三菱自動車、ジュネーブショーでアウトランダーをワールドプレミア
今夏ロシアで販売開始、順次欧州、日本、北米などでも

ジュネーブ国際自動車ショーで世界初公開された新型「アウトランダー」

2012年3月6日発表



 三菱自動車工業は3月6日、スイス・ジュネーブで開催される第82回ジュネーブ国際自動車ショーで新型「アウトランダー」をワールドプレミアした。今年の夏よりロシアから販売を開始し、欧州、日本、オセアニア、中国、北米と世界展開する。また、2012年度中にはEVから派生させた、プラグインハイブリッドシステムを搭載したモデルを追加する予定だ。

 新型アウトランダーでは、省燃費性能、安全性能、そしてエクステリアやインテリアの高級感、上質感を向上したと言う。

 欧州仕様で搭載されるエンジンは2種類。新開発の可変動弁機構を採用したSOHC16バルブ 2.0リッター直列4気筒ガソリンエンジンと、14.9という低圧縮比により欧州の排出ガス規制に対応した2.2リッター直列4気筒ターボディーゼルエンジン。ガソリン仕様には6速MTとCVTが設定され、ディーゼル仕様には6速MTのみが設定される。

2.0リッターガソリンエンジン2.2リッターディーゼルエンジン

 他にもアイドリングストップシステム「オートストップ&ゴー(AS&G)」や高張力鋼板によるボディーの軽量化、空力性能の改善などにより、省燃費性能を向上。ディーゼルエンジンの6速MT、2WD車ではCO2排出量(目標値)がクラストップレベルの130g/km以下。これは20km/Lという燃費に相当する。

 安全性能の向上として、ミリ波レーダーを装備。「衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)」を採用することで、前方の障害物を検知した際に自動でブレーキを制御、衝突事故の回避や軽減を可能とした。また、渋滞のような超低速時でも前走車の車速にあわせた追従が可能な「レーダークルーズコントロールシステム(ACC)」や、走行レーンを逸脱しそうな場合にドライバーに警告する「車線逸脱警報システム(LDW)なども搭載する。

 エクステリアは、ボクシーでボリューム感のあるデザインにより、高級感を演出。Aピラーを立ててボンネットフードが運転席から見える形状とすることで、運転のしやすさを向上した。一方先代のアウトランダーで特徴的だったフェンダー形状は廃しされた。これは空力特性向上のためだと言う。

 インテリアにおいても高級感の演出にこだわり、ダッシュボードなど随所にソフトパッドを採用。センターパネルには光沢のあるパネルを採用している。

新型アウトランダーのエクステリア
フロントライトまわりは厚みがあり迫力のあるフェイス
フォグランプボンネットは先端の部分が運転席から見えやすい形となり取り回し性を向上グリルはデザインのみでダクトはあいていない。これは空力性能向上のため
撮影車が装着していたのはTOYO R37。サイズは225/55 R18だドアミラーにはウインカーを内蔵ドアハンドル
先代アウトランダーで特徴的だったフェンダーアーチはシンプルなものにルーフ。一体型のルーフレールがつくサイドウインドーの下側にだけつくメッキモールがアクセントになる
サイド面の前端、後端にはそれぞれエッジラインがハッキリとつく。これも空力のためだリアまわり
リアゲートにはエンブレムがつく電動で開閉可能なリアゲート
インテリア(ベージュ)ステアリングまわりディーゼル車のメーター
インテリア(黒)ステアリングまわりガソリン車のメーター
ディーゼルの6速MTモデルガソリンのCVTモデルCVTモデルにはシフトパドルも装備
ソフトパッドを使い高級感を演出アイドリングストップのキャンセルスイッチや、リアゲート開閉スイッチがつくシルバーカーボン風のテクスチャーがアクセントになる
シート(黒)シート(ベージュ)運転席(ベージュ)
2列目シート(ベージュ)2列目シートにはドリンクホルダー付きのアームレストを装備3列目シート(ベージュ)
フル乗車時のラゲッジスペース3列目シートは5:5分割可倒式。シングルフォールディングでフラットになる
2列目シートは6:4分割可倒式。座面を持ち上げてからシートバックを倒すダブルフォールディングタイプ
ラゲッジ下のサブトランクにはトノカバーを収納可能3列目シートを収納し、トノカバーを利用した状態

(瀬戸 学)
2012年 3月 6日