位、25周目にはトップ3の45秒後方ながら4位まで浮上した。

30秒差を縮め13位の8号車に追い付いた38号車35号車を抜き8位へ19号車を抜き6位へ

 トップ3が26、27周目にピットインを行い28周目には見かけ上だがトップまで浮上。2回目のピットインを行う34周目までトップをキープした。2度目のピットインで給油、タイヤ交換、ドライバー交代を行いコースに復帰すると6位となった。5位を走る17号車 KEIHIN HSV-010(塚越広大)は20周目、4位の36号車 PETRONAS TOM'S SC430(中嶋一貴)は24周目にタイヤ交換を行っているのでタイヤ面ではかなり有利、残り20周で逆転の可能性は高い。

 38号車 ZENT CERUMO SC430(立川祐路)はピットアウト後6秒あった17号車 KEIHIN HSV-010との差を毎周2秒ずつ縮め38周目には0.18秒差に迫った。40周目の3コーナーで17号車 KEIHIN HSV-010のインに飛び込み5位に浮上、41周目には自己ベストの1分44秒951をマークし4位の36号車 PETRONAS TOM'S SC430を追走した。

17号車との差を徐々に縮める38号車17号車を抜き5位へ

 36号車 PETRONAS TOM'S SC430のラップタイムは1分48秒前後。5.6秒の差はあっと言う間に縮まりテール・トゥ・ノーズの争いとなった。残り8周となる47周目の第2ヘアピンでは38号車 ZENT CERUMO SC430がアウトから並びかけ半車身前に出るがイン側で粘った36号車 PETRONAS TOM'S SC430がポジションをキープ。続く48周目の第2ヘアピンでは36号車 PETRONAS TOM'S SC430のインに38号車 ZENT CERUMO SC430がノーズをねじ込むが抜くまでには至らない。49周目、3コーナーのブレーキングで38号車 ZENT CERUMO SC430がインを奪いオーバーテイク、最後尾から4位まで11台抜きを達成した。残り6周で3位との差は30秒近くあったので後方の差を5秒ほどに開きゴールを目指した。

4位の36号車との差を徐々に縮める38号車36号車を抜き最後尾から4位へ

 残り5周を切っても2位争いは続いていた。2位の39号車 DENSO SARD SC430と3位の46号車 S Road MOLA GT-Rは残り4周で0.59秒、残り3周で0.33秒、残り2周で0.27秒とテール・トゥ・ノーズの争いを続けていた。残り2周を切った53周目のストレートエンドで39号車 DENSO SARD SC430が突然失速。3位に後退するとそのまま2コーナーのイン側エスケープにマシンを停止した。無念のマシントラブル。前戦の富士では最終ラップの最終コーナー手前でGT300マシンに追突され2位から8位に後退しただけに2戦連続で終盤に涙を呑む結果となった。

2位争いはテール・トゥ・ノーズの争いが続いた残り3周。ストレートを駆け抜ける2位争い
残り2周。突然スローダウンした39号車
マシントラブルで2コーナーイン側にマシンを駐めた39号車

 激闘のレースを大逆転で制したのは23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)。2位には最後に順位を上げた46号車 S Road MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)、2回ピットインを行い最後尾から4位まで躍進した38号車 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平)が最後の棚ぼたで3位表彰台を獲得した。

23号車は後続を引き離し優勝したGT500クラスの表彰式(Photo:Burner Images)

最終順位(GT500クラス)

順位マシン名(ドライバー名)
1位23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)
2位46号車 S Road MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)
3位38号車 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平)
4位36号車 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー/中嶋一貴)
5位24号車 ADVAN KONDO GT-R(安田裕信/ビヨン・ビルドハイム)
6位17号車 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)
7位19号車 WedsSport ADVAN SC430(片岡龍也/荒聖治)
8位32号車 EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴)
9位35号車 D'STATION KeePer SC430(脇阪寿一/アンドレ・クート)
10位12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)
11位1号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)
12位8号車 ARTA HSV-010(武藤英紀/小林崇志)
13位6号車 ENEOS SUSTINA SC430(伊藤大輔/大嶋和也)
14位100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)
15位39号車 DENSO SARD SC430(石浦宏明/井口卓人)

 シリーズポイントは2位に入った46号車 S Road MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)が75ポイントでトップをキープ。優勝した23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)が59ポイントで2位に躍進。シリーズポイント3位は11位でノーポイントに終わった1号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)の52ポイントとなり、最終戦のチャンピオン争いに残ったのは46号車 S Road MOLA GT-Rと23号車 MOTUL AUTECH GT-Rの2チームとなった。

 46号車 S Road MOLA GT-Rと23号車 MOTUL AUTECH GT-Rの差は16ポイント。最終戦で23号車 MOTUL AUTECH GT-Rが優勝しても46号車 S Road MOLA GT-Rが6位に入ればチャンピオン獲得となる。数字上では46号車 S Road MOLA GT-Rが相当有利だが、マシントラブル等でリタイヤすれば逆転もあり得るので最後の最後まで目は離せない。最終戦はウエイトハンデもなく、マシンの実力が発揮される注目の1戦となるだろう。

GT500ドライバーズポイントランキング

順位マシン名(ドライバー名)ポイント
1位46号車 S Road MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)75
2位23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)59
3位1号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)52
4位12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)47
5位38号車 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平)46
6位17号車 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)46
7位36号車 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー/中嶋一貴)36
8位39号車 DENSO SARD SC430(石浦宏明/井口卓人)29
9位100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)29
10位24号車 ADVAN KONDO GT-R(安田裕信/ビヨン・ビルドハイム)29
11位6号車 ENEOS SUSTINA SC430(伊藤大輔/大嶋和也)28
12位19号車 WedsSport ADVAN SC430(片岡龍也/荒聖治)18
13位32号車 EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴)15
14位35号車 D'STATION KeePer SC430(脇阪寿一/アンドレ・クート)9
15位8号車 ARTA HSV-010(武藤英紀/小林崇志)7

優勝した1位 23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)
2位の46号車 S Road MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)
3位の38号車 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平)


GT300クラス
 GT300クラスは6戦を終えて4号車 初音ミク グッドスマイル BMW(谷口信輝/番場琢)が65ポイントでシリーズポイントのトップに立ち、8ポイント差の2位に11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458(田中哲也/平中克幸)。3位の33号車 HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢)とは22ポイントの差があり、これまでの戦績をみると2強に絞られた感がある。

 前戦富士で90kgのウエイトハンデをものともせず優勝した4号車 初音ミク グッドスマイル BMWに対し、追加の性能調整が行われた。ウエイトハンデとは別に50kgのウエイトが課せられ、車高を10mmアップ、さらにリストリクターも絞られ、イジメに近い性能ダウンとなった。

SUPER GT第6戦富士までのポイントランキング上位

順位マシン名(ドライバー名)ポイント
1位4号車 初音ミク グッドスマイル BMW(谷口信輝/番場琢)65
2位11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458(田中哲也/平中克幸)57
3位33号車 HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢)43
4位14号車 SG CHANGI IS350(折目遼/アレキサンドレ・インペラトーリ)38
6位74号車 COROLLA Axio apr GT(新田守男/国本雄資)33
7位62号車 R&D SPORT LEGACY B4(山野哲也/佐々木孝太)31
8位25号車 ZENT Porsche RSR(都筑晶裕/土屋武士)27
9位87号車 リール ランボルギーニ RG-3(余郷敦/織戸学)26
10位66号車 triple a Vantage GT2(吉本大樹/星野一樹)25

 予選でポールポジションを獲得したのは62号車 R&D SPORT LEGACY B4(佐々木孝太)。2位は86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3(青木孝行)、3位は25号車 ZENT Porsche RSR(土屋武士)となった。シリーズポイントを争う11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458(平中克幸)は6位、4号車 初音ミク グッドスマイル BMW(谷口信輝)は7位となった。

 スタートでは62号車 R&D SPORT LEGACY B4(山野哲也)がトップをキープ、2位は86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3(坂本祐也)、3位は25号車 ZENT Porsche RSR(土屋武士)、4位は2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電(加藤寛規) 、4号車 初音ミク グッドスマイル BMW(谷口信輝)が11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458(田中哲也)と74号車 COROLLA Axio apr GT(新田守男)抜き5位にポジションアップした。

GT300クラスのスタートシーン(Photo:Burner Images)62号車を先頭に1~2コーナーを抜けるGT300マシン4位は2号車、5位は4号車、11号車は7位

 トップをキープした62号車 R&D SPORT LEGACY B4は後続との差を4周目には5.7秒、8周目には7.8秒、12周目には9.3秒と開き独走態勢を築いた。その後方では25号車 ZENT Porsche RSR、86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3、2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電が僅差で争う2位集団を形成した。

序盤から後続を引き離す62号車2位を争う25号車、86号車、2号車

 シリーズポイントでトップに立つ4号車 初音ミク グッドスマイル BMWはスタート直後は2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電の背後に付けていたが、重いハンデのせいか徐々にタイムを落とし、5周目には2.3秒、10周目には4.1秒、15周目には9.3秒、20周目には13.5秒と離されていった。

徐々に遅れていく4号車

 シリーズポイント2位の11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458は6位の74号車 COROLLA Axio apr GTを攻め立てるが抜くまでには至らず、15周目に74号車 COROLLA Axio apr GTがピットインするまで7位に封じ込められてしまった。

 6位にポジションアップした11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458だが、5位を走る4号車 初音ミク グッドスマイル BMWとの差は16周目には4.9秒、17周目には5.9秒、18周目には6.2秒と開いた。19周目にピットインし後方から追い上げる作戦を採った。

74号車の後ろから抜け出せない11号車74号車のピットインで単独走行となるが、直後にピットインし後方から追い上げる

 順位は21位台中20位まで落としたがラップタイムを3秒ほど上げ、24周目に4号車 初音ミク グッドスマイル BMW(番場琢)がピットインを済ませコースに戻ると順位を逆転、25周目には1.1秒だった4号車 初音ミク グッドスマイル BMWとの差を30周目には8.9秒、35周目には17.8秒と突き放した。

 20位まで落ちた順位も、各車のピットインで25周目には12位、30周目には7位へポジションアップ。全車ピットインを終えた36周目には4位まで浮上した。

ピットアウトしてきた25号車を抜き5位にポジションアップした11号車

 トップの62号車 R&D SPORT LEGACY B4は後続との差を8秒前後にキープし独走。2位争いは25号車 ZENT Porsche RSR、86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3、2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電が順位を入れ替えることなく続き、24周目に62号車 R&D SPORT LEGACY B4がピットインすると見かけ上の1位争いとなった。

 27周目に2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電が86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3を抜き2位に浮上。直後の28周目に86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3が第2ヘアピンの立ち上がりでスピン、コース復帰に40秒ほど要し上位争いから脱落した。

25号車と86号車のバトル86号車と2号車のバトル86号車が脱落し25号車と2号車が見かけ上のトップ争い

25号車がピットインしトップに立った2号車

 2台となったトップ争いは32周目に25号車 ZENT Porsche RSRがピットインし2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電がトップに立ち35周目のピットインまでその順位をキープ、ピットインを済ませコースに復帰すると62号車 R&D SPORT LEGACY B4に続く2位にポジションアップした。燃費が悪く給油時間の長い25号車 ZENT Porsche RSRはピット作業で5位に後退した。

 全車ピットインを済ませ、トップは62号車 R&D SPORT LEGACY B4(佐々木孝太)。15秒差に2位に2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電(高橋一穂)、3位は14号車 SG CHANGI IS350(アレキサンドレ・インペラトーリ)、4位は11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458(平中克幸)、5位は25号車 ZENT Porsche RSR(都筑晶裕)となった。

 3位を走る14号車 SG CHANGI IS350(折目遼)は14番グリッドからスタート。1周目に13位、5周目に12位、9周目に11位、16周目に10位まで順位を上げ、17周目にピットイン。19位まで順位を落とすがタイヤ交換により1分56秒台だったラップタイムを1分54秒台に上げ、パッシングと他車のピットインにより徐々にポジションアップ、25周目には10位までポジションを回復、26周目に9位、29周目に6位、34周目に4位、36周目に3位まで浮上した。

14号車は後方集団からスタートした31号車を抜き11位へ
10位を走る27号車を攻め立てる14号車3位までポジションアップした14号車

 3位に立った14号車 SG CHANGI IS350は2位の2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電との差を徐々に縮め、後方から追い上げてきた11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458も加わり残り10周で3台による2位争いへと展開した。

後方から11号車が徐々に近付いてくる2位の2号車に続く14号車、11号車、25号車2位争いはテール・トゥ・ノーズへ

 残り4周となった1コーナーで14号車 SG CHANGI IS350が2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電のインに強引に飛び込んだ。ブレーキングが遅れ、止まりきれずコースアウトしそうな勢いで飛び込んだ14号車 SG CHANGI IS350は、姿勢を乱し直線的にアウトに膨らむ。通常のラインでコーナーへ切り込んだ2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電に接触。2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電のアウト側のタイヤをコース外へ押し出し、2台が争いガラ空きになったイン側を11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458がすり抜け、漁夫の利で2位に浮上した。

漁夫の利で11号車が2位、14号車はペナルティが出ず3位、押し出された2号車は4位となり大きく遅れた

 自爆しそうなところを接触によりコースに留まった14号車 SG CHANGI IS350は3位で走行を続けた。アウト側のタイヤをグラベルに落とした2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電は、ややスロー走行で4位へ後退した。14号車 SG CHANGI IS350に対しドライブスルー、あるいはレース後のタイム加算のペナルティが出るかと思われたがおとがめなし。もしこの2台がトップ争いをしていればコース外に押し出しての優勝は認められなかったと思える強引なパッシングだった。

 スタートから終始安定した走りで独走した62号車 R&D SPORT LEGACY B4がそのままチェッカーを受け今季2勝目。2位と3位は早めのピットインが功を奏した11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458(田中哲也/平中克幸)と14号車 SG CHANGI IS350(折目遼/アレキサンドレ・インペラトーリ)が入った。シリーズポイント1位でレースに臨んだ4号車 初音ミク グッドスマイル BMW(谷口信輝/番場琢)は9位に終わった。

残り2周、1コーナーで停止した31号車終始安定した走りで独走、2勝目を挙げた62号車GT300クラスの表彰式(Photo:Burner Images)

最終順位(GT300クラス)

順位マシン名(ドライバー名)
1位62号車 R&D SPORT LEGACY B4(山野哲也/佐々木孝太)
2位11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458(田中哲也/平中克幸)
3位14号車 SG CHANGI IS350(折目遼/アレキサンドレ・インペラトーリ)
4位2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電(高橋一穂/加藤寛規)
5位25号車 ZENT Porsche RSR(都筑晶裕/土屋武士)
6位86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3(坂本祐也/青木孝行)
7位31号車 ハセプロMA イワサキ aprカローラ(嵯峨宏紀/岩崎祐貴)
8位74号車 COROLLA Axio apr GT(新田守男/国本雄資)
9位4号車 初音ミク グッドスマイル BMW(谷口信輝/番場琢)
10位27号車 PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリ(山岸大/カルロ・ヴァン・ダム)

 この結果、シリーズポイントは11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458(田中哲也/平中克幸)が72ポイントでトップに返り咲き、5ポイント差の2位に4号車 初音ミク グッドスマイル BMW(谷口信輝/番場琢)となり最終戦のチャンピオン争いはこの2台に絞られた。このレースで優勝した62号車 R&D SPORT LEGACY B4(山野哲也/佐々木孝太)が3位に浮上したが、トップとの差は21ポイントとなり最終戦でチャンピオン争いをする権利は失った。

 最終戦は11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458が4号車 初音ミク グッドスマイル BMWより前でゴールすれば11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458がチャンピオンを獲得する。4号車 初音ミク グッドスマイル BMWは優勝すれば11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458が2位に入っても同点となり、優勝回数の多い4号車 初音ミク グッドスマイル BMWがチャンピオン獲得となる。4号車 初音ミク グッドスマイル BMWが2位、3位、4位の場合は11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458の4位、5位、8位以下が4号車 初音ミク グッドスマイル BMWのチャンピオン獲得の条件となる。最終戦はゴールまで目が離せない1戦となりそうだ。

GT300ドライバーズポイントランキング

順位マシン名(ドライバー名)ポイント
1位11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458(田中哲也/平中克幸)72
2位4号車 初音ミク グッドスマイル BMW(谷口信輝/番場琢)67
3位62号車 R&D SPORT LEGACY B4(山野哲也/佐々木孝太)51
4位14号車 SG CHANGI IS350(折目遼/アレキサンドレ・インペラトーリ)49
6位33号車 HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢)43
7位74号車 COROLLA Axio apr GT(新田守男/国本雄資)36
8位25号車 ZENT Porsche RSR(都筑晶裕/土屋武士)33
9位2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電(高橋一穂/加藤寛規)29
10位87号車 リール ランボルギーニ RG-3(余郷敦/織戸学)26

優勝した62号車 R&D SPORT LEGACY B4(山野哲也/佐々木孝太)
2位の11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458(田中哲也/平中克幸)
3位の14号車 SG CHANGI IS350(折目遼/アレキサンドレ・インペラトーリ)

このレースの模様はテレビ東京系列で毎週日曜23時30分からの「SUPER GTプラス」(BSジャパンでは毎週日曜10時30分から)で放送される。今週末は鈴鹿サーキットでF1日本グランプリ。SUPER GTの最終戦は、その翌週となる10月15日、16日にツインリンクもてぎ(栃木県)にて開催される。


(奥川浩彦/Photo:奥川浩彦、Burner Images)
2011年 10月 6日