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羽田空港と東京駅に日本初の「UDタクシー・ワゴンタクシー専用レーン」設置
日産「NV200 タクシー」のUDタクシーが発車式に参加
(2015/9/14 18:03)
- 2015年9月14日開催
東京国際空港(羽田空港)国際線ターミナルと東京駅 八重洲口のそれぞれにあるタクシー乗り場で、「ユニバーサルデザイン(UD)タクシー・ワゴンタクシー専用レーン」の運用が9月14日9時からスタート。これを記念して同日に羽田空港の国際線ターミナルで「発車式」が執り行われた。
「発車式」では記念のテープカットを行ったほか、関係する国土交通省やタクシー協会などから来賓が参列。挨拶や祝辞を述べた。
最初に挨拶に立った東京タクシーセンター 専務理事の渡辺英雄氏は、「2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会の開催まで5年を切っております。インバウンドのお客さまも非常に増えており、そのなかで訪日外国旅客の利用者利便、移動や滞在しやすい環境整備の一環として、このたび羽田空港の国際線タクシー乗り場に2レーンで30台分、さらに東京の表玄関である東京駅の八重洲口に1レーン6台分のUD、ワゴンタクシーの専用レーンを設置して、本日から運用開始となりました。都内の状況を見ますと、UD車はまだ29台しかない、ワゴンも452台とどちらもまだまだ両方とも少ない状況です。僭越ではありますが、このように私どもが30台分という“入れ物”を作らせていただきましたので、関係者のみなさまにはどうか“メインディッシュ”でありますUD・ワゴン車のタクシーを十分にこちらに入れて盛り付けていただき、器が足りなくなるというようなご支援、ご協力を賜ればと幸いと思っております」とコメント。さらなるUDタクシー、ワゴンタクシーの普及促進を呼びかけた。
続いて祝辞を述べた国土交通省 総合政策局 安心生活政策課 企画官の奈良和美氏は、「昨年、外国語研修の修了者専用レーン(おもてなしレーン)を導入したところ、外国語研修の修了者が非常に伸びております。このユニバーサルデザインタクシーでございますが、私どもは平成32年度(2020年)末までに、全国で2万8000台を導入するという数値目標を立てております。現状を見ますとまだまだ導入は進んでおりませんが、この専用レーンの設置には強く期待しております。また、渡辺専務理事のお話しにもありましたが、この羽田空港という空の玄関口、そして本日同時刻に東京駅八重洲口という陸の玄関口、空と陸の双方にUDタクシー・ワゴンタクシーの専用レーンが開設されるということで、今後、2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、多くのお客さまを迎える上で弾みになると思っております。とくに、大きな荷物を抱えた外国人観光客の方々、そしてお体が不自由な方々の双方にとって、非常に使いやすい玄関口になっていくのではないかと期待しております」と語った。
また、国土交通省 関東運輸局 自動車交通部長の山本英貴氏は「羽田空港の国際線ターミナルは供用開始以来、着々と発着便が増えております。それに伴いタクシーの利用者も年々増加しております。空港という場所の特性上、多くの荷物を持った方やグループで行動される方が多く、ワゴンタクシーのような大きな車両の需要が高まっております。そういったなかでユニバーサルデザインタクシー、およびワゴンタクシーの専用レーンが導入されるということは、移動に困難を抱えている方、子供連れの方、大きな荷物を持って移動される方などの利便性の向上に貢献するものと考えております」とコメントした。
東京ハイヤー・タクシー協会 副会長の樽澤功氏は、「現在、東京ではまだタクシーといえばセダン型が主流でございます。海外からのお客さま、そして荷物を多く持っていらっしゃるお客さま、車いすのお客さま。こういったお客さまにセダン型で対応するのは非常に難しいところがあります。こうしたお客さまに対応できる車両を提供しやすくなるレーンができるということは、私どもにとっても大変喜ばしいことでございます。外国から来られた方に対する玄関口であるこの羽田空港は、外国人旅客接遇研修者の専用レーンに続きまして、UD車、ワゴン車の専用レーンが新設されたわけでありますが、一般のタクシーでも外国語シートの車載などによって、なるべくお客さまにご迷惑をおかけしないよう取り組んでいるところでございます」と述べている。
「専用レーン新設はタクシーの利便性が注目されるよいきっかけ」と日産自動車の吉井氏
このほか、「発車式」のあとには日産自動車 LCV事業本部 グローバルコンバージョン部の吉井誠氏が「NV200 タクシー」について解説。吉井氏は「本日のUDタクシー・ワゴンタクシーの専用レーン新設は、タクシー利用者がそれぞれの用途に合った車両タイプやサービスを選べるようになり、タクシーの利便性がますます注目を集めるよいきっかけになると思います。これまでタクシーといえばセダンが当たり前でしたが、昨今のタクシー利用者、そしてタクシーに対するニーズの多様化によってセダンではお客さまの要望に応えきれていないというシーンが増えてきているのではないかと思っています。例えばセダンタクシーでは大型のスーツケースが2つしか載せられませんが、ワゴンタクシーなら4人乗車時でも全員の荷物を楽々と対応できます。また、パノラミックルーフの採用で、頭上の景色を楽しめることはとくに観光のお客さまに喜んでいただけると思っております」と語っている。