トヨタ・レーシング、WECデビュー戦「スパ6時間レース」の出場を取り止め
TS030 HYBRIDがテスト走行中にアクシデント。初披露はル・マン24時間に

WEC参戦車両「TS030 HYBRID」

2012年4月11日発表



 トヨタ自動車が運営するトヨタ・レーシングは4月11日、2012年FIA世界耐久選手権(WEC)へのデビューとして参戦を予定していたWEC第2戦「スパ・フランコルシャン6時間レース」(5月5日開催)への出場を取り止めると発表した。これにより、WEC参戦車両「TS030 HYBRID」のデビュー戦は6月16日、17日に決勝を迎える第3戦「ル・マン24時間レース」になる。

 出場を取り止めた理由について、4月4日(現地時間)に南仏ポールリカールサーキットでテスト走行を行っていたTS030 HYBRIDが、アクシデントでモノコックに大きな損傷を受けたと説明。このモノコックはTMG(TOYOTA Motorsport GmbH)が保有する唯一のものとなるが、修復が不可能な状態にあり、「新たなモノコックを第2戦までに準備するのは物理的に困難」と判断した。

 チーム代表の木下美明氏は、「このような発表をするのは誠に遺憾であり、スパのレースを楽しみにしてくれていたファンの皆様に大変申し訳ない思いでいっぱいだ。あらゆる可能性を検討したが、残念ながら今回の苦渋の決断に至った。現在、新しいモノコックの製造を急いでおり、できる限り早くテストに復帰し、ル・マン24時間レースへの準備を進める」と述べている。

 TS030 HYBRIDは、V型8気筒3.4リッター自然吸気エンジンに日清紡ホールディングスと開発したキャパシタ(蓄電器)を備えるハイブリッド・システムを搭載。モーターはフロントにアイシン・エィ・ダブリュ製、リアにデンソー製を採用する。

(編集部:小林 隆)
2012年 4月 12日