首都高、菅原秀夫新社長の就任記者会見 「災害に強い首都高造りに邁進したい」 |
首都高速道路は、6月27日の株主総会で選定された新しい代表取締役社長である、菅原秀夫社長の就任記者会見を7月4日に実施した。
会見で菅原社長は、「首都高は首都・東京に留まらず、日本全体にとって重要な交通・物流の基幹である」と述べ、東京オリンピック開催時に運用を開始していることから老朽化が進んでおり、大型トラックの通過によって負担も大きいと紹介。同社の職員が日常的に監視・補修に取り組んでいるものの、昨年発生した東日本大震災に触れ、「同様の災害がいつ関東で起きても不思議ではなく、これに備えることが重要」と語った。
そして菅原社長は、自身が元東京都副知事を務めていた経歴を紹介。さらにそれ以前にも都市整備局、港湾局などで働いたことがあり、「この中で得た街造り事業の経験を生かし、東京都など地元自治体と連携して大規模修復にも取り組みたい」と意気込みを口にした。
また、東京都副知事の退任後は日本自動車ターミナルという、大型トラックから小型トラックに荷物を移す物流拠点を運営する会社の社長を2年務めた。この間に東日本大震災が発生したことで、物流の重要性と災害対策について再認識し、「こうした経験を踏まえ、より広い視野から災害に強い首都高造りに邁進したい」と強調したほか、「ユーザーが安心して首都高を利用できる体制を作るという“お客様第一”の理念を受け継ぎ、よりいっそう効率的な経営によるコスト削減に務めたい」とコメントした。
会見の最後に行われた質疑応答では、首都高のネットワーク拡充に対する菅原社長の見解についての問いかけに対し、「ネットワークの拡充は重要であり、とくに首都高は日本の経済活動の基本になる部分で、ネットワークの充実を進めていきたい」と述べ、さらに「中央環状線は品川線が完成すればミッシングリンク(未整備の部分)が解消される。副知事時代に聞いた説明では、全体の6割という都心を通過するだけの車両が迂回できるようになり、渋滞が解消されて大きな経済効果が望める」と語った。
記者会見場には首都高の道路ネットワーク、建設を進めている新しい道路の完成予定などを説明するパネルが設置されていた |
(佐久間 秀)
2012年 7月 4日