日産、「NV200」の次世代イエローキャブを公開

2012年4月4日(現地時間)



 日産自動車は、4月4日(現地時間)に開幕したニューヨーク国際自動車ショーで、「NV200」ベースの次世代ニューヨーク市タクシーを発表した。

 イエローキャブの通称で知られるニューヨーク市のタクシーは、次世代車両のコンペティションを行い、日産と米国フォード・モーター、トルコのカルサン・オートモーティブの提案から、日産の案が2011年5月に採用された。

 NV200次世代ニューヨーク市タクシーの仕様・装備は、タクシー・リムジン協会、クーパーハイアット国立デザイン美術館、公共スペースとスマートデザインにおけるデザイントラストと日産の協議に加え、タクシーの運転手とオーナー、利用者の声を反映させて決定された。

 同車両には4人の乗客と荷物を積載できる。スライドドアとスライドサイドウインドー、乗降用補助ステップと手すり、パノラミックルーフ(シェード付き)、前後席独立運転が可能なエアコンなどのほか、パッセンジャールームには読書灯、足元照明、12V電源コンセント、2つのUSBプラグを備える。またシートはメンテナンス性を考慮して抗菌仕様のビニール表皮を採用している。

 運転席はリクライニングとランバーサポートの付いた6ウェイアジャスタブルシートを採用、ドライバー用USB補助オーディオ入力ポート、リアビューバックアップモニター機能付き標準カーナビなど装備。客室との間にはインターコムシステムが設けられ、このほかタクシー専用機器用予備配線、聴覚障害者用ヒアリングサポートシステム、車外灯と連動させることで音量を減らしたクラクションなどを備える。

 エンジンは2リッター4気筒で、トラクションコントロールとビークルダイナミクスコントロールなどを備え、15万マイルの走行距離耐久保証が付く。

 同社は2013年後半の導入に向け、検証テストを実施。また、ニューヨーク市タクシーとしてははじめて、パーティションを含むタクシー専用装備を搭載した状態で衝突実験を行う。

 同車両はメキシコ・クエルナバカ工場で生産され、標準装備を含めた価格は1台約2万9700ドルになる予定。

 今後は、車椅子対応タクシーを開発するほか、電気自動車(EV)版のNV200タクシーの導入を計画。6台の「リーフ」と3基の充電設備を無償提供し、EVタクシーのパイロットプログラムを行う。

(編集部:田中真一郎)
2012年 4月 5日