トヨタ・レーシング、ル・マン24時間・WEC参戦車両「改良型TS030 HYBRID」を発表

　トヨタ自動車が運営するトヨタ・レーシングは2月19日、2013年シーズンのル・マン24時間レースとFIA世界耐久選手権（WEC）に参戦する改良型TS030 HYBRIDを公開した。

　ドライバーは昨年同様、アレックス・ブルツ選手、ニコラス・ラピエール選手、中嶋一貴選手が7号車をドライブ。アンソニー・デビッドソン選手、ステファン・サラザン選手、セバスチャン・ブエミ選手の8号車は今季初めて、ル・マン24時間レース以外のレースにも出場することが決定している。

　2013年シーズンを戦うTS030 HYBRIDは、技術規則が大きく変更される2014年シーズンを前に、V型8気筒3.4リッターガソリンエンジンとキャパシタ（蓄電器）を備えるハイブリッド・システムを組み合わせたTHS-R（トヨタ・ハイブリッドシステム・レーシング）を改良。ガソリンエンジンは530PSを、ハイブリッド・システムは300PSを発生すると言う。

　またシャシーに関しても信頼性、保守性、整備性を向上させたほか、改良型モノコックを含む空力面も2013年のレギュレーション変更によりワークスLMP1カーに課せられた最低車両重量15kg増の影響を最小限に抑え、パフォーマンスを向上させたとしている。

　同チームは第1戦であるイギリス シルバーストーン（4月14日）戦に向け、2月20日（現地時間）に南フランスのポールリカール・サーキットで初のフルテストを開始する。

　木下美明チーム代表は、「新しいシーズンを迎えるに当たり、本当にワクワクしている。幸いなことに、我々は昨年、予想以上の成果を上げることができたと思う。しかし、今年は、さらにその先に進まなければならず、チーム全員、モチベーションを保って頑張ってきた。現在は、2013年型のTS030 HYBRIDの初期テストに集中しているが、シーズンが始まる前なので、皆、やや緊張している。昨年、我々はライバルととても厳しい戦いを展開し、我々の目標を達成するためには、非常に高いレベルで戦い抜く必要があることを再認識した。新しいTS030 HYBRIDは大きな進歩を遂げていると思うが、ル・マン24時間レースのチェッカーフラッグを受けるまで、その真価は分からない。自分の夢は、このTS030 HYBRIDが24時間後に、トップでゴールラインを切ることだ」と述べている。